α-SFMeの生分解中間体 (α-スルホコハク酸モノメチル) と同じ基本骨格の化学構造を有するスルホコハク酸, C
14-α-SFMeおよび硫酸化された炭素 (α位) を
14Cで標識したC
16-α-SFMe (
14C標識α-SFMe) の生分解性を検討することにより, α-SFMeの究極的生分解性とその分解経路を確認した。
スルホコハク酸の生分解性をMITI法で検討した結果, 未じゅん (馴) 化の活性汚泥ではBODの除去は認められず生分解は示されなかったが, あらかじめα-SFMeに馴化した活性汚泥では分解を示した。
C
14-α-SFMeの場合, 馴化した活性汚泥を用いて振とう培養法により検討した結果, 培地中に残留するDOCの減少が分解の早い時期より始まり, ひきつづき無機硫酸根の離脱も認められ生分解は順調に進行した。
14C標識α-SFMeの試験においても, 馴化汚泥により試験開始1日目から
14CO
2の発生が認められ, 硫酸化されているα位の炭素が酸化を受け, α-SFMeが究極的に分解されたことが確認された。
これらの結果は, α-SFMeの生分解はアルキル基のω-酸化に始まり, β-酸化による短鎖化を経て, 一時的な分解中間体であるα-スルホコハク酸メチルが生じ, この分解中間体は脱硫酸化後さらに究極分解に進む, という我々が推定した生分解経路を支持するものであった。
抄録全体を表示