臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
54 巻, 6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
Picture in Clinical Hematology
第74 回日本血液学会学術集会
シンポジウム6
シンポジウム7
症例報告
  • 橋本 亜香利, 藤見 章仁, 蟹沢 祐司, 松野 鉄平, 奥田 敏徳, 南 伸弥, 土居 忠, 石川 和真, 植村 尚貴, 外丸 詩野
    2013 年54 巻6 号 p. 568-573
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/04
    ジャーナル 認証あり
    後天性無巨核球性血小板減少性紫斑病(AATP)は,骨髄巨核球が選択的に消失または高度に減少する希少疾患である。症例は67歳,男性。2ヶ月前からの出血傾向を自覚し近医を受診。高度の血小板減少を認め,当科紹介となった。骨髄は巨核球のみが欠如し,顆粒球系,赤芽球系に異形成を認めないことからAATPと診断した。また,軽度の正球性正色素性貧血,ハプトグロビン測定感度以下,直接・間接coombs試験陰性および赤血球結合IgG高値より,coombs陰性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の併発と診断した。Cyclosporin 200 mg/日を開始し,prednisoloneを併用するも血小板輸血依存性であった。Rituximab 375 mg/m2/週の8回の投与にて著明な貧血と血小板減少の改善が得られた。AATPは血小板減少症の鑑別疾患の一つであり,免疫抑制療法が第一選択と考えられる。AATPにAIHAが併発しrituximabが奏効した症例は本報告が初である。
  • 櫻井 環, 黒田 裕行, 山田 充子, 在原 洋平, 定免 渉, 平子 匡, 安部 智之, 藤井 重之, 前田 征洋, 藤田 美悧, 加藤 ...
    2013 年54 巻6 号 p. 574-578
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/04
    ジャーナル 認証あり
    急性前骨髄球性白血病(APL)の初発時に中枢神経系(CNS)浸潤を伴うことはまれである。症例は58歳,男性で2010年3月に動悸・息切れ・高熱・羞明・意識障害のため入院となった。骨髄像と染色体分析からAPLと診断した。頭部MRIで多発する高信号領域と脳脊髄液細胞診でAPL細胞を認め,APLのCNS浸潤と判断された。All-trans retinoic acidと全身化学療法を行い,地固め療法終了後も髄注化学療法を継続した。初診後28か月を経たがAPLは完全寛解を維持している。
  • 三浦 理加, 吉見 真弓, 菊池 裕二, 高橋 強志
    2013 年54 巻6 号 p. 579-583
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/04
    ジャーナル 認証あり
    症例は68歳男性。左頸部リンパ節腫脹に対する生検にてT細胞性リンパ腫と診断され当科紹介受診となった。初回入院後,末梢血中にリンパ球様異型細胞が出現,急速な増加傾向であり,末梢血細胞表面マーカー解析を施行したところ,CD7(+), cCD3(+), CD56(+), CD33(+), CD34(+), HLA-DR(+)とT細胞系のみならず,骨髄球系やNK細胞系マーカーを発現していることが判明した。その後,診断時のリンパ節生検及び骨髄生検検体を用いて免疫組織学的解析を追加し再検討した結果,骨髄/NK前駆細胞性急性白血病と確定診断された。この病型はNK細胞系腫瘍としては最も未分化段階に由来し,またAML M0の範疇にも属するとされているが,近年独立した疾患概念として注目されてきている。今回我々は細胞表面マーカー解析により,この稀な疾患の診断に至った経緯や臨床的特徴や経過等を文献的考察を踏まえ報告する。
短報
Introduce My Article
Erratum
feedback
Top