第四紀研究
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52 巻 , 1 号
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論説
  • 亀井 翼
    2013 年 52 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2013/02/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    モグラの巣穴掘り活動が遺跡に与える影響について,茨城県稲敷郡美浦村陸平貝塚を対象に検討した.まず,モグラが移動できる物体のサイズを明らかにするために,現生モグラ塚の調査を行い,モグラによる遺物選別パターンを観察した.その結果,モグラによる擾乱によって,最大長5 cm未満の遺物の一部は地表と地表浅部を往復し,5 cm以上の遺物は沈下することが予想された.次に,モグラによる擾乱を出土遺物のサイズから評価するために,陸平貝塚DNo.3トレンチにおいて,深度ごとの出土遺物サイズの計測を行った.その結果,貝塚堆積後に形成された堆積土壌において,遺物がモグラによって垂直的に再配置されている可能性が示唆された.モグラによる動物擾乱などの生物擾乱は,日本列島の完新世における遺跡形成過程の一部を担っている.それゆえ,生物擾乱の評価は遺物空間配置を議論する上で重要である.
短報
  • 小元 久仁夫, 中村 俊夫
    2013 年 52 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2013/02/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    宮古島南東部の海岸には,1771年明和津波やそれ以前の大津波により打ち上げられたとされる多数の岩塊 (津波石) がみられる.東平安名崎西部に位置するマイバー浜に打ち上げられたサンゴ岩塊表面の窪みの中の標高約2.4 mに付着していた合弁状態の二枚貝(エガイ:B. decussataまたはベニエガイ:Amygdaloumtostum)を採取した.この試料についてAMS14C年代測定を行い,ローカル海洋リザーバー効果を考慮して暦年代に較正した結果,西暦1712∼1840年の年代(1σ)が得られた.確率中央値の年代は1793年となり,1771年明和津波の襲来年代は1σの範囲に入る.試料とした二枚貝は,礁嶺付近の岩盤またはリーフ内のサンゴ岩塊の窪みの中に付着して棲息していたと思われる.その暦年代は,二枚貝が1771年明和津波によって岩盤から分離されたサンゴ岩塊,またはリーフ内にあったサンゴ岩塊とともにマイバー浜に打ち上げられた結果死亡した可能性が高いことを示している.
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