第四紀研究
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36 巻 , 5 号
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  • 米倉 伸之, 辻 誠一郎, 岡村 道雄
    1997 年 36 巻 5 号 p. 283-286
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    The aims of the symposium “Termination of Last Glaciation and the Formation and Development of Jomon culture in Japan” are to clarify (1) what changes have occurred in natural environments in and around the Japanese Islands from the Last Glacial Maximum to the Postglacial periods, (2) what changes have occurred from Late Paleolithic culture to Jomon culture in terms of the relationship between natural and cultural environments, in paticular changes in coastal and land ecosystems and ways of human life, and (3) how and when the Jomon culture was established in terms of natural environmental changes.
    The symposium consisted of three different parts: (1) Last Glacial Maximum (the age of upper Paleolithic culture, 20-15ka), (2) a transition period from Late Glacial to Postglacial (the age of formation of Jomon culture, 15-10ka), and (3) Postglacial period (the age of the development of Jomon culture, after 10ka). The topics were presented by three speakers for each part from the viewpoints of geology, paleoecology, pedology, and archeology.
    The topics of presentations in the symposium are the following: Upper Paleolithic culture in Japan and East Asia (Masao Ambiru); Spatial distribution of the vegetation around the Last Glacial Maximum in Japan (Mutsuhiko Minaki); Paleoenvironmental changes of the Japan Sea since the Last Glacial period (Ryuji Tada); A land ecosystem in the transition to the Jomon age (Sei-ichiro Tsuji); The formation of Jomon culture in the Southern and Northern parts of Japanese Islands (Michio Okamura); Soil formation and the environmental change (Kan-ichi Sakagami); Development of Jomon villages (Yasuhiro Okada); Forest vegetation and utilization of wood during the Jomon period in Japan (Mitsuo Suzuki and Shuichi Noshiro), and Jomon agriculture: retrieval of evidence (Masakazu Yoshizaki). The discussions in the symposium have focused on the relationship between the changes in natural environments and ways of human life, in particular the change of land ecosystems and the utilization of natural resources.
    The state of the art in studies of the natural environmental changes from the termination of the Last Glacial to the Postglacial and their relations to the regional development from the upper paleolithic culture to the Jomon culture in Japan are reviewed from various viewpoints, and future tasks of research are presented.
  • 多田 隆治
    1997 年 36 巻 5 号 p. 287-300
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    第四紀後期の日本海堆積物は,センチメートルからメートルスケールでリズミカルに繰り返す明暗の縞で特徴づけられる.日本海中南部ODP797地点より採取された堆積コアについて高解像度解析を行った結果,これら明暗縞は日本海全域にわたって数百年から数千年間隔で繰り返し起こった海洋環境変動を反映し,近年グリーンランド氷床記録より見いだされたダンスガード・オシュガー・サイクルと呼ばれる突然かつ急激な気候変動に同調していることが明らかになった.日本海におけるその変動は,ダンスガード・オシュガー・サイクル温暖期に対応した東シナ海沿岸水の日本海への流入比率の増加,表層水塩分の低下による深層水循環の減衰,表層での生物生産性の増加とそれによる暗色縞の堆積および,寒冷期に対応した東シナ海沿岸水流入比率の減少,表層水塩分の上昇による深層水循環の強化,生物生産性の減少とそれによる明色縞の堆積で特徴づけられる.さらに,東シナ海沿岸水流入比率の増加は,中央アジアの湿潤化に伴う黄河あるいは揚子江流出量の増大を反映した可能性がある.
  • 南木 睦彦
    1997 年 36 巻 5 号 p. 301-308
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    植生の空間構造を復元するには,埋没林や自生泥炭で,現地性の高い木材化石や大型植物化石から低地の植生を復元し,花粉化石だけが普通に産出する分類群は山地に生育していたとする手法が有効である.この手法を用いて最終氷期最盛期頃の植生を復元すると,兵庫県板井寺ヶ谷遺跡では,低地にはカヤツリグサ科やミズバショウなどが生育する湿地にトウヒ属バラモミ節,カバノキ属ハンノキ属などの小林分がある.一方,山地にはヒメコマツを含むマツ属単維管束亜属やコナラ属コナラ亜属が生育していたことがわかった.宮城県富沢遺跡では,カヤツリグサ科の草原にカラマツ属やトウヒ属が生育する低地と,マツ属単維管束亜属,ハシバミ属などを含む山地の植生が復元された.当時,各地で草原が拡がったことは間違いないが,その規模には議論がある.植生の構成種は,生理・生態・形態を氷期・間氷期の変動の中で大きく変化させてきた.現生種の生理・生態をそのままあてはめるわけにはいかない.植物食の可能性もあるので,注意を要する.
  • 辻 誠一郎
    1997 年 36 巻 5 号 p. 309-318
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    縄文文化の成立と展開が生態系の変化とどのようにかかわったかを明らかにするために,日本列島における晩氷期から後氷期にかけての植生の急変を見直した.関東から西日本ではおもに4回の段階的な変化を認め,照葉樹林期(約8,000年前以降)までに,温帯性針葉樹林とコナラ-クマシデ属型落葉広葉樹林(約13,000-12,000~10,000年前),コナラ-クマシデ属型落葉広葉樹林(約10,000~9,000年前),エノキ-ケヤキ型落葉広葉樹林(約9,000~8,000年前)が優占する3つの時期を認めた.東北・北海道ではおもに3回の変化を認め,ブナ属・コナラ亜属林かコナラ亜属林期(約8,000年前以降)までに,温帯・亜寒帯性針葉樹(約13,000-120,000~10,000年前),カバノキ属・ハンノキ属(約10,000~8,000年前)の優占する時期を認めた.約10,000年前の変化はもっとも大きな変化で,縄文文化の諸要素が出揃う縄文時代の始まりにほぼ一致する.縄文文化が落葉広葉樹林への変化によって育まれたとすると,コナラ-クマシデ属型落葉広葉樹林がいち早く広域に拡大した西南日本が縄文文化の要素を育んだ一地域と考えられ,縄文文化が東進した可能性が指摘された.
  • 岡村 道雄
    1997 年 36 巻 5 号 p. 319-328
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    人類活動と自然環境の因果関係を研究するためには,地域的に両者の実像と変遷を捉えなければならない.特に,人類活動に大きな影響を与える因子に,気候と動植物相が考えられるが,それらの日本列島内での時空的な実態はほとんど明らかにされていない.ここでは,両者の関連が考察でき,自然環境と道具の組み合わせに地域性が認められる九州南部,東海東部から関東,中部・信濃川中流域,北海道を中心に分析してみた.晩氷期に南九州・四国南岸から南関東の太平洋沿岸部に,クリ・クルミ・ドングリ類が実る中間温帯林,豊かな縄文的な森が形成されはじめ,植物性食料の採取・加工に磨石・石皿・土器など,森に増殖しはじめたシカ・イノシシなどの狩猟に落とし穴や石鏃が用いられはじめた.一方,列島の北半は,完新世になっても旧石器時代的な寒冷気候が継続し,北アジアと同一歩調で細石刃が発達した.本州では少量の土器が用いられるが,木の葉形の石槍,打製石斧,有舌尖頭器を用いた狩猟を中心とした生業が続き,本州中部を境に北と南の縄文文化が成立した.
  • 鈴木 三男, 能城 修一
    1997 年 36 巻 5 号 p. 329-342
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    遺跡から出土する木材化石の樹種を調べることにより推定される縄文時代の植生の変遷と,縄文人の木材利用による植生の改変について概観した.最終氷期には亜寒帯性針葉樹林が全国的に拡がっている.それ以降の気候温暖化に伴って冷温帯落葉広葉樹林を経て,縄文時代前期には西南日本ではアカガシ亜属,シイ類を中心とする照葉樹林に,関東地方ではトネリコ属,クヌギ節,コナラ節,クリなどの落葉広葉樹林が,本州北部の三内丸山遺跡ではトネリコ属,モクレン属,カエデ属,ブナ属などからなる冷温帯落葉広葉樹林になっていた.トネリコ属(ヤチダモ)林は,縄文時代に中部~関東,東北日本の低湿地に広く分布していたが,弥生時代以降,ほとんどが失われた.同様に,スギの平地林,モミの丘陵地林も,縄文時代以降に失われた.
    縄文社会が拡大し,人口が増えて集落が拡大することにより,これらの自然林は改変され,クリ,コナラ節,クヌギ節,エノキ属などからなる二次林が成立し,これは現在の雑木林(里山)へとつながっているものである.
    このような森林環境から縄文人は燃料材,さまざまな器具材,建築材,土木用材等に樹種を選択的に,あるいは非選択的に利用し,そのような利用がまた森林の改変に拍車をかけた.そして,縄文時代を通して大量に利用されたクリ材は,自然状態での再生産のみでは需要に追いつかず,人間が積極的に栽培・管理した可能性を指摘した.
  • 吉崎 昌一
    1997 年 36 巻 5 号 p. 343-346
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    これまで,縄文文化には複数の栽培植物アサ(アサ属Cannabis),エゴマ(シソ属Perilla),ヒョウタン(ユウガオ属Lagenaria),クリ(クリ属Castanea)等の存在が知られていた.しかし,最近のフローテーション法の採用による炭化植物種子の検出,イネのプラントオパール抽出などの考古植物学的な調査によれば,縄文文化前期~中期前半の層準から東日本ではヒエ(Echinochloa)が,西日本にはイネ(Oryza sativa)が検出される.これらイネ科Gramineae植物の出現や文化的な背景には,まだ不明の部分が多い.しかし,ヒエは東日本で栽培化が行われた可能性があり,イネはアジア大陸とその周辺部から渡来してきた,と考えられる.また,縄文時代に存在するといわれていたリョクトウVigna radiata (L.) Wilczekについては,まだ確実な資料は発見されていない.
  • 安蒜 政雄
    1997 年 36 巻 5 号 p. 347-349
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
  • 岡田 康博
    1997 年 36 巻 5 号 p. 350-352
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
  • 坂上 寛一
    1997 年 36 巻 5 号 p. 353-356
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
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