化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
51 巻, 7 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 松本 謙一郎, ジョン マサニ・ンドゥコ, 田口 精一
    2013 年 51 巻 7 号 p. 448-456
    発行日: 2013/07/01
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    生物史上初めて乳酸が微生物細胞内でポリマーの形で合成された.自然界になかった“乳酸重合酵素”の開発がもたらしたブレークスルーである.これを契機に,伝統的な“乳酸発酵”から“乳酸ポリマー発酵”という新しい概念が誕生することになる.本稿では,「炭素モル濃度」という尺度を導入した「メタボリックケミストリー」の切り口から,両発酵の化学量論的考察を加えた.今後,メタボロミクス分野で議論するうえで一つの化学的指標を与えるであろう.
  • 衛藤 英男
    2013 年 51 巻 7 号 p. 457-461
    発行日: 2013/07/01
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    亜臨界水抽出法は,水に物質を入れてから,水温100度から300度の範囲で,3~8 MPaの圧力にすると,反応容器内は液体状態になり,加水分解反応を起こし,また水が有機溶媒の性質をもち,多くの成分を抽出することができる.そこで,産業廃棄物や食品廃棄物などの処理後,微生物を加えることによりメタノールやメタンガスなどに変換可能なので,新たなエネルギーの生産技術として注目されている.また,この抽出法は,食品中のタンパク質や多糖類の加水分解やアミノ・カルボニル反応を起こすため,新しい食品が生まれる可能性があり,新食品加工法として注目されている.最近の食品加工への応用と現在開発中の緑茶の連続式亜臨界水抽出について解説する.
  • 池田 成志, 鶴丸 博人, 大久保 卓, 岡崎 和之, 南澤 究
    2013 年 51 巻 7 号 p. 462-470
    発行日: 2013/07/01
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    植物共生科学は植物と共生微生物(群)の相互作用の解明を目的とする基礎科学であるが,当該分野の進歩は生命科学の幅広い諸分野に大きな影響を及ぼす.本稿では,植物共生の生態学的意義について解説した後,有用微生物の探索・選抜や機能解析,微生物ゲノム解析の進歩,植物における有用微生物制御系の発見,植物共生系の網羅的分析技術の開発,施肥条件や光環境を通した共生微生物制御,共生科学的視点からの「おいしさ」の科学的解明などの最近のトピックスと,関連する応用科学分野での今後の新たな研究展開の可能性について私見を紹介したい.
  • 安藤 智暁, 川上 敏明
    2013 年 51 巻 7 号 p. 471-477
    発行日: 2013/07/01
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    マスト細胞が活性化することによって引き起こされる病態が,アレルギー疾患の枠を超えて新たな注目を浴びている.これらの疾患と治療をつなげるには,病態を反映した適切な動物モデルの存在と,マスト細胞の活性化機構の詳細な解析,それに臨床からのフィードバックが欠かせない.近年,網羅的な遺伝子発現レベルでヒトとの類似性を示したアトピー性皮膚炎モデルにおいて,マスト細胞の関与が示されたり,histamine releasing factorなどの新しい標的分子が報告されたりするなど,マスト細胞を標的とする治療戦略の可能性はますます拡がりを見せている.
セミナー室
「化学と生物」文書館
生物コーナー
feedback
Top