65歳以上の高齢者悪性リンパ腫に対して1990年4月より1992年6月までに多施設共同治療研究を行った。対象は38例で初発例30例(年齢中央値;72歳),再発例8例(79歳)であった。治療プロトコールは初発例に対してはpirarubicin (30 mg/m
2; day 1), cyclophosphamide (500 mg/m
2; day 1), vindesine (1.5 mg/m
2; day 1), prednisolone (40 mg/m
2; days 1∼5), 再発例に対しては初発例のプロトコールにetoposide (100 mg/m
2; day 1∼5)を加え,3週間毎に投与した。完全寛解(CR), 部分寛解(PR)は初発例でそれぞれ50.0%, 40.0%, 再発例で50.0%, 0%であった。50%生存期間は初発例で25.9カ月,再発例で18.0カ月であった。重篤な副作用はなく,またperformance statusの増悪を認めたものは1例のみだった。以上の成績より本プロトコールは高齢者悪性リンパ腫に対して有効で安全な治療法であると考えられる。
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