化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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46 巻 , 9 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 鎌形 洋一
    2008 年 46 巻 9 号 p. 600-607
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    微生物の多くが培養できないという事実は,この10年近くの間に急速に認識され始めている.なぜ微生物の多くは培養できないのか? この問いに対する答えは少しずつではあるが見え始めている.何ら手がかりがなかった時代を経て今,分子遺伝学の時代を迎え,培養できない微生物の実体をわずかながら捉えることができつつある.一方,これまで我々が日常的に用いてきた微生物はむしろ培養が容易な例外的な微生物であることも明らかになりつつある.ここでは,微生物を培養するという微生物学の基礎を築いてきた手法の限界を越えて見え始めてきた難培養微生物の実体について述べる.
  • 渡部 聡, 三木 邦夫
    2008 年 46 巻 9 号 p. 608-613
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    [NiFe]ヒドロゲナーゼは,水素分子の可逆的な酸化還元反応を触媒する酵素で,活性部位にはシアノ基と一酸化炭素基を配位子にもつNiとFe原子の金属クラスターがある.この複雑な金属クラスターは,生体内で自発的につくられるのではなく,成熟化因子と呼ばれる特異的なタンパク質,Hypタンパク質群の助けによって,段階的に組み込まれて生合成される.最近,Hypタンパク質の立体構造が相次いで決定されて,[NiFe]ヒドロゲナーゼ成熟化機構についての構造生物学的研究は,新しい進展を見せている.
  • 渡邊 武
    2008 年 46 巻 9 号 p. 614-620
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    獲得免疫系および自然免疫系の機能が欠失または高度に低下したマウスにヒト造血幹細胞を移入することにより,骨髄での造血細胞の大半が,そして免疫系細胞のほとんどすべてがヒト由来の細胞に置き換わり,しかも免疫機能を充分に発揮しうるマウスを作製できるようになってきた.その結果,ヒトの身体を直接に用いることなく,このようなマウスを用いてヒト免疫系の研究が可能になりつつある.ここでは,「ヒト化マウス」の有用性と今後の問題点,発展性について解説する.詳しくは最近刊行された総説を参照されたい(1,2)
  • 林 辰弥, 鈴木 宏治
    2008 年 46 巻 9 号 p. 621-628
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    これまでに,多くの癌細胞で外因系凝固開始因子の組織因子の発現増加が認められており,またある種の癌細胞では,抗凝固因子のトロンボモジュリンの発現低下などが報告され,さらに,ヘパリンなどの抗凝固剤の投与により癌細胞の転移が抑制されることから,癌細胞の浸潤・転移と腫瘍血栓との関係が注目されている.ここでは,血液凝固系と線溶系に関する最新の知見を紹介するとともに,血液凝固系,線溶系因子と癌の浸潤・転移との関係について最新の成果を含め,概説する.
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化学の窓
  • 清水 弘樹
    2008 年 46 巻 9 号 p. 648-652
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/04/25
    ジャーナル フリー
    NMRによるタンパク質の高次構造解析手段として開発された液晶NMR法による残余双極子カップリング (RDC : Residual Dipolar Coupling)測定(1) は近年,糖鎖(2) や低分子化合物(3) の構造決定にまで広く利用されている.しかし,詳細な構造解析には計算科学の知識が必要とされる上,測定もノウハウ的な面があり,まだまだ敬遠されがちである.しかし,実は「サンプル調製(=液晶メディア調製)」におけるちょっとしたポイントを押さえれば,測定自体は比較的容易である.そこで,本手法の原理や本格的な構造解析研究といった論文に表われる部分ではなく,RDCによって何がわかるかといった概念の一端を交えながら,代表的な液晶メディア調製法と液晶NMR測定法の実験手法例を紹介する.
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