細胞膜は,細胞外と細胞内を分け隔てる器官であり,選択的な物質の出し入れやバリア機能など重要な機能を有する.細胞膜は,ステロール,グリセロリン脂質とスフィンゴ脂質から構成される脂質二重層構造を持つ.細胞全体の60~90%以上ものステロール分子が細胞膜に濃縮しているが(1),その濃縮メカニズムは完全には明らかとなっていない.本稿では,細胞膜ステロールの濃縮メカニズムについて焦点を当て,その輸送に関わる脂質輸送タンパク質(lipid transfer protein; LTP)である二つのファミリータンパク質群に加え,最近,筆者らが出芽酵母の研究から明らかにした細胞膜リン脂質非対称性が有するステロール保持機構について概説する(2).
本校の畜産科から排出されているニワトリの羽毛を窒素肥料として有効活用するために,校内の土壌中からケラチン分解細菌を見つけることを目的として研究を行った.その結果,土壌中からプロテアーゼ生産細菌を単離し,その中から目的のケラチン分解細菌を割り出し,属までを同定した.このことから,土壌中にケラチン分解細菌が存在すると結論づけた.本結果を踏まえ,窒素肥料の完成を目指しており,それが実現できれば,将来的に校内での循環型農業の一つのモデルができると考えている.