症例は26歳,女性。今回の妊娠でループスアンチコアグラント(LA)陽性,抗カルジオライピン抗体(ACA)陽性と判明した。前回の妊娠は妊娠27週で子宮内胎児死亡となった。今回はアスピリン,ジピリダモール,プレドニゾロン,ヘパリン投与を行った。24週より胎児発育遅延がみられ,AT-III, ProteinC, Plasminogen, α
2PI活性が著減した。AT-III製剤の投与により在胎期間の延長,胎児発育の改善をみた。30週で胎児仮死徴候がみられ帝王切開術による分娩となった。出生児は1,025 g, 男児。アプガースコアは1分後5点,5分後9点。経過良好。母体は術後DICとなったがすぐに離脱できた。本例では,TAT, α
2 PI-PM複合体,FDPDdimer, FPBβ15-42, L-FDPの推移は臨床経過との関連が少なかった。
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