臨床血液
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43 巻, 3 号
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第42回総会
奨励賞受賞論文
第43回総会
教育講演3
教育講演8
教育講演11
教育講演13
臨床研究
  • 高崎 由美, 森内 幸美, 対馬 秀樹, 池田 栄一郎, 小浦 節子, 田口 潤, 福島 卓也, 朝長 万左男, 池田 柊一
    2002 年 43 巻 3 号 p. 165-169
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    ビタミンB12欠乏性貧血に対し,B12経口投与の有用性を検討した。対象症例は,1994年6月から2000年6月までに佐世保市立総合病院を受診した17例とした。全症例にインフォームドコンセントを得た。メチルコバラミン(methylcobalamin: CH3-B12) 1,500 μg/dayの連日内服による補充療法を行ない,その内7例に,間欠維持療法を試みた。間欠維持療法は2カ月に7日間の経口投与を基本とした。B12の血中濃度をモニターしながら投与間隔を調整し,1カ月毎あるいは3カ月毎の内服も試みた。補充療法開始後,B12は全例正常化し,貧血は2カ月以内に,神経症状は1カ月以内に軽快した。回復後B12の血中濃度を正常範囲に維持するために必要な投与間隔は,1カ月毎7日間経口投与を要するもの3例,2カ月毎は3例,3カ月毎でよいもの1例であった。
    B12欠乏性貧血の治療法として,経口投与が有効であることを確認し,更に間欠投与が可能であることを証明した。B12の経口療法は非経口投与に比べ利点が多いと考える。
  • 大野 仁嗣, 石川 隆之, 北島 博之, 野村 昌作, 鈴木 孝世, 小西 博, 大野 陽一郎, 尾西 理英, 小中 義照, 有馬 靖佳, ...
    2002 年 43 巻 3 号 p. 170-175
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    多施設共同研究によって登録された悪性リンパ腫117症例の可溶性インターロイキン2受容体α鎖(sIL-2Rα)を経時的に測定した。117例のsIL-2Rαの初回値は,最大値22,800 U/ml, 最小値277 U/ml, 平均値3,451±4,268 U/ml, 中央値1,600 U/mlであった。LSG分類とWorking Formulationによる病理診断との関連をみると,びまん性/intermediate grade群が濾胞性/low grade群より高値を示し,B細胞性がT細胞性より高値であった。リスクファクターとの関連をみると,III, IV期の症例,B症状を認める症例,performance statusの悪い症例で有意に高値を示した。登録症例をInternational Prognostic Indexによって4群に分類したところ,それぞれのsIL-2Rαの初回値はリスクグループ順に高値を示した。21症例で,評価病変の腫瘍面積を3回以上計測しsIL-2Rα値との相関を検討したところ,18例で相関係数0.6以上を示した。観察期間中に62例が完全寛解状態に到達し,それらの症例のsIL-2Rαの初回値と最低値は非完全寛解群に比して低い傾向にあった。sIL-2Rαは,悪性リンパ腫の診療におけるきわめて簡便でかつ有用なマーカーである。
  • 川上 貴子, 三井 哲夫, 仙道 大, 金沢 千佳子, 前田 勝子, 勝浦 理彦, 清水 行敏, 横山 新吉
    2002 年 43 巻 3 号 p. 176-182
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    造血幹細胞移植後の急性膵炎の頻度と成因を明らかにするため,1984年から2000年の移植例60例につき,膵型アミラーゼ値上昇の有無と臨床所見を後方視的に検討した。解析した57例中12例(21%)に膵型アミラーゼ値の上昇を認めた。臨床的に急性膵炎と診断されたのは3例(5%)で,潜在性の急性膵炎の存在が示唆された。12例のうち11例(92%)を同種移植例が占め,また非血縁者間移植例は7例(58%)であった。Grade III以上のGVHD重症例では,6例全例にアミラーゼ値の上昇を認め,急性膵炎発症におけるGVHDの関与が考えられた。臨床経過を検討すると,5例(42%)で上昇時にウイルス感染症を併発しており,発症に際しウイルス感染が何らかの役割をはたしていると考えられた。潜在性を含めると移植後の膵炎の発症は従来考えられたものより多く,その発症にはGVHDやウイルスの感染が関与していることが示唆された。
症例
短報
  • 仲村 祐子, 新井 幸宏, 中村 文彦, 牧 和宏, 青柳 有名, 齋藤 憲治, 三谷 絹子
    2002 年 43 巻 3 号 p. 204-206
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    A 69-year-old man was diagnosed as having idiopathic thrombocytopenic purpura (ITP) in April 2000, and treated with prednisolone (PSL) without effect. Splenectomy performed in June 2000 had only a transient and marginal influence on his platelet count. Two months later, he developed autoimmune hemolytic anemia (AIHA) without Coombs test positivity, and his diagnosis was changed to Coombsnegative Evans syndrome. Treatment with PSL led to recovery of his hemoglobin level, but not his platelet count. Although the mechanism responsible for development of AIHA after splenectomy in this patient with ITP remains unknown, close observation is required for any association with other autoimmune diseases such as SLE.
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