cis-9, 10-エポキシオクタデカン酸の希硫酸による不均一加水開環反応に際して, 少量の界面活性スルホン酸 [5, 8-ジイソプロピル-2-ナフタリンスルホン酸 (HDNS)] を添加した所, 通常主反応生成物と考えられている
threo-9, 10-ジヒドロキシオクタデカン酸の外に, かなり大量の
threo-9, 10-ジヒドロキシオクタデカン酸のモノHDNSエステルが生成することを認めた。本反応条件下ではHDNSは油相として用いたトルエンに不溶であったこと, 及び, ジオキサンを溶媒とした均一反応系中で行った同様の反応では
threo-9, 10-ジヒドロキシオクタデカン酸が主反応生成物であったことから, 不均一反応においては, HDNSは油水界面上に配向吸着し, 局部的に濃縮される結果, 無水溶媒中で行われる均一反応系で得られる上記反応生成物を容易に生成するものと考えた。
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