昭和63年6月に工業技術院からの依頼により, 日本石鹸洗剤工業会においてJIS合成洗剤試験方法ならびに合成洗剤の生分解度試験方法の改正原案が作成され, 平成元年3月に答申が行われた。工業技術院では, 過日, 化学製品部会においてこれら2件について議決した。予定では明春に刊行される手筈となっている。
これに関連して, 従来のJISの中で日本石鹸洗剤工業会認定, あるいは日本油化学協会認定として取り扱われてきた数種の試薬について, 新しいJISでは「日本油化学協会が制定した品質規格 (試験方法を含む) がある」との表現によって処置したいとの意向が, 当局より日本石鹸洗剤工業会に伝えられた。これに該当する物質はカルボキシメチルセルロースナトリウム, 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム, ドデセン-1 LAS (直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム), n-ドデシル=ポリ (オキシエチレン) =エーテル (エチレンオキシドの付加モル数7mol) の4種である。
日本油化学協会は日本石鹸洗剤工業会の委嘱を受けて, 上記に関する検討を合成洗剤部会で実施することを昭和63年9月の理事会で決定した。これを受けて合成洗剤部会の中に合成洗剤JIS関連物質試験方法制定専門委員会が組織された。同委員会は平成元年1月より9月まで4回開催され, 慎重に討議を重ね, この度4種の試験方法を作成したので, とりまとめてここに報告する。
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