NMRによるタンパク質の高次構造解析手段として開発された液晶NMR法による残余双極子カップリング (RDC : Residual Dipolar Coupling)測定
(1) は近年,糖鎖
(2) や低分子化合物
(3) の構造決定にまで広く利用されている.しかし,詳細な構造解析には計算科学の知識が必要とされる上,測定もノウハウ的な面があり,まだまだ敬遠されがちである.しかし,実は「サンプル調製(=液晶メディア調製)」におけるちょっとしたポイントを押さえれば,測定自体は比較的容易である.そこで,本手法の原理や本格的な構造解析研究といった論文に表われる部分ではなく,RDCによって何がわかるかといった概念の一端を交えながら,代表的な液晶メディア調製法と液晶NMR測定法の実験手法例を紹介する.
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