日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
39 巻, 4 号
第44回日本臨床免疫学会総会抄録集
選択された号の論文の209件中151~200を表示しています
一般演題(ポスター)
  • 南宮 湖, 西村 知泰, 中村 朗, 朝倉 崇徳, 鈴木 翔二, 加茂 徹郎, 鎌田 浩史, 石井 誠, 長谷川 直樹, 別役 智子
    2016 年39 巻4 号 p. 402a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】近年,既知の免疫不全を有さず,播種性NTM症を発症した患者の一部から抗IFNγ中和自己抗体の検出が報告されているが,その臨床的特徴は十分に明らかではない.【症例1】70代女性.喀痰・胸水・気管支肺胞洗浄液・肺組織・尿・肝臓・骨髄からMACを認め,播種性MAC症の診断となる.化学療法により病勢の改善を認め,2年間で治療終了とした.その後,微熱・全身倦怠感を認め,精査の結果,骨髄からMACの検出を認めた.【症例2】60代男性.腋窩リンパ節膿瘍を契機に,播種性MAC症の診断となる.化学療法を開始し改善を認めた.経過中に皮膚掻痒・肝機能障害を新規に認め,ERCPを施行した所,胆汁培養からMACの検出を認めた.【症例3】70代男性.頸部リンパ節・腹腔内リンパ節腫脹を認め,悪性リンパ腫疑いで紹介.頚部リンパ節の培養検査でDDH法では同定不能の抗酸菌を認めた.16S rRNAによる解析でM. genavenseを同定した.【考察】抗IFNγ中和自己抗体が陽性の播種性NTM症の3例を経験した.長期間に及ぶ化学療法を施行しても,骨髄や肝臓内にNTMを認めた.

  • 長澤 洋介, 大島 正嗣, 宮内 貴弘, 濱口 麻里奈, 芳沢 昌栄, 都築 広, 杉山 海太, 西脇 農真, 野崎 高正, 唐澤 弘美, ...
    2016 年39 巻4 号 p. 402b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      症例は71歳男性,62歳時に関節リウマチ,68歳時に前立腺癌による腫瘍随伴関節炎の既往歴あり.いずれも治療で改善している.平成27年10月発熱出現.近医より感冒薬と抗菌薬処方されるも改善無し.全身の関節痛と筋痛出現し,血液検査上炎症反応高値を認めたため,11月10日に当科紹介受診.血液検査上白血球,プロカルシトニン(PCT)高値(血液培養で細菌陰性)より敗血症と診断し入院.抗生剤投与を開始し,PCT改善するも炎症反応の陰性化せず,発熱の持続,胸水貯留,関節痛,急性期蛋白の上昇を認めた.11月13日SpO2低下と凝固線溶系亢進を認め,肺塞栓症の診断で抗凝固剤投与を行った.自己抗体全て陰性であり,全身検索で悪性腫瘍の合併も否定的であったため,MEFV遺伝子の解析を行った.exon 5 codon 503Cの変異を認めたため家族性地中海熱(FMF)の診断となった.コルヒチン投与を施行したところ,発熱,炎症反応,凝固線溶系の改善を認めた.FMFに肺血栓塞栓症を合併した症例はあまりなく,貴重な症例と考えられるため報告する.

  • 荻田 千愛, 佐野 統, 松井 聖, 北野 将康, 東 直人, 関口 昌弘, 西岡 亜紀, 森本 麻衣, 田村 誠朗, 吉川 卓宏, 古川 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 403a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      家族性地中海熱(Familial Mediterranean fever, FMF)は周期性の発熱と無菌性漿膜炎発作を繰り返す遺伝性自己炎症性疾患であり,本邦でも責任遺伝子MEFV(Mediterranean fever)の同定により,遺伝子解析にて多数の症例が報告されている.当院の外来でも感染症,自己免疫疾患,悪性腫瘍を除外した上で,短期間の発熱や腹痛発作を繰り返す症例においては遺伝子解析の取り組み,FMFの治療薬とされるコルヒチンの治療効果判定を行っている.今回,遺伝子変異を認め,臨床所見とコルヒチン投与で症状の改善を得たことでFMFと診断された7例の臨床経過を辿り,FMFの病態解析を行った.7例共に性別は女性で,発症年齢もFMFの90%が20歳以下とされているが,2例を除いて初発が20歳代であった.本来,FMFは常染色体劣性遺伝を示す遺伝性疾患とされているが,全症例において家族歴は無く,患者本人のみの発症であった.遺伝子解析にて2例はM649I変異を,5例はE148Q変異,1例はC369T変異を有した.M694I変異以外の場合は臨床症状と合わせて診断する必要があり,コルヒチンの反応性を含んだTel-Hashomer基準を満たすことでFMFと診断した.発作症状が発熱のみの症例は認めず,全例で漿膜炎様症状や関節痛の併発があり,なかには他院にて虫垂炎と診断された一例もあった.7例を検証することにより,遺伝子解析はあくまでFMFの診断の補助であり,臨床症状と合わせて総合的に判断することが重要と考えられた.

  • 横山 宏司
    2016 年39 巻4 号 p. 403b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      症例は12歳の女児,正期産で周産期の異常は無かった.出生後より咳嗽が目立ち,月齢2か月に当科入院した,咳き込み嘔吐があり,体重増加不良を伴ったため月齢3か月より3歳まで鼻汁栄養を併用した.月齢6か月時,近隣のこども病院にて気管支ファイバー検査を施行,気管支軟化症と診断,また同院にて周期性嘔吐症と診断した.咳嗽に対しては吸入ステロイドなどを使用するも改善が乏しく5歳時 体重14.4kg(−1.3SD)と体重増加不良が認められた.この時撮像した胸部CT検査で慢性気管支炎,気管支拡張症と診断されている.10歳時に,周期性嘔吐の診断にて当院入院した.胸部CT検査をおこない,慢性気管支炎・気管支拡張症の憎悪を認め,副鼻腔CT検査では非常に重篤な副鼻腔炎が認められ,線毛機能不全を疑った.呼吸機能検査では混合性障害を呈し,睡眠時無呼吸検査では軽度低酸素血症を認めた.呼気一酸化窒素低値であり,原発性線毛機能不全症候群を疑い鼻粘膜生検,絨毛検査を施行した.去痰剤・マクロライド少量投与にて加療をおこなった.12歳現在 30.3kg(−0.3SD)と体重の改善を認めている,嘔吐は無くなり,生まれて初めて匂いが分かるようになったと実感している.免疫疾患に関する診療体制は充実してきているが,発見されていない患者さんは存在する.診断の過程に関して反省を込めて発表をおこなう.

  • 宮本 昇, 金関 貴幸, Kochin Vitaly, 廣橋 良彦, 佐藤 昇志, 鳥越 俊彦
    2016 年39 巻4 号 p. 404a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      がん幹細胞は高い腫瘍形成能と化学・放射線療法に対する治療抵抗性を併せもち,再発・転移の起点となる細胞成分である.我々はヒト大腸がんSW480細胞株からside population法でがん幹細胞成分を単離し,HLA-A24リガンドーム解析によりがん幹細胞に特異的なIV9ペプチドとそのソース遺伝子ASB4を同定した.ASB4は大腸・肺・腎・頭頚部がんに発現する一方で成人および胎児の正常組織に発現はみられず,がん特異性が高い遺伝子である.IV9合成ペプチドを用いるとHLA-A24陽性の大腸がん患者および正常人の末梢血からそれぞれ3/3名および2/3名でテトラマー陽性CTLが誘導できた.誘導したCTLクローンはIV9ペプチド提示細胞を特異的に認識し同時にSW480がん幹細胞を強く細胞傷害する.さらに,SW480細胞担がんマウスモデルにCTLクローンを静注すると腫瘍形成を有意に抑制した.以上から,HLA-A24リガンドーム解析により同定したIV9ペプチドは大腸がん幹細胞成分を特異標的とするCTL誘導が可能であり,魅力的な新規がんワクチン候補と考えられる.

  • 只野 裕己, 塚原 智英, 守田 玲奈, 水島 衣美, 芝山 雄二, 廣橋 良彦, 鳥越 俊彦
    2016 年39 巻4 号 p. 404b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      癌幹細胞は自己複製能,多分化能,そして高い造腫瘍能をもつ細胞集団で,化学療法や放射線治療に抵抗を示す.それゆえ癌幹細胞を標的とする治療法の開発は重要である.これまでに我々は癌幹細胞抗原DNAJB8を同定し報告してきた.DNAJB8は腎細胞癌の癌幹細胞に高発現し,正常組織では精巣のみに発現する癌精巣抗原であり,癌幹細胞標的抗原として理想的である.そしてHLA-A24拘束性CTLエピトープDNAJB8-143ペプチドを同定し,ペプチド特異的CTLが癌幹細胞を高く傷害することを示した.今回我々は癌幹細胞に対する抗体治療開発を目指して,HLA-A24/DNAJB8-143ペプチド複合体特異的人工抗体の作成を試みたので報告する.ヒト健常人末梢血と切除扁桃よりRNAを抽出してヒトナイーブドナー由来scFvファージディスプレイライブラリを構築した.そしてHLA-A24/DNAJB8-143複合体を抗原としたバイオパニングを行い,HLA-A24/DNAJB8-143複合体特異的scFvクローンを分離した.続いてscFvにヒトIgG1定常領域をつなげた二価の人工抗体(scFv-hIgG1)を作成し,ペプチドに対する反応性をFACS解析で検討した.scFv-hIgG1はDNAJB8-143ペプチドを認識した.本抗体は細胞表面におけるHLA-A24/DNAJB8-143ペプチドの検出,DNAJB8を標的とした癌幹細胞の制御に有用かもしれない.

  • 小荒田 秀一, 堺 真梨子, 貞永 裕梨, 丸山 暁人, 小野 伸之, 多田 芳史
    2016 年39 巻4 号 p. 405a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】IgG4関連疾患において形質芽細胞に関しての報告は少ない.形質芽細胞のフェノタイプ,分画を鑑別を要する近縁疾患であるSLE,シェーグレン症候群,後腹膜線維症,ANCA関連血管炎(AAV)と比較し,各疾患における特徴を検討し,疾患別の新規治療標的を探索する.【方法】患者由来B細胞をCD19, CD138, RP105の発現をもとに,形質芽細胞から形質細胞に至る5つのサブセットに分け,200種類以上のB細胞関連抗原の発現についてフローサイトメトリーを用いて解析した.【結果】IgG4-RD, SLE, SS, AAVではRP105陰性前形質芽細胞,形質芽細胞,後期形質芽細胞が正常と比較して増加し,同細胞比率は疾患活動性と相関した.同細胞比は,臓器障害数と相関した.IgG4-RDはSLEよりも,分画分布が,より早期の前形質芽細胞に偏っていた.CXCR5の発現は,SLEでは,早期に消失したが,IgG4-RDでは,後期形質芽細胞の段階まで発現が持続していた.BCMAの発現はSLEの形質芽細胞で増加がみられた.【結論】RP105陰性形質芽細胞は,自己免疫疾患における診断,活動性マーカーとして有用で,治療標的としても重要である.疾患に特異的な治療標的分子として,IgG4-RDではCXCR5-CXCL13ケモカイン経路が,SLEではBCMA/BAFF-R/TACI-BLyS/APRIL経路が示唆される.形質芽細胞は,自己免疫病態での治療標的として重要性が示唆されているが,原疾患の各病態に応じたB細胞標的の策定が重要である.

  • 東海 有沙, 永石 宇司, 渡部 太郎, Nisha Jose, 細谷 明徳, 小島 裕大, 渡辺 守
    2016 年39 巻4 号 p. 405b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景・目的】T細胞に発現するCEACAM1は腸管の免疫応答を調節し得ることが最近明らかになった.T細胞に加えてB細胞もまた腸管関連リンパ組織において主要な構成要素の一つである.そこで我々はB細胞におけるCEACAM1の発現を解析した.【方法・結果】C57BL6マウス(B6)の脾細胞を単離し,各リンパ球分画をFACS解析した結果,T細胞分画よりB細胞分画の細胞表面でCEACAM1は多く発現していた.骨髄細胞を解析した結果,B細胞の分化段階が進むにつれてCEACAM1の発現レベルが上昇していた.B細胞におけるCEACAM1の機能を解析するため脾臓B細胞のTLR4,CD40,あるいはB細胞受容体(BCR)を刺激しサイトカイン産生を測定した結果,CEACAM1はBCRシグナル特異的なB細胞の活性化を抑制した.【考察】BCRシグナルはB細胞の増殖,分化やIgクラススイッチ,サイトカイン産生を促進するが,CEACAM1 はこうした機能を抑制することで腸管粘膜における免疫調節に関与していると考えられる.炎症性腸疾患(IBD)は病的に活性化したB細胞やT細胞が腸管粘膜に浸潤する難治性の病態である.B細胞におけるCEACAM1の機能を明らかにすることでIBDに対する新規治療法の開発に応用できると期待する.

  • 宮寺 浩子, 徳永 勝士, 野口 恵美子
    2016 年39 巻4 号 p. 406a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      疾患関連解析の進展により,様々な自己免疫疾患や感染症とヒト白血球抗原(human leukocyte antigens(HLA))遺伝子多型との強い関連が明らかになった.HLAの多型はペプチド結合溝に集中しているため,HLAの抗原提示能が疾患感受性に寄与していると考えられている.しかし,疾患発症に関わる自己抗原・外来抗原ペプチドは,多くの疾患では未だ同定されておらず,HLAと疾患との関連のメカニズムには不明な点が多い.疾患関連解析から得られた知見を発症機序の解明につなげるためには,ヒト集団中に維持される多数のHLAアリルのペプチド結合能を定量的,定性的に比較,評価することが重要である.従来,HLA提示抗原の探索は,精製HLAを用いたペプチド結合アッセイ,T細胞アッセイ,もしくは精製HLAからのペプチド溶出によって行われているが,これらの方法で多数のHLA型について結合ペプチドの解析を行うことは困難である.そこで,我々は,HLAのペプチド結合能を多検体について解析出来る手法を開発することとした.具体的には,HLAとペプチドを融合タンパク質として発現し,細胞表面のHLA発現量を定量することでHLAとペプチドの相互作用を評価した.この方法で複数の自己免疫疾患,感染症について,疾患感受性・抵抗性HLAアリルが結合しうるペプチドをスクリーニングした.今後,本方法のハイスループット化にも取り組む予定である.本発表ではこれまでに得られた成果の概要を紹介する.

  • 樋口 貴士, 岡 笑美, 古川 宏, 小森 敦正, 八橋 弘, 中村 稔, 川崎 綾, 土屋 尚之, 右田 清志
    2016 年39 巻4 号 p. 406b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】自己免疫性肝炎(AIH)は中高年女性に好発し,多くは緩徐に進行する肝疾患である.AIHの原因は不明だが,遺伝要因と環境要因が関与する多因子疾患であるとされている.HLA-DRB1*04が疾患感受性アレルとされており,AIH症例の約60%がDRB1*04陽性であるとされている.DRB1は日本人とヨーロッパ集団に共通したAIHの疾患感受性遺伝子だが,ヨーロッパ集団におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)で報告されたCARD10の単一塩基多型(SNP)とAIHとの関連は日本人集団では再現されなかった.当研究では,HLA以外のAIH関連遺伝子多型を日本人で明らかにすることを目的とする.【方法】日本人AIH患者341例,健常対照者412例を対象とした.ヨーロッパにおけるAIHのGWASにて,P = 5×10−8には満たないが関連の傾向が観察された15SNP(rs11209050, rs17016449, rs4325730, rs564799, rs11943338, rs6551933, rs1295686, rs550167, rs906629, rs10819195, rs2071272, rs11160594, rs2631695, rs7171939, rs2302209)をTaqMan probeと7500 FastリアルタイムPCRシステムでタイピングし,関連解析を行った.【結果・考察】rs4325730は,AIHとの弱い関連が認められ(アレルモデルOR 1.26 95%Cl 1.02-1.57 P = 0.0344,優性モデルOR 1.55 95%Cl 1.09-2.21 P = 0.0134),M2抗体陰性AIHとの関連も観察された(アレルモデルOR 1.39 95%Cl 1.08-1.80 P = 0.0106,優性モデルOR 2.10 95%Cl 1.34-3.28 P = 0.0010).

  • 横山 望, 川崎 綾, 八谷 有紀, 平野 史生, 佐田 憲映, 小林 茂人, 山田 秀裕, 古川 宏, 山縣 邦弘, 住田 孝之, 宮坂 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 407a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】HLA-Gは胎盤,免疫細胞等に発現し免疫制御に関与する非古典的HLA-class I分子である.HLA-G遺伝子の3'非翻訳領域に14塩基対挿入多型(rs371194629)とmiRNA結合部位に位置する一塩基多型(rs1063320 G/C)が存在し,HLA-Gの発現や自己免疫疾患との関連が報告されているが,ANCA関連血管炎(AAV)における報告はない.本研究ではこれらとAAVとの関連を検討した.【方法】日本人AAV患者群470例,健常対照群777例についてこれらの遺伝子型を決定し,ロジスティック回帰分析により関連解析を行った.【結果】多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(n = 92)において14bp挿入アリル(P = 0.020, OR = 1.68,優性モデル),rs1063320 Gアリルが増加していた(P = 0.042, OR = 1.47,加法モデル).これらには連鎖不平衡が認められ(D' = 0.90, r2 = 0.11),いずれが一義的かは決定できなかった.GPA群92例,健常対照群573例において,それぞれGPA抵抗性,感受性との関連傾向を有するDRB1*13:02DPB1*04:01により調整したのちも,14bp挿入(P = 0.045, OR = 1.59),rs1063320 G(P = 0.015, OR = 1.62)との関連が検出された.【結論】HLA-G多型がHLA-class IIと独立にGPAと関連することが示唆された.

  • 岩橋 優花, 川崎 綾, 平野 史生, 岡 笑美, 古川 宏, 佐田 憲映, 小林 茂人, 山田 秀裕, 山縣 邦弘, 住田 孝之, 宮坂 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 407b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景・目的】ANCA関連血管炎(AAV)の疾患感受性遺伝子として,HLA以外に確立したものはほとんど存在しない.本研究では,全身性エリテマトーデス,関節リウマチ,全身性強皮症,Crohn病などで関連が報告されているTNFSF4上流の一塩基多型(SNP)rs2205960について,AAVとの関連を検討した.【方法】TaqMan SNP Genotyping Assayにより,日本人AAV群468例,健常対照群1100例を解析した.患者群の臨床分類は,顕微鏡的多発血管炎(MPA)285例,多発血管炎性肉芽腫症(GPA)92例,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)56例,分類不能型AAV35例であった.また,ANCA特異性別では,PR3-ANCA陽性が62例,MPO-ANCA陽性が377例であった.【結果】アリル頻度の比較の結果,PR3-ANCA陽性群の関連が検出された(P = 0.0054, オッズ比[OR] = 1.75).GPAにおいても関連傾向がみられた(P = 0.051,OR = 1.41).GPAをANCA特異性で分類した場合は,PR3-ANCA陽性GPA(P = 0.021,OR = 1.81)において関連が検出されたが,MPO-ANCA陽性GPA(P = 0.33,OR = 1.32)では軽度の関連傾向が認められたのみであった.【結論】TNFSF4とPR3-AAVとの関連が国内外を通じて初めて検出された.

  • 藤本 康介, 熊ノ郷 淳, 竹田 潔
    2016 年39 巻4 号 p. 408a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      潰瘍性大腸炎は他の自己免疫疾患と同様に,遺伝的な背景に腸内細菌などの環境因子が作用することで腸管炎症が引き起こされると考えられているが,未だ原因不明の難病の一つである.近年ゲノムワイド関連解析(GWAS)が盛んに行われているが,同定された疾患感受性遺伝子のうち大腸上皮細胞に高発現するRING finger protein 186(RNF186)に着目した.RNF186は小胞体に局在し,ユビキチンリガーゼ(E3)として働く.RNF186の基質としてoccludinなどを新たに同定し,Rnf186欠損マウスでは腸管上皮細胞での基質タンパクの発現パターンの変化を認めた.Rnf186欠損マウスは,腸管上皮の透過性が亢進するだけでなく,デキストラン硫酸ナトリウムを用いた薬剤誘導性腸炎(DSS腸炎)の感受性が亢進した.DSS投与により,Rnf186欠損マウスの大腸上皮細胞の小胞体ストレスは上昇し,アポトーシスが亢進した.潰瘍性大腸炎患者では,コーディング領域内のSNP(64番目のアラニンがスレオニンに変異)が報告されており,そのSNPを反映させた変異マウスを作製したところ,Rnf186欠損マウスと同様にDSS腸炎の増悪を認めた.RNF186は腸管上皮細胞のタンパク質の恒常性を制御することで腸管炎症の発症に関わることが明らかとなった.

  • 與那覇 しおり, 川崎 綾, 松下 貴史, 古川 宏, 長岡 章平, 島田 浩太, 杉井 章二, 片山 雅夫, 廣畑 俊成, 岡本 享, 千 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 408b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】全身性強皮症(SSc)は,皮膚硬化を主症状とし,血管病変を伴って,関節,内臓諸臓器を侵す疾患である.SScの疾患感受性遺伝子は全身性エリテマトーデス(SLE)と共通するものが多い.われわれはこれまでに,B細胞や単球に発現する抑制型受容体をコードするFCGR2B遺伝子のアミノ酸置換をコードする一塩基多型(SNP)rs1050501(Ile232Thr)とSLEとの関連と,リスクアリルであるThr232では,膜脂質ラフトへの局在の低下と抑制シグナル減弱が見られることを報告してきた.本研究ではこのSNPとSScとの関連解析を行った.【方法】rs1050501について,日本人SSc患者429例(びまん皮膚硬化型156例,限局皮膚硬化型112例,抗セントロメア抗体(ACA)陽性187例,抗トポイソメラーゼI抗体(ATA)陽性112例,間質性肺疾患(ILD)陽性187例,肺高血圧症陽性52例)と健常対照者686例のゲノムDNAを用いて,ダイレクトシークエンスを行い遺伝子型を決定して,関連解析を行った.【結果】SSc患者全体と健常対照者との比較では,Thr/Thr遺伝子型の関連傾向が検出された(P = 0.069,OR = 1.64).ILDを有する群と健常対照者の比較において,Thr/Thr遺伝子型の有意な関連が検出された(P = 0.027,OR = 2.05).dcSSc群,ATA陽性群において同様の傾向が検出されたが,有意差には到達しなかった.【結論】ILDを有するSSc群において,SLE同様,FCGR2B 232Thr/Thrが関連することが初めて検出された.

  • 李 進海, 野崎 祐史, 酒井 健史, 岸本 和也, 永禮 靖章, 船内 正憲, 松村 到
    2016 年39 巻4 号 p. 409a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】クロドロン酸(Chlodronate)は,破骨細胞を枯渇させ骨吸収を阻害する化合物で,骨粗鬆症研究に用いられている.クロドロン酸は,細胞内でATP類似体としてATP代謝を阻害し,破骨細胞だけでなくマクロファージに対しても枯渇作用を示すことが知られている.今回,我々はリポ多糖体(LPS)を用いて敗血症性急性腎不全(AKI)モデルマウスを作製し,クロドロン酸を用いることでマクロファージを枯渇させ,AKIにおける腎機能障害や炎症性サイトカインに対する影響について検討した.【方法・成績】クロドロン酸投与48時間後にLPS 30mg/kgをC57BL6マウスに腹腔内投与し,18,120時間後のBUN値を測定した.18時間後ではクロドロン酸投与群においてコントロール群に比べて有意な低下を認め,120時間後において有意な上昇を示した.また,クロドロン酸投与群においてLPS投与後の生存率改善を認めた.LPS投与後18,120時間後の腎TLR4 mRNA発現に有意差は認めなかったが,18時間後にKim-1,IL-18に有意な低下を認め,120時間後ではKim-1,IL-6,MCP-1に有意な上昇を認めた.以上の結果よりクロドロン酸によるマクロファージ枯渇は,敗血症誘導性AKIの急性期において腎障害を改善するが,回復期では腎組織障害修復を遅らせる可能性が示唆された.【結論】敗血症誘導性AKIではマクロファージは急性期腎機能障害進展に対する役割や回復期に腎組織修復に対して保護的な作用を有すると考えられた.

  • 酒井 健史, 岡田 晃典, 冨田 大介, 伊丹 哲, 李 進海, 井上 明日圭, 田崎 知江美, 志賀 俊彦, 朝戸 佳世, 樋野 尚一, ...
    2016 年39 巻4 号 p. 409b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】虚血再灌流障害とは,虚血状態にある臓器に血液の再環流が起きた際に引き起こされる障害をいい,フリーラジカル産生やサイトカインなどの各種ケミカルメディエータ等による障害の機序が考えられている.IL-10は抗炎症性のTh2サイトカインとされているが,虚血再灌流時の腎障害における役割は明らかではない.本研究では,IL-10欠損マウスを用いて,腎虚血再灌流モデルにおけるIL-10の及ぼす影響を解析した.【方法】8-10週齢の野生型のC57BL/6マウス群,IL-10欠損マウス群の両側の腎動脈を遮断した.45分後に遮断を解除し,24時間後に血中の腎機能マーカーの測定,及び腎組織を採取した.【成績】虚血再灌流モデルマウスではIL-10欠損マウスは野生型と比較し,血清BUN値は高値であった(p < 0.05).腎の組織学所見ではIL-10欠損マウスではCD4陽性細胞とCD68陽性細胞が多く発現しているのを認めた.リアルタイムPCR法でmRNAの発現量を解析した結果,IL-10欠損マウス群でIL-1βは高値であった.【結論】本研究からIL-10は腎における虚血再灌流障害に対して抗炎症性の役割をもつ可能性が示唆された.

  • 千藤 荘, 一瀬 良英, 山田 啓貴, 津田 耕作, 仲 郁子, 岡野 隆一, 高橋 宗史, 西村 啓佑, 上田 洋, 明石 健吾, 大西 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 410a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】SKGマウスにおける肺臓炎発症の機序を明らかにする.【方法】SKGマウスにザイモサンA(ZyA)を投与し,肺臓炎を誘導した.ZyA投与の3か月後に肺の病理組織を評価した.病変の広がりから病理スコアを1度(全体の10~30%),2度(30~60%),3度(≥ 60%)と分類した.肺における各種免疫担当細胞(T細胞,樹状細胞,CD11+Gr1+細胞,自然リンパ球(ILC)など)の数や機能をフローサイトメトリーで解析した.【結果】肺臓炎の病理スコアは2度が最も多く(約50%),約20%で3度まで進行していた.肺臓炎を発症したSKGマウスの肺ではCD11b+Gr1+cell,CD11b+Gr1dimcell,Th17,Treg,Group3 ILC(ILC3)が増加しており,病理スコアによってその比率は異なっていた.Th17に加え,ILC3もGM-CSFを産生していた.また,in vitroでGM-CSFの刺激により肺の細胞からCD11b+Gr1dimcellが誘導された.【結論】SKGマウスの肺臓炎は,Th17,ILC3が産生するGM-CSFによってCD11b+Gr1dimcellが誘導されることで引き起こされる.

  • 吉村 美郁, 樋 貴士, 岡 笑美, 川崎 綾, 蕨 栄治, 水野 聖哉, 小野 栄夫, 高橋 智, 當間 重人, 土屋 尚之, 古川 宏
    2016 年39 巻4 号 p. 410b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      メトトレキサート(MTX)は関節リウマチの治療に用いられるが,その副作用の一つである間質性肺病変は予後に影響を及ぼすものの,発症機序は不明である.MTX誘発性間質性肺病変(MI-ILD)を発症した日本人関節リウマチ患者を対象とした関連解析で,HLA-A*31:01との関連が報告された.またMTXをマウスに経口投与すると,MI-ILDを誘発できると報告されている.A*31:01遺伝子導入マウス(Tg)を作成し,MI-ILD発症におけるA*31:01分子の役割を評価することを目的とした.6-15週齢のC57BL/6(WT)とTgの雄(各群4匹)に,7%炭酸水素ナトリウム水溶液またはこれに溶解した3mg/kg MTXを,14日間連続で経口投与した.炎症を誘発させるとMI-ILDを重篤化させる可能性があり,餌・腸内環境の変化がMTXの動態に影響を与える可能性があるため,MTX+完全フロイントアジュバント(CFA)群,MTX+高脂肪食(HFD)群を設けた.CFA群はMTX投与3週間前と前日に尾にCFAを皮下投与,HFD群はMTX投与2週間前からHFDに変更した.投与終了後に血算を測定,肺の組織標本を作成した.MTX群で肺病変を認めたが,WTとTgとの間に明白な差はなかった.CFA群ではMTX群よりも重い肺病変を認めたが,WTとTgで顕著な差は見られなかった.またHFD群ではMTX投与後に体重が減少に転じ,投与12日目に全てのマウスが死んだが,WTとTgとの間に明らかな差は認められなかった.CFAがMI-ILDを増悪させること,HFD下でMTXを投与すると生存率が低下することが示唆された.

  • 三浦 俊介, 浅野 善英, 三枝 良輔, 山下 尚志, 谷口 隆志, 高橋 岳浩, 市村 洋平, 遠山 哲夫, 吉崎 歩, 門野 岳史, 佐 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 411a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      皮膚線維化は,全身性強皮症やGVHDなどの様々な全身性疾患に生じる重要な病態である.現在有効な治療法はないが,ステロイドや免疫抑制薬が一定の治療効果を示すことから免疫異常の関与が示唆されている.過去に皮膚線維化の病態におけるT細胞,B細胞,マクロファージの役割に関する検討は行われているが,樹状細胞の役割についてはいまだ不明な点が多い.そこで,樹状細胞の機能を制御する鍵分子であるCD103に注目し,CD103−/−マウスを用いてブレオマイシン(BLM)誘発皮膚線維化モデルを作成し,皮膚線維化の病態における樹状細胞の役割について検討した.BLM投与4週間後において,CD103−/−マウスでは野生型マウスに比較して皮膚の線維化が有意に抑制された.また,CD103−/−マウスの病変部皮膚におけるI型コラーゲン,TGF-β1,CTGFの発現量は有意に低下し,MMP-13の発現量は有意に亢進していた.一方,BLM投与1週間後では,CD103−/−マウスの病変部皮膚の真皮において制御性T細胞の割合が増加し,Th1細胞,Th2細胞,Th17細胞の割合が減少していた.さらに,CD103−/−マウスではCD103CD11b真皮樹状細胞の割合が増加し,同細胞におけるALDH1A1(レチノイン酸産生を制御する酵素)産生とALDH活性が亢進していた.以上より,皮膚線維化の過程においてCD103CD11b真皮樹状細胞はレチノイン酸を介して制御性T細胞を誘導し,線維化を抑制している可能性が示唆された.

  • 梅澤 夏佳, 川畑 公人, 木村 直樹, 吉橋 洋子, 上阪 等
    2016 年39 巻4 号 p. 411b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】C protein-induced myositis(CIM)は自己反応性CD8陽性T細胞と筋局所の自然免疫活性化に依存し,炎症性筋疾患(IIM)の病態解明に有用である.IL-23は,IL-17Aをエフェクター分子として複数の自己免疫疾患で重要であり,乾癬においてはIL-23阻害薬が安全に臨床応用されている.一方で,IIMにおいては患者血清中のIL-23が高値との報告があるのみで詳細に検討されていない.CIMはIL-17Aに非依存的に発症するが,上流のIL-23がIL-17A誘導以外の生物活性を介してCIMに関与する可能性があり,検討した.【方法】IL-23欠損マウスにCIMを誘導した.野生型マウスにCIMを誘導し,抗IL-23受容体抗体を投与した.野生型のCIMマウスよりリンパ節細胞を採取し,IL-23欠損の非免疫マウスへ養子移入した.筋炎の重症度は組織学的に評価した.【結果】IL-23欠損マウスでは,有意にCIMが抑制された.筋炎発症後からの抗IL-23受容体抗体投与はCIMを有意に抑制した.IL-23欠損マウスをレシピエントとした移入筋炎は,野生型と同等に誘導された.【結論】IL-23は,IL-17A誘導に非依存的にCIM病態に関与し,その阻害は自己反応性T細胞の活性化を抑制すると考えられた.既存のIL-23阻害薬をIIMへ応用できる可能性が考えられた.

  • 坂内 穎, 江里 俊樹, 川畑 仁人, 神崎 健仁, 赤平 理紗, 道下 和也, 山本 一彦
    2016 年39 巻4 号 p. 412a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】リンパ球減少下に末梢で生じる生理的なリンパ球増殖反応(LIP: Lymphopenia-induced proliferation)により全身性及び臓器特異的自己免疫が誘導され得ることが知られている.我々は,T細胞不全マウスにT細胞を移入するLIPモデルにおいて,腸内細菌存在下に濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)が誘導され,抗核抗体等の自己抗体産生が促進されることを示してきた.近年,細菌に対する好中球の反応であるneutrophil extracellular traps(NETs)がSLE等の自己免疫疾患と関連していることが示唆されている.本系でNETsが病態形成に関与しているのか明らかにする.【方法】ヌードマウスに野生型マウス脾臓由来CD4+CD25-T細胞を移入する際,一部の群ではNETs阻害剤であるDNaseIやCl-amidineを移入2日前から腹腔内投与した.移入後5日目のレシピエントヌードマウス脾臓T細胞をflow cytometryを用いて解析した.また,抗核抗体産生や体重変化を追跡した.【結果】DNaseIやCl-amidine投与により,移入後5日目のPD-1陽性LIP-Tfh細胞出現が抑制された.DNaseI投与により4週での抗核抗体産生の抑制,8週までの体重減少の改善が観察された.【結論】LIPの系においては,Tfhの出現,自己抗体産生誘導,体重減少にNETsが関与している可能性が示唆された.

  • 爲近 真也, 前田 伸治, 前田 智代, 難波 大夫, 新実 彰男
    2016 年39 巻4 号 p. 412b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】CD25への特異的な刺激によりTreg増殖を強く誘導するIL-2/anti-IL-2 Antibody(Ab)complexesは,様々なモデルマウスにおける自己免疫病態を抑制する事が報告され,臨床応用にむけたヒト免疫細胞への詳細な検討が待たれる.【目的・方法】ヒトT細胞へのIL-2/anti-hIL-2 Ab complexesの影響を調べるため,hrIL-2とanti-human IL-2 Ab(clone 5344)とのcomplexes(hrIL-2/anti-hIL-2Ab(hCD25-IL2CAs))を作成.効果の評価に,NOGマウス(NOD/Shi-scid-IL2Rγnullマウス)を用いたxenogeneic GVHD(X-GVHD)モデル(ヒト末梢血単核細胞(PBMC)1×107 cellsを移入することで発症)を使用し,GVHDへの影響を観察した.【結果】X-GVHDモデルに時期(day10, 20)を変えてhCD25-IL2CAsを投与したところ,day10に投与した群で生存期間が長い傾向であった.また,レシピエントにおける移入ヒト細胞において,hCD25-IL2CAs投与後,一過性のTreg(CD4+CD25hiFoxp3+)高発現(投与後4日目をピーク)が確認された.【考察】hrIL-2/anti-hIL-2 Abがヒト免疫細胞においてTregの増加と免疫病態を抑制することをin vivoで確認した.これらの検討にヒト化マウスが有用であった.

  • 佐上 晋太郎, 上野 義隆, 田中 信治, 藤田 朗, 林 亮平, 兵庫 秀幸, 北台 靖彦, 茶山 一彰
    2016 年39 巻4 号 p. 413a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】脂肪肝は炎症性腸疾患のひとつであるクローン病(CD)においても一般人口同様に増加しているが,脂肪肝を引き起こす病態がCD腸管活動性に与える影響についての報告はない.CD患者ではコリン欠乏が一般に認められるが,コリン欠乏は脂肪肝の一因と考えられている.【目的】マウスにおいてメチオニンコリン欠乏食(MCDD)摂取がデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発腸炎へ及ぼす影響につき検討する.【方法】1)C57BL6/Jマウス(WT)にMCDDを摂取させ肝脂肪沈着を評価.2)Natural killer T(NKT)細胞欠損マウス(Jα18-/-以下Jα18およびCD1d-/-以下CD1d)に2.0%DSS自由飲水後,体重,便性状,血便,内視鏡スコア,組織学的スコアを解析.3)Jα18およびCD1dにMCDD負荷後,諸臓器の単核球の表面マーカーをFACSにて解析.4)大腸固有粘膜層単核球(LPL)にLPS刺激後に細胞内サイトカインの発現を確認.【結果】1)MCDD4週負荷にてWTで肝脂肪沈着を認め,NKT細胞が選択的に増加した.2)Jα18ではMCDD負荷により腸炎が改善したが,CD1dでは改善は認めなかった.3)WT, Jα18にてLPLにおけるtype II NKT細胞の割合が減少した.4)MCDD摂取後Jα18由来LPLからのIFN-γ,IL-4産生は減少したが,IL-10は不変であった.一方,CD1dでは各サイトカインの変動はみられなかった.【結語】コリン欠乏下ではLPLにおけるtype II NKT細胞の割合が減少し,腸炎が制御される可能性が示唆された.

  • 谷木 信仁, 中本 伸宏, 伊倉 顕彦, 宇賀村 文, 瀧本 洋一, 片山 正, 志波 俊輔, 三宅 麗, 山口 晃弘, 鈴木 貴博, 寺谷 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 413b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】肝臓は門脈血を介した消化管からの抗原刺激に晒されている.近年の自己免疫性肝炎の増加は過度な衛生環境に起因するといった衛生仮説とは逆説的に,本研究においては肝臓において腸管由来の抗原刺激の増加するマウス急性腸炎モデルを用いて,腸肝相関の観点から肝臓特有の免疫寛容誘導機序を明らかにすることを目的とした.【方法】我々はdextran sulfate sodium(DSS)腸炎の存在下で,急性肝障害を惹起するconcanavalin A(Con A)を投与し,腸炎が肝障害に及ぼす影響と肝臓内の免疫細胞の変化を以下の4群間で比較検討した(Water-PBS, Water-Con A, DSS-PBS, DSS-Con A).【結果】DSS-Con A群において,water-Con A群と比較し有意な肝障害の軽減が認められた(ALT 524±210 vs. 7311±1317U/l(p = 0.0015)).我々の過去の報告どおり,water-Con A群の肝臓内において高いTNF-α産生能を有するCCR9(+)CD11b(+)Mϕが増加する一方,DSS-Con A群ではIL-10産生能を有するCCR9(−)CD11b(+)Mϕの増加を認め,それらはnaive CD4 T cellsに対する分化誘導能を示さなかった.更に,DSS-Con A群の門脈血血清を投与した群では,正常マウス血清を投与した群に比してCon A肝障害の軽減が認められた(ALT 1938±586 vs. 8513±695U/l(p = 0.0339))【結論】腸炎+肝炎惹起時には,抗原提示能の低下したCCR9(−)CD11b(+)Mϕが誘導され,これらが肝免疫寛容の誘導に寄与する可能性が示唆された.

  • 樋口 俊惠, 樋口 裕二, 中村 明彦, 小山 芳伸
    2016 年39 巻4 号 p. 414a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】肥満は,関節リウマチ(RA)の増悪因子であると指摘されているが,詳細な機序は不明である.そこで,肥満関連因子のうち,RA疾患活動性(DAS)に影響を与える因子,治療反応性に与える因子について検討を行った.【方法】2施設外来通院中の女性RA患者145人に対し,CT撮影施行,臍断面での内臓脂肪量(V)・皮下脂肪量(S)を測定した.その上で,DASと影響を与える肥満関連因子(V・S・V/S比・体重・BMI)の間で,相関分析を行った.また,MTXによる初期治療を開始した27人に対し,DAS変化率と肥満関連因子間で相関分析を行った.【結果】DASと内臓脂肪量(r = 0.186, p = 0.026),V/S比(r = 0.25, p = 0.002)の間で有意な相関が認められた.DAS変化率は皮下脂肪量(r = −0.49, p = 0.009)との間に有意な逆相関を認めた.【考察】内臓脂肪と皮下脂肪は産生するサイトカインが異なると言われており,炎症惹起に関与すると言われている.今回,DASは内臓脂肪量,特に内臓脂肪量と皮下脂肪量の比の影響を受けると考えられた.体重・BMIはいずれの相関分析においても有意な関連を認めなかった.皮下脂肪量が少ないほどMTX治療反応性が良い可能性が示唆された.脂肪構成比や脂肪自体の量を減らす事がRA治療を行う上で,重要なファクターとなり得ると考えられる.

  • 小倉 剛久, 平田 絢子, 伊東 秀樹, 武中 さや佳, 水品 研之介, 藤澤 有希, 片桐 翔治, 山下 奈多子, 今村 宗嗣, 林 則秀 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 414b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】RAにおける軟骨破壊は,X線検査において関節裂隙狭小化(JSN)として評価されるが,直接的な軟骨の画像評価ではない.今回,軟骨の直接評価が可能である超音波検査を用いて健常人との比較と共にJSNや臨床像との関連を検討した.【方法】低疾患活動性もしくは寛解RA患者(DAS28-CRP 2.7未満)27例と健常コントロール19例(性,年齢に有意差なし)を対象に,超音波検査で第2指から第5指のMCP,PIP関節の軟骨を観察,軟骨厚を測定した.軟骨測定は各関節を最大屈曲位(90度)として背側縦断像にて観察し,軟骨表面の線状高エコーから骨表面までの距離を測定した.更にRA患者ではvan der Heijde-modified Sharp法によって手指のJSNスコアを計算した.【結果】RA患者の軟骨厚はMCP:0.0-0.8mm(中央値0.4mm),PIP:0.0-0.8mm(中央値0.2mm),8関節の軟骨厚合計は2.7-6.8mm(中央値4.7mm)で健常人の軟骨厚合計と比べ有意に薄かった(4.7 vs 6.8mm,p < 0.001).軟骨厚合計とJSNスコアには相関を認め(ρ = −0.696,p < 0.001),両者とも年齢,身長,体重,DAS28-CRP,HAQとは相関せず,罹病期間のみと関連を示した.さらに軟骨厚合計とJSNスコアはいずれもRFや抗CCP抗体の有無,ステロイド,MTX,生物学的製剤などの治療の有無との相関を認めなかったが,MMP-3とは相関が認められた.【結語】関節超音波による軟骨厚測定はJSNスコアと相関し,軟骨評価の有効な手段と考えられた.

  • 玉井 慎美, 上谷 雅孝, 岩本 直樹, 古賀 智裕, 青柳 潔, 川上 純
    2016 年39 巻4 号 p. 415a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】関節リウマチ(RA)の骨破壊の進行抑制は治療の進歩により可能となったが,関節軟骨傷害(=関節裂隙狭小化)の抑制は今後,重要な課題である.RA軟骨傷害をMRIで評価しX線進行の予測因子を抽出する.【方法】2010年RA分類基準を満たすRAを対象に,自己抗体(抗CCP抗体,RF)を初診時に,関節所見,疾患活動性,炎症反応は3ヶ月毎,画像検査(X線および造影MRI)は6ヶ月毎,MRIは症状が強い片手のみ実施し1年間フォローした.X線はGenant-modified Sharp score(GmSS),MRIはRAMRISスコアを用い滑膜炎,骨髄浮腫,骨びらん,関節裂隙狭小化(JSN)を評価した.JSNスコアと相関するマーカーを抽出した.【結果】症例は12名,女性91.7%,年齢59歳,罹病期間5ヶ月,CRP 0.1mg/dL,MMP-3 36.7ng/mL,圧痛関節3.5個,腫脹関節3個,DAS28CRP 3.38,HAQ 2点(いずれも中央値)で,抗CCP抗体陽性91.7%,RF陽性91.7%であった.また,GmSS 0,RAMRIS滑膜炎5,骨髄浮腫3.5,骨びらん3.5,JSN 13.5であった(いずれも中央値).RAMRIS JSNは滑膜炎とのみ相関を認めた(スピアマン相関係数0.65, p値0.021).【結論】症例が少なく,X線進行も認めなかったため十分な解析が出来なかった.

  • 大田 友里, 新納 宏昭, 大田 俊一郎, 中山 剛志, 三嶋 耕司, 東岡 和彦, 押領司 大助, 綾野 雅宏, 木本 泰孝, 三苫 弘喜 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 415b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】関節リウマチ(RA)の骨破壊において,RANKLは破骨細胞の形成・活性化を誘導する重要なサイトカインである.本研究では,RANKL発現エフェクターB細胞の産生メカニズム,ならびに破骨細胞の分化への影響について検討した.【方法】健常人・RA患者より,末梢血・滑液B細胞を分離し,RANKL,OPG,TNF-αおよびBlimp-1のmRNA発現ならびにRANKL,CD80,CD86,CXCR3の蛋白発現を解析した.破骨細胞の形成はRAW264レポーター細胞を用いて解析した.【結果】健常人・RA患者ともに未刺激ではRANKL発現はCD80+CD86+陽性分画に高く,B細胞受容体(BCR)やCD40による刺激にてCD80+CD86+RANKL発現B細胞は増加し,中でもスイッチメモリーB細胞がRANKLを最も発現していた.共刺激分子やCD40刺激の必要性はRANKL発現におけるT細胞の関与を強く示唆するが,RANKL発現はIFN-γによって増強する一方でIL-21にて抑制された.さらに,IFN-γはCXCR3+RANKL発現エフェクターB細胞の産生を増加させ,TNF-αと協調し破骨細胞の分化を促進した.【結語】RANKL発現エフェクターメモリーB細胞の役割を解明することによって,こうした病的B細胞セブセットがRAの新たな治療標的となりうることが期待される.

  • 原口 明久, 中島 康晴, 岡崎 賢, 福士 純一, 赤崎 幸穂, 小山田 亜希子, 近藤 正一, 吉開 泰信, 山田 久方
    2016 年39 巻4 号 p. 416a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】関節リウマチ(RA)において,抗シトルリン化タンパク抗体(ACPA)は,その病因や病態に深く関わると考えられる.通常ACPAはIgG型を測定するが,IgM型の検出も報告されている.しかし,その臨床的意義は明らかでなく,本研究ではその点について解析する.【方法】IgM型ACPAは,市販の抗CCP抗体測定キットに加え,各種シトルリン化ペプチドを用いて測定した.また対照用の非シトルリン化ペプチドを用いた解析も行なった.【結果】IgG型ACPA陽性患者の半数近くでで,IgM型ACPAも検出された.留意すべきことに,IgM型ACPAはシトルリン非依存性に反応するものも含まれていた.IgM型ACPAは,IgG型ACPAや,リウマチ因子の抗体価と相関していた.【結論】IgM型ACPA陽性者ではRAの免疫学的活動性が高いことが推測された.

  • 土屋 遥香, 住友 秀次, 石垣 和慶, 鈴木 亜香里, 高地 雄太, 太田 峰人, 土田 優美, 乾 洋, 武冨 修治, 門野 夕峰, 田 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 416b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】関節リウマチ(RA)由来の滑膜線維芽細胞(FLS)は,関節内の刺激により基質分解酵素やケモカイン・サイトカインを発現し,RAの病態に重要な役割を担う.【目的】本研究では,RA-FLSに特徴的な形質と関連する刺激応答機構を解明することを目的とした.【方法】RAと変形性関節症(OA)の膝関節滑膜由来のFLS(各n = 5)を,各種サイトカイン(TNF-α・IL-1β・IL-6/sIL-6R・IL-17A・IL-18・IFN-γ・IFN-α・TGF-β1)および関節液中のサイトカインの混在をシミュレートとした全サイトカインのコンビネーションで刺激した.刺激後10,24時間における遺伝子発現を,RNA-seqにより網羅的に解析した.【結果】Multi-dimensional scaling plotにより遺伝子発現を俯瞰すると,各刺激後の変動ベクトルはRAとOAで類似したが,無刺激および各刺激後にも保存される遺伝子発現の差が存在した.Pathway解析の結果,OAと比較しRAで有意に下流遺伝子の活性化が予測される12個の転写因子が同定された.そのうち,E2F6・HSF1・KDM5B・NUPR1・TP53は,刺激下で有意に下流遺伝子の発現に影響することが推測された.【結語】トランスクリプトームの網羅的解析により,RA-FLSの転写因子を中心とした分化経路が明らかとなることが期待される.

  • 齋藤 鉄也, 川畑 公人, 上阪 等
    2016 年39 巻4 号 p. 417a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】免疫担当細胞を標的とした関節リウマチ(RA)治療薬の寛解率は不十分であり,さらなる免疫抑制は重篤な感染症を来しうる.このため,滑膜線維芽細胞(SF)は次世代のRA治療標的として期待される.Lysyl oxidase-like 2(LOXL2)は,がん細胞や活性化した線維芽細胞で発現が亢進し,細胞外ではコラーゲン重合,細胞内では転写制御に関与し,がんや線維症の病態に寄与することが報告されている.本研究では,RASFにおけるLOXL2の機能を解明することを目的とした.【方法】LOXL2の発現をRT-PCRおよびウェスタンブロットで確認した.レンチウイルスによるshRNA導入でLOXL2発現をノックダウンした.RASFの細胞増殖,浸潤能,コラーゲン沈着をEdU取り込み,マトリゲル浸潤アッセイ,免疫蛍光抗体法で評価した.マウスにコラーゲン誘導性関節炎(CIA)を起し,LOX阻害剤であるβ-aminopropionitrile(BAPN)を投与した.【結果】LOXL2の発現はRASFでは認めたが,末梢血単核球細胞では認めなかった.LOXL2ノックダウンによりRASFの細胞増殖,浸潤能,コラーゲン沈着は低下した.また,BAPN投与はCIAを抑制した.【結論】LOXL2はRASFの活性化や細胞外基質の形成に関与し,RAの新たな治療標的になることが示唆された.

  • 樋口 理, 中根 俊成, 清水 潤, 松尾 秀徳
    2016 年39 巻4 号 p. 417b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】LRP4は脳神経系を筆頭に多様な組織・器官に分布する膜受容体型タンパク質である.最近,我々は小胞体(ER)にLRP4が異常に貯留する現象を見出すとともに,このERに貯留したLRP4(以後,ER型LRP4と呼ぶ)に結合する自己抗体が多様な神経疾患にて出現することを突き止めた.しかし,免疫性神経疾患以外の自己免疫疾患と当該抗体との関連は不明であった.【目的】ER型LRP4抗体と筋炎の関連を明らかにする.【材料と方法】2012年1月から2014年12月までに東京大学附属病院にて集積された連続123症例の血清を対象にER型LRP4抗体をルシフェラーゼ免疫沈降法により検出した.【結果】1)膠原病を合併した9例中6例(66.6%)でER型LRP4抗体が陽性であった.2)DM/CADMでの陽性率は53.7%/60%と比較的高頻度であった.3)担癌例での陽性率は70.6%と高く,DMの担癌例ではほぼ全例で陽性であり(7/8),TIFI-gammaの陽性率(62.5%)を上回った.4)NAMと診断された14例中,SRP抗体陽性は7例,ER型LRP4抗体陽性が6例,HMGCR抗体用陽性が1例であった.【考察】ER型LRP4抗体は新規のMAAと考えられ,当該抗体の検査はDMにおける癌スクリーニングとNAMの補助診断に有効かもしれない.

  • 西岡 亜紀, 賀来 智志, 田所 麗, 藤原 誠子, 槇野 秀彦, 東 幸太, 壷井 和幸, 荻田 千愛, 谷 名, 田村 誠朗, 森本 麻 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 418a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】当院で加療された抗MDA5抗体陽性患者の臨床像,抗MDA5抗体価,治療経過を比較検討する.【方法】2009~2015年の間に当院で初回治療を行った抗MDA5抗体陽性患者12例について臨床症状,経過,予後を後ろ向きに検討した.筋炎特異的自己抗体は保存血清を用いHeLa細胞を抗原とするRNA免疫沈降法及び蛋白免疫沈降法により抗体を検出し,抗MDA5抗体価はMESACUPTManti-MDA5テストを用いELISA法で測定した.【結果】抗MDA5抗体陽性患者の年齢は56.5±12.6歳(平均±標準偏差),全例が女性であった.全例で治療が行われ9例で多剤免疫抑制加療が行われた.死亡例は4例で全例で縦隔気腫を認めた.抗MDA5抗体価は治療前と比較し生存例では治療後の抗体価は有意に低下を認めていた.【結論】近年抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎に対する早期治療の多剤免疫抑制療法が提唱されており,本検討でも早期に十分な免疫抑制加療を行った症例の治療成績は良好であった.抗MDA5抗体価は初診時の間質性肺炎の有無や疾患活動性にかかわらず高値であったが治療後症状改善した例では全例低下を認めており,早期治療開始及び治療効果の指標となることが期待出来ると考える.

  • 下島 恭弘, 岸田 大, 上野 賢一, 関島 良樹, 池田 修一
    2016 年39 巻4 号 p. 418b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】皮膚筋炎(DM)・多発性筋炎(PM)における末梢血リンパ球解析から,2群間の免疫学的特徴を明らかにする.【方法】当科で診療した治療前のDM患者70名(男性24名,女性46名,平均53±17歳)およびPM患者33名(男性10名,女性23名,平均59±17歳)を研究対象として,末梢血リンパ球数およびFACSを用いたT細胞の表現型解析を行い,DMとPMで比較した.また,抗CD3/CD28抗体で刺激したT細胞内の転写因子(STAT)とFoxP3の発現をmRNAレベルで解析し,健常コントロールと比較した.【結果】末梢血リンパ球数はPMに比してDMで有意に減少傾向にあり,CD4陽性細胞数,CD8陽性細胞数ともにDMで有意に低値であった(p < 0.005).細胞内転写因子の発現は,DMではCD4陽性細胞内のSTAT1,3が有意に抑制されていたが,PMではCD8陽性細胞内でSTAT3の発現が有意に亢進していた(p < 0.05).DMでは,PMおよび健常者に比して抗CD3/CD28抗体で刺激した後にCD4陽性細胞のリン酸化ZAP70(pZAP70)の発現が有意に抑制されていた.PMでは健常者に比して,CD8陽性細胞のpZAP70が有意に発現亢進していた(p < 0.05).【結論】T細胞受容体刺激を介した細胞内シグナル伝達は,DMにおけるCD4陽性細胞,PMにおけるCD8陽性細胞で明らかに異なった結果が示された.これら末梢血リンパ球の動態を誘導している原因の解明を通じて,DM・PMの病態解明に結びつける更なる研究の必要性が示唆された.

  • 佐々木 広和, 高村 聡人, 川畑 仁人, 上阪 等
    2016 年39 巻4 号 p. 419a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】多発性筋炎(PM)・皮膚筋炎(DM)は炎症性筋疾患であり,予後に関連する間質性肺炎(IP)の合併は重要である.PM/DMではT細胞・B細胞標的治療の有効性が報告されているが,病態に関わる詳細なリンパ球サブセットは不明である.末梢血単核球(PBMC)サブセットの解析による免疫状態の評価は病態の理解や新規治療の開発につながると期待される.PM/DM患者の免疫状態を解明するため,PBMCサブセットを解析した.【方法】PM/DM患者17例,健常者(HD)18例のPBMCをフローサイトメトリー解析で比較し,患者群ではIPの有無,治療前後で比較した.【結果】患者群ではHD群と比較して,T細胞中のnaive CD4 T細胞の増加,effector memory CD4 T(CD4 TEM)細胞,naive CD8 T細胞,central memory CD8 T(CD8 TCM)細胞の減少,CD4 T細胞中のTh1細胞の減少,B細胞中のnaive B(nB)細胞の増加とmemory B(mB)細胞の減少を認めた.IP合併群,非合併群とHD群間の比較では,HD群と比較してIP合併群でT細胞中のnaive CD4 T細胞の増加,CD4 TEM,naive CD8 T細胞,CD8 TCM細胞の減少,B細胞中のnB細胞の増加,mB細胞の減少を認めた.治療後にB細胞数中のnB細胞はHD群と同等まで減少し,mB細胞はHD群と同等まで増加した.【結論】PM/DMにおけるCD4 TEM,CD8 TCM,mB細胞の減少はIP合併群で顕著であった.PM/DMではリンパ球の分化や生存に関わる経路の異常やこれらの細胞が傷害組織に浸潤している可能性が考えられた.

  • 岡田 賢, 津村 弥来, 西村 志帆, 坂田 園子, Toubiana Julie, Puel Anne, Casanova Jean-La ...
    2016 年39 巻4 号 p. 419b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCD)は,皮膚粘膜を主病変に慢性・反復性にカンジダ感染を繰り返す原発性免疫不全症である.2011年に我々は,STAT1のヘテロ接合性機能獲得型変異(GOF変異)により常染色体優性遺伝を呈するCMCDが発症することを発見した.さらに後の研究で,CMCD患者の約半数がSTAT1-GOF変異を有することを同定した.今回,STAT1-GOF変異を有する患者の臨床症状を明らかとするため,主治医に対して質問紙による国際調査を行った.対象はSTAT1-GOF変異が証明されている274症例(167家系)で,計40か国の患者を調査した.慢性の皮膚粘膜カンジダ感染(CMC)を98%に認め,発症平均年齢は1歳であった.CMCは反復性かつ難治性で,73%は抗真菌薬の長期間投与が必要であった.CMC以外に細菌感染(74%),ウイルス感染(38%),抗酸菌感染(6%)を認めた.感染症以外の合併症では自己免疫性疾患(37%)を高頻度に認め,自己免疫性甲状腺炎(23%),I型糖尿病(4%),汎血球減少(4%)を発症した.侵襲性感染症(25%),頭蓋内動脈瘤(6%),悪性腫瘍(6%)が予後不良因子であり,これらを持たない患者の予後は良好であった.末梢血の検査所見では,IL-17産生T細胞の減少(82%),メモリーB細胞の減少(49%)が特徴的であった.STAT1-GOF変異はCMCD患者の原因として発見された経緯を持つが,本調査で患者が当初の予想より幅広い臨床症状を呈することが判明した.

  • 齋藤 俊太郎, 鈴木 勝也, 山岡 邦宏, 清水 隆之, 森 毅彦, 岡本 真一郎, 天野 宏一, 得平 道英, 竹内 勤
    2016 年39 巻4 号 p. 420a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】MTX-LPDはMTX投与中の関節リウマチ(RA)患者における,稀だが重篤な合併症である.一方でMTX中止により自然退縮する例も多く経験され,本研究では自然退縮に関与する免疫因子を検討した.【方法】MTX-LPDと診断したRA患者(n = 10)(MTX中止時=0週,4,12週後)と背景を揃えたRA患者(コントロール群,n = 10)の末梢血をフローサイトメトリー解析し,血清サイトカインをELISA法にて測定した.MTX-LPD群は12週で自然退縮したRegressive群(R群,n = 7)と自然退縮を認めなかったPersistent群(P群,n = 3)の2群に分類した.【結果】LPD診断時,R群において有意にリンパ球数低値を認め,Effector memory CD8+ T細胞(CD3+CD8+CD45RA-CCR7- cells, EM CD8+T)とTh1細胞(CD3+CD4+CXCR3+CCR6- cells)の割合はR群,P群の両群でコントロール群に比して低値だった.MTX中止後,R群でリンパ球数およびTh1,EM CD8+Tは増加したが,P群では増加を認めなかった.IFN-γ値はR群においてのみ有意に増加し,Th1,EM CD8+Tの細胞分画割合と正の相関を示した.【結論】MTX-LPDの自然退縮にはIFN-γおよびTh1細胞やEM CD8+T細胞などの細胞間バランスが寄与している可能性が示唆された.

  • 柴田 洋史, 八角 高裕, 日衛嶋 栄太郎, 中川 権二, 井澤 和司, 河合 朋樹, 小原 收, 平家 俊男
    2016 年39 巻4 号 p. 420b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【背景】家族性血球貪食症候群(FHL)は,NK細胞やCTLの細胞傷害活性の異常を本態とする致死性疾患であり,迅速かつ正確な診断が必須である.FHL3型はMunc13-4蛋白の異常を原因とし,本邦では2番目に頻度が多いが,迅速診断法や変異の機能評価系は未だ確立されていない.【目的】FHL3の迅速診断法として1.CD57陽性CTLにおける脱顆粒能評価と2.蛋白発現解析の信頼性の評価,ならびに3.特定変異の機能解析系の構築【方法】1.血球貪食症候群(HLH)を発症した患者42名のNK,CD57陽性CTLの脱顆粒機能評価の結果を集積し評価した.2.既報ミスセンス変異,当科で診断したlate-onset症例のミスセンス変異のcDNA発現コンストラクトを作成し,Munc13-4蛋白の発現量を評価した.3.FHL3モデル細胞株を作成し,上記cDNAの強制発現による脱顆粒能・細胞障害活性への影響を評価した.【結果】1.無刺激NK脱顆粒能は二次性HLH患者の一部でも低下していた.IL-2刺激NK細胞ではFHL3患者の一部に脱顆粒が認められた.CD57陽性CTLの脱顆粒能の低下はFHL3患者に特異的であった.2.疾患原性ミスセンス変異ではMunc13-4蛋白発現の低下が認められた.3.ミスセンス変異における脱顆粒能は蛋白発現量に依存すると考えられた.【結論】CD57陽性CTLの脱顆粒能評価とMunc13-4蛋白発現評価はFHL3の迅速診断として信頼性が高く,FHL3モデル細胞株は特定の変異の脱顆粒・細胞障害活性への影響を評価する一助となる.

  • 緒方 昌平, 江波戸 孝輔, 扇原 義人, 坂東 由紀, 石井 正浩, 竹内 恵美子, 上野 浩生, 吉田 健一, 小川 誠司, 村松 秀樹 ...
    2016 年39 巻4 号 p. 421a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      現在3歳7ヶ月男児.1歳0ヶ月時に川崎病免疫グロブリン不応例の診断で当院紹介となった.来院時,川崎病症状の他に,肝脾腫,二系統血球減少,高AST/ALT/LDH血症,低補体血症,可溶性IL2受容体高値,抗ds-DNA抗体陽性,T細胞受容体αβ発現double negative T細胞の増多を呈し自己免疫性リンパ増殖症(ALPS)が疑われ精査・加療が行われた.FAS,FASLG,NRAS,KRASの変異は見られなかったが,エクソーム解析においてTNFAIP3(A20)のヘテロのナンセンスの変異を認めた.変異はde novoであり,患者細胞をもちいた機能解析の結果,NFB経路の活性化が認められ,TNFAIP3A20)が責任遺伝子であると考えられた.児は経過中,自己免疫性肝炎,ネフローゼ症候群を併発し,ステロイドパルスを3クール施行された.現在はプレドニン,ミコフェノール酸モフェチル,タクロリムスにより加療されており肝機能障害およびネフローゼ症状は沈静化しているが,可溶性IL2受容体は依然高値を示しており治療に難渋している.TNFAIP3A20)ハプロ不全によるALPS例として臨床経過を中心に報告する.

      共同演者 東京医科歯科大学医学部 小児科

      Tzuwen Yeh,朴 今花,星野顕宏,山下 基,南谷真衣,岡野 翼,高木正稔

  • 粟屋 昭
    2016 年39 巻4 号 p. 421b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      著者は1991~02年の神奈川県KD患者6千人と花粉飛散数の年次動態の交差相関解析/回帰分析によりKDは,遅延型過敏性のPIDであり(3報),花粉被曝 → 免疫 → 花粉再感作 → 遅延型過敏反応のゆっくりとした亢進 → 全身性血管炎の発症という過程が,インフルエンザ流行期,介入を受けて発症が抑制される現象も指摘した(投稿中).そしてKDの様に全身的皮膚病変,cytokine stormの如き激烈な病態を呈するPIDがあるなら,より軽い症状を呈する,花粉飛散時期以降に連動して患者数が増加する従来感染症と言われて来た疾患にも,PID的要素があると考え,手足口病(HFMD),伝染性紅斑(EI)等夏風邪や無菌性髄膜炎(AM)等のvirus感染症の疫学dataに着目してきた.【解析方法・結果・考察】87~10年の東京都の毎週の患者数と,同期間の東京都12地点平均花粉数および91~05年の相模原病院観測花粉数との間の相関を統計解析した.東京都の花粉飛散の12週後から20週後にかけ相関係数が有意となり,16週後でpeakとなった.相模原花粉では,12週後から20週後にかけ相関係数が有意となり14週後にpeakとなった.既報告のKDと花粉飛散との間の相関係数より大きな相関性を示した.EIでは,4週後から16週後に花粉数との相関係数が有意に見られ10週後にpeakとなり,50~52週後にもpeakが見られた.AMとKDの間に発症の有意な相関性が解析された.アレルギー家系乳幼児のHFMD,EI,AM,KDの重複罹患の有無の検討が重要である.

  • 高橋 菜穂美, 菅谷 誠, 岡 知徳, 宮垣 朝光, 佐藤 伸一
    2016 年39 巻4 号 p. 422a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      DNAM-1は主にNK細胞やCD8陽性T細胞に発現するI型の膜蛋白であり,細胞傷害活性を誘導する活性化受容体である.リガンドはCD155,CD112の2分子であり,肺癌,大腸癌,乳癌などの腫瘍細胞が発現している.本研究では皮膚T細胞リンパ腫の腫瘍免疫におけるDNAM-1の役割について検討した.皮膚T細胞リンパ腫の腫瘍細胞はCD155を発現しており,病変部におけるmRNA発現量は病気の進行とともに増加していた.皮膚T細胞リンパ腫患者の末梢血中のNK細胞およびCD8陽性T細胞表面ではDNAM-1の発現が低下しており,腫瘍免疫が低下する機序の1つと考えられた.興味深いことに血清中の可溶性DNAM-1濃度は皮膚T細胞リンパ腫の病気の進行と共に上昇しており,病勢マーカーである血清中LDHや可溶性IL-2受容体値と正の相関を認めた.血清DNAM-1値は末梢血中NK細胞およびCD8陽性T細胞におけるDNAM-1陽性率と負の相関があり,膜型DNAM-1がsheddingされて可溶性DNAM-1が生成されると考えられた.可陽性DNAM-1はin vitroにおいて,単独でCD155陽性皮膚T細胞リンパ腫株に対して細胞傷害性を示した.以上より,皮膚T細胞リンパ腫において,免疫細胞の細胞表面のDNAM-1発現は低下する一方,増加した可溶性DNAM-1が腫瘍免疫の一端を担っていると考えられた.

  • 宮下 梓, 福島 聡, 中原 智史, 徳澄 亜紀, 久保 陽介, 神人 正寿, 尹 浩信
    2016 年39 巻4 号 p. 422b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      近年,進行期悪性黒色腫に対する免疫療法や分子標的薬の効果が示されてきた.さらなる治療効果の増強を目指し我々は新たな治療の標的となる分子を探索している.Forkhead box M1(FOXM1)は細胞増殖に重要な遺伝子の発現を調整する転写因子の一つであり,癌細胞の増殖・生存に必要不可欠である.FOXM1は種々の癌細胞株に過剰発現している事が報告されており,一方正常組織には胸腺等一部を除いては発現していないため免疫療法の良い標的として期待されている.本研究ではFOXM1のメラノーマにおける発現をメラノーマ患者組織で検討しFOXM1の発現と病期や予後との関連を検証する事,ヒトメラノーマ細胞株を用いてMAPK, PI3K/AKTシグナル経路におけるFOXM1の関与を検討する事を目的とした.qRT-PCR,Western blotting法,免疫組織学的解析を用いてFOXM1の発現を検討した.免疫組織学的解析でprimary melanomasの49%,metastatic melanomasの67%でFOXM1が発現していたのに対し,nevusではその発現は10%であった.Primary melanomasでoverall survivalとFOXM1の発現を検討すると,発現している症例は発現していない症例と比較し予後が悪かった(p 0.024).メラノーマ細胞株においてsiRNAを用いてFOXM1を抑制すると細胞増殖が抑制され,さらに阻害剤を用いてMAPKシグナル経路,PI3K/AKTシグナル経路を阻害するとFOXM1の発現も低下した.FOXM1はメラノーマ治療における新たな標的となる事が期待できる.

  • 中村 謙太, 芦田 敦子, 木庭 幸子, 宇原 久, 奥山 隆平
    2016 年39 巻4 号 p. 423a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      2000年から2014年の15年間に当科を受診した,原発巣がBRAF変異陽性の悪性黒色腫(stage II,III)30症例を対象として解析した.症例の初診時平均年齢は57.6歳(19~87歳),中央値は60歳で,男性14例,女性16例で,男女比はほぼ同等であった.腫瘍切除検体の免疫染色(CD8,GranzymeB)を行い,NanoZoomerで画像を取り込み,腫瘍部の10視野をランダムに選択し,ImageJでカウントし平均を算出した.カットオフ値をCD8が250/mm2,GranzymeBが150/mm2と設定した.カットオフ値以上の症例を高値群,カットオフ値未満の症例を低値群とした.また,CD8が高値群かつGranzymeBが高値群の症例を,併用の高値群として,それ以外の症例を併用の低値群とした.CD8,GranzymeB,併用のそれぞれの高値群と低値群間の病期に有意差はみられなかった.それぞれの群でKaplan-Meier法を用いて,疾患特異的生存率,無再発生存率を算出した.CD8とGranzymeB単独での高値群と低値群間の疾患特異的生存率と無再発生存率に有意な差はみられなかった.一方,併用の高値群と低値群間の疾患特異的生存率では,高値群で有意に高かった(P = 0.03).また,無再発生存率も,高値群で有意に高かった(P = 0.03).これらのことから,腫瘍切除検体の免疫染色でCD8が低値かGranzymeBが低値の症例では,術後の再発率が高く,疾患特異的生存率も低いため,より慎重に経過を観察したり,術後のアジュバント療法が必要と考えられた.

  • 加藤 大貴, 谷口 智憲, 守井 賢二, 世良田 聡, 仲 哲治, 中川 貴之, 西村 亮平, 河上 裕
    2016 年39 巻4 号 p. 423b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      最近明確な臨床効果を示した免疫チェックポイント阻害抗体の不応例には,治療前に腫瘍浸潤T細胞が少ない症例が多い.このような症例は,体内で抗腫瘍T細胞を誘導する別の治療法との併用や,体外培養抗腫瘍T細胞を投与する養子免疫療法が奏効する可能性がある.養子免疫療法の一種であるCAR-T細胞療法は,B細胞性白血病リンパ腫に対しては,CD19を標的として,優れた臨床効果を示したが,固形腫瘍では未だ最適な抗原が不明で,確立されていない.我々は扁平上皮がんで特異的にGPC-1が高発現していることを報告し,GPC1特異的CAR-T療法を開発した.このCAR-T細胞は,GPC-1特異的に標的細胞を傷害し,さらに,CD4陽性CAR-T細胞は,抗原特異的に各種サイトカインを産生した.さらに,GPC1発現マウスがん細胞株移植マウスモデル及びヒト食道扁平上皮がん細胞株移植免疫不全マウスモデルへの投与で,明らかな副作用なく,in vivo抗腫瘍効果を認めた.また,前者では内在性腫瘍抗原gp70に対するT細胞応答の増強を認め,抗原拡大(antigen spreading)が示唆された.以上より,GPC-1特異的CAR-T細胞療法は,扁平上皮がんに対して直接の抗腫瘍作用を持ち,さらに,抗原拡大を介した抗腫瘍作用により有効な治療法となる可能性が示唆された.

  • 山崎 聡士
    2016 年39 巻4 号 p. 424a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】各種サイトカインの遺伝子の発現変化によって炎症,免疫異常,組織破壊の強度が規定されると考えられる.我々は炎症に関連する遺伝子のmRNA代謝を制御するサイトカインをスクリーニングし,IL-1βによるCXCL2のmRNA代謝制御の可能性を見出した.【方法】各種遺伝子のmRNAの3'-untranslated region(3'UTR)をpmirGLO Dual-Luciferase miRNA Target Expression Vectorにクローニングした.このプラスミドを骨芽細胞株U2OSへトランスフェクトしたのち,各種サイトカインで12時間刺激を行い,ルシフェラーゼ活性を測定した.滑膜細胞における内在mRNA発現はreal time PCRで確認した.RNA結合タンパク質の影響は,reporterプラスミドとRNA結合タンパク質発現ベクターとの共発現により確認した.【結果】CXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性は,IL-1βにより増強した.RNA結合タンパク質はCXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性に影響を与えた.IL-1βは滑膜細胞においてCXCL2 mRNAを誘導し,その効果はCXCL2のmRNA半減期延長によってもたらされると考えられた.RNA結合タンパク質はCXCL2 mRNAの3'UTRを有したluciferase活性に影響を与えた.【結論】サイトカイン刺激によって,炎症関連遺伝子の発現変動に際して,これらのmRNA発現は3'UTRを介した代謝制御を受けている可能性が示唆された.

  • 伊藤 駿, 蔵持 智也, 高田 和秀, 相澤 志保子, 早川 智
    2016 年39 巻4 号 p. 424b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】SGK1は血清グルココルチコイド誘導性タンパク質キナーゼの一つでありFKHRL1をリン酸化して不活性化することで細胞の生存や分化に関与する.免疫細胞では,近年,高NaCl環境におけるTh17細胞の分化や炎症性サイトカイン分泌にSGK1が必須とされるが,NK細胞の活性化に関わる報告はない.本研究では,TLR刺激あるいはサイトカイン刺激によるNK細胞活性化におけるSGK1の関与の解析を目的とした.【方法】CD56陽性のヒト大顆粒NK細胞株KHYG-1をpoly(I:C)あるいはIL-2とIL-12で刺激し,mRNA発現を網羅的にマイクロアレイで解析した.IFN-γとIL-10をELISAおよびFACSで解析した.【成績】KHYG-1はpoly(I:C)単独で活性化し,IFN-γとIL-10を産生した.この誘導はIL-2+IL-12により増強された.SGK1もpoly(I:C)単独で発現が誘導され,IL-2+IL-12により相乗的に20倍の発現増強がみられた.一方,SGK1の下流にある転写因子FOXO1レベルはSGK1と逆相関した.現在,SGK1インヒビターによるサイトカイン産生制御を検討中である.【結論】粘膜型NK細胞株KHYG-1はTLR3刺激のみで活性化し,炎症性および抑制性サイトカインを誘導する.この活性化はIL-2とIL-12による刺激で増強され,SGK1の発現誘導が関与する可能性がある.

  • 山崎 哲, 清水 佳奈子, 藤井 眞一郎
    2016 年39 巻4 号 p. 425a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      樹状細胞(DC)は自然免疫と獲得免疫を結ぶ役割を担う免疫担当細胞であり,我々はこれまでに生体内DCを標的とした新しいワクチン,人工アジュバントベクター細胞(artificial adjuvant vector cell, aAVC)の開発を行ってきた.aAVCはNKT細胞のリガンドであるαガラクシルセラミド(α-GalCer)と任意の抗原のmRNAを導入した,アジュバント効果を有する細胞である.aAVCは生体内でNKT細胞およびNK細胞により殺傷され,aAVCの細胞断片はDCに取り込まれる.さらに活性化したNKT細胞によるDCの成熟が起こり,獲得免疫が誘導される.これまでに我々のチームでは,aAVCがマウスにおいて抗原特異的な細胞障害性CD8+T細胞および記憶免疫を誘導することを明らかにした.今回我々は,CD4+T細胞を介する免疫反応に着目し,aAVC免疫マウスにおいて特異的抗体が効率よく誘導できることを見出した.さらに,aAVC免疫により胚中心の形成および抗原特異的B細胞が誘導されることを明らかにした.これらのaAVC依存的な抗体産生は生体内DCの成熟を介したCD4+T細胞依存的に起こることが示唆された.これらの結果から,生体内DCを標的としたaAVCによる免疫応答が感染症においても有用であることが期待される.

  • 相澤 志保子, 早川 智
    2016 年39 巻4 号 p. 425b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      【目的】BCGのワクチン効果の限界が示唆されており,より効果的な結核ワクチンの開発・実用化が待たれている.我々は,BCGに非結核抗酸菌由来のAg85Bタンパクを発現させた新規組換えBCGワクチン(rBCG-αK)を作成し,マウスにおける免疫応答の解析を行ったので報告する.【方法と結果】rBCG-αKをH-2ハプロタイプの異なるBALB/cとC57BL/6に接種し免疫応答を解析した.Ag85Bのプールペプチドを用いた解析の結果,C57BL/6における抗原特異的CD4細胞を誘導するエピトープを見出し,既知のCD4エピトープと同一であることを確認した.しかし,BALB/cではこのCD4エピトープペプチド刺激による抗原特異的CD4細胞の誘導はみられなかった.一方,BALB/cにおいて抗原特異的CD8エフェクターT細胞を誘導可能なエピトープを発見したが,C57BL/6においては,このエピトープによるCD8細胞の誘導はみられなかった.そこで,これらのマウスのF1世代であるCBF1マウスの免疫応答を解析したところ,抗原特異的CD4細胞とともに,BALB/cよりも強い抗原特異的CD8エフェクターT細胞が誘導された.【結論】新規組換えBCGワクチン(rBCG-αK)は細胞傷害性T細胞を誘導可能である.抗原特異的CD8エフェクターT細胞の強い誘導には,CD4細胞の存在が重要であることが示唆された.(会員外共同研究者 本多三男,松尾和浩)

  • 木村 友則, Deretic Vojo
    2016 年39 巻4 号 p. 426a
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      TRIM(Tripartite motif)ファミリー蛋白は多くの免疫機能を持ち,各種自己免疫疾患とも関連が深い.オートファジーも不明な機序で自然免疫を制御しているが,最近,TRIM蛋白がオートファジーと密接に関係することが知られるようになってきた.我々はTRIM蛋白がオートファジーの制御性受容体として,自然免疫応答の重要因子に結合し分解することを報告する.TRIM20(MEFV)はインフラマソーム構成因子のNLRP3/NLRP1/Pro-caspase 1と結合しつつ,オートファジーの制御因子であるULK1/Beclin 1/ATG16L1をリクルートすることで分解する.同様の機序でTRIM21(SLEやSjogren症候群における自己抗体の抗原であるSS-A)はIRF3を分解することでI型インターフェロン反応を抑制する.家族性地中海熱(Familial Mediteranean Fever, FMF)にみられるTRIM20の変異は,NLRP3の分解不全を呈しており,病態との関与も示唆された.以上よりTRIM蛋白がオートファジーの制御性受容体として,precision autophagyを介して自然免疫応答を制御し自己免疫疾患発症を抑制することが判明した.

  • Terufumi Kubo, Paulina Wawrzyniak, Hideaki Morita, Kazunari Sugita, Ke ...
    2016 年39 巻4 号 p. 426b
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー

      生体の恒常性は上皮が形成するバリアが生体の内と外を隔てることによって維持されている.近年の報告によって気管支喘息患者の気管支上皮バリアは破壊されていることが明らかとなってきた.上皮バリアの破綻は外来抗原や微生物の生体内へのアクセスを促進し,抗原感作と免疫反応の発動を引き起こす.さらに免疫反応とバリア破壊は増悪ループを形成し,組織リモデリングに至ると考えられている.従って気管支喘息の発症と慢性化メカニズムの解明において上皮バリアの制御機構を明らかとすることは必須である.Toll-like receptor 9のリガンドであるCpG-DNAは制御性T細胞や1型ヘルパーT細胞の誘導を通して気管支喘息の病態をコントロールすると報告されていたが,上皮バリアに対する影響は知られていなかった.本研究では気相・液相境界培養法を用いて分化させた気管支上皮をCpG-DNAで刺激し経上皮電気抵抗と蛍光標識デキストランの透過量によってバリア機能を評価した.その結果,CpG-DNAにて刺激された気管支上皮のバリアは増強された.気管支喘息の病態形成に中心的役割を示すIL-13は上皮バリアを減弱させることが報告されているが,CpG-DNAはIL-13によるバリア障害に対して拮抗的に働いていた.また,CpG-DNAは気管支喘息上皮の障害されたバリアを修復した.これらの結果は気管支喘息の発症における衛生仮説を裏付けるものであり,CpG-DNAは気管支喘息の予防と治療に有効と考えられる.

feedback
Top