最近, 社会的環境の変化から漸増しつつあるといわれ, また迷切術なども積極的に施行されつつある小児の胃・十二指腸潰瘍手術例について第16回小児外科学会総会(新潟)を機会に全国調査を行ないその集計結果を報告させていただいた.また教室での経験についても述べさせていただいた.手術適応からみて小児胃・十二指腸潰瘍では潰瘍合併症を有するもの即ち絶対的適応となるものが多い.それだけに積極的に手術を行なうべきであるが, 成長に遅れを生じないためにも出来るだけ保存的な手術を施行すべきであろう.そのような意味で, また十二指腸潰瘍が圧倒的に多いことから今後は選択的近位胃迷切術の普及が予想される.最後に今回のアンケート調査に御協力いただきました全国86施設の施設名を表18に掲げ厚く御礼申し上げる次第であります.
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