以上記述したきた各種実験の結果を要約すれば,
1. 市販パラフィンの “'はな” はパラフィンの結晶組織のなかの空げきによる。
2. 微晶質ロウの結晶組織は普通パラフィンに比較して微細である。
3. パラフィンにポリエチレン, Acra wax Cなどを少量添加すれば, パラフィンの結晶組織が均一化し, かつ微細になる。特にポリエチレンはその効果が大きい。
4. このようなパラフィンの結晶組織を微細にする添加剤はその少量添加によつて, またパラフィンの融点を相当上昇させる効果がある。
5. ポリエチレンの融点上昇効果はポリエチレンの分子量が大きくなるに従つて増大する。
6. ポリエチレン, Acra wax Cなどの添加剤はまたパラフィンの硬度を増大させる。特にポリエチレンとActa wax Cとを併用すれば, その効果は一層大きくなる。
7. ポリエチレンを添加して融点を高くしたパラフィンは, ぼじめからそれと同じ融点を持つ普通市販パラフィンに比較して著しく硬度が大きい。
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