臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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58 巻 , 12 号
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Picture in Clinical Hematology
症例報告
  • 尾松 卓, 宇髙 憲吾, 柴田 泰伸, 関本 悦子, 尾崎 修治
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2369-2374
    公開日: 2018/01/13
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    Azacitidine(AZA)は骨髄異形成症候群に対する有用な治療薬であるが,血液透析例における報告は少なく,腹膜透析例の報告はない。我々は腹膜透析中に発症したacute myeloid leukemia with myelodysplasia-related changes(AML-MRC)に対しAZA療法が奏効した1例を経験した。症例は85歳,男性。2014年4月,慢性腎不全に対し腹膜透析が導入された。2015年2月,汎血球減少が出現し,骨髄検査にて芽球の増加と3系統の血球形態異常を認めAML-MRCと診断した。高齢で腎障害を有していたことからAZA療法を選択した。重篤な副作用はなく血球は増加し,1コース後に赤血球輸血が不要となり,3コース後には血液学的寛解に至った。AZA療法は本例のような腹膜透析中のAML-MRCに対しても有効で安全な治療選択肢となる可能性が示唆された。

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  • 黒澤 修兵, 関谷 紀貴, 村長 保憲, 亀井 克彦, 永田 啓人, 山田 裕太, 小西 達矢, 竹崎 俊晶, 海渡 智史, 阪口 正洋, ...
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2375-2379
    公開日: 2018/01/13
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    過去5年間当院で急性白血病治療中にフザリウム症を発症した3例を報告する。症例1:70歳男性。再発難治性急性リンパ性白血病(ALL)で発熱と両肺多発結節影がみられ,血液培養でFusarium属を検出,liposomal-amphotericin B(L-AMB)奏効せず死亡。症例2:28歳男性。ALLに対する移植前処置中に陰嚢にecthyma gangrenosum(EG)様の皮疹が出現L-AMBは無効であり,itraconazoleとmicafungin(MCFG)を追加したが,好中球生着せずday 27に死亡。生前提出したEGの培養からFusarium属が検出。症例3:50歳男性。慢性骨髄性白血病急性転化の化学療法中,体幹にEG様皮疹が出現,L-AMB,MCFG奏効せず,死後EGからFusarium属が検出。フザリウム症は極めて予後不良であるがEGに着目することで早期診断につながる可能性がある。

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  • 神保 光児, 横山 和明, 小川 弥穂, 平野 光人, 越智 清純, 小林 真之, 遊佐 希, 清水 英悟, 川俣 豊隆, 安井 寛, 大野 ...
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2380-2385
    公開日: 2018/01/13
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    Proteasome阻害薬,免疫調節薬の導入により骨髄腫の予後は改善されつつあるが,これらの薬剤への不応例は予後不良である。症例は53歳男性。BJP-λ型骨髄腫,Durie-Salmon III A,ISS stage II,R-ISS stage IIで診断時骨髄よりK-RAS変異,IGH/FGFR3融合遺伝子を検出した。Bortezomib(BTZ),免疫調節薬(lenalidomide,thalidomide,pomalidomide),conventional chemotherapy,局所放射線療法を含む計7レジメンの治療に抵抗性であり,progressive diseaseと判断した。治療後新たにN-RAS変異,CKS1B増幅,C-MYC split signalを検出した。救援療法として大量メルファラン併用自家末梢血幹細胞移植(HD-MEL/ASCT)を行いvery good partial responseを得た。K-RAS変異は予後不良,N-RAS変異はBTZ抵抗性と関連する一方で,RAS変異例はHD-MEL/ASCTに感受性があることも報告されている。本例はK-RASN-RAS変異を同時に有する稀な症例であり,RAS変異が治療抵抗性とHD-MEL/ASCT感受性の双方へ関与していることが示唆された。

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  • 芹澤 憲太郎, 芦田 隆司, 谷口 貴英, 谷口 康博, 森田 泰慶, 田中 宏和, 嶋田 高広, 辰巳 陽一, 松村 到
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2386-2391
    公開日: 2018/01/13
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    急性骨髄性白血病に対する同種骨髄移植後に一旦造血機能の回復を認めたものの汎血球減少を来し,二次性生着不全と判断してドナーリンパ球輸注(donor lymphocyte infusion, DLI)を施行したところ著効を示した症例を経験したので報告する。症例は64歳女性。急性骨髄性白血病の部分寛解に対して非血縁者間同種骨髄移植を施行した。速やかに生着し,complete remission with incomplete blood count recovery(CRi)に到達したが,day 110から汎血球減少症が出現した。血液検査および骨髄穿刺では,再発や血球貪食症候群は認めないものの,キメリズム解析でドナー比率が経時的に低下したため,二次性生着不全と診断した。Granulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)の投与と輸血にて経過観察したが,造血の改善は認めなかった。患者が再移植を希望しなかったため,DLIを施行した(CD3陽性細胞:1.0×107/kg,単回投与)ところ,有害事象を認めることなく,血球は速やかに改善した。

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  • 飯島 喜美子, 平尾 理子, 日野 俊哉, 鴨田 吉正, 飯塚 浩光, 木田 理子, 半下石 明, 臼杵 憲祐
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2392-2396
    公開日: 2018/01/13
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    症例は39歳男性。2011年11月の検診で貧血(Hb 7.9 g/dl)を指摘され,当科受診。末梢血に大顆粒リンパ球(large granular lymphocyte, LGL)を認め,WBC 7,400/µl(LGL 2,272/µl),細胞表面マーカーCD3陽性,CD4陰性,CD8陽性,CD56陰性,TCR-αβ,T細胞受容体遺伝子Cβ1領域に単クローン性の再構成を認め,T細胞性のLGL白血病と診断した。輸血依存性となり,2012年6月からcyclophosphamideを投与して貧血が改善し,2013年3月に中止したが,貧血が再燃したために2014年3月に再開した。長期投与の安全性を懸念し,cyclosporineに変更したが,効果が得られなかった。以後,副腎皮質steroid,methotrexate,pentostatinの投与を行うも輸血依存性の状態が続き,2016年3月までに総赤血球輸血186単位となった。そこで,LGL細胞の細胞表面のCD52発現を確認し,2016年4月から抗CD52モノクローナル抗体であるalemtuzumabを3 mgから漸増して30 mg週3回投与を行ったところ,投与開始1週間後から貧血は改善傾向となり,2週後以降は輸血非依存性化した。5週目にCMV抗原の陽性化を認めたため投与終了とし,ganciclovirで陰性化した。現在まで無治療でHb 12 g/dl以上を維持している。LGL白血病の難治性貧血に対し,免疫抑制剤やそのほかの治療が無効で,alemtuzumabが有効であった症例を経験した。

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  • 小野 祐一郎, 平本 展大, 吉岡 聡, 藪下 知宏, 木場 悠介, 田端 淑恵, 今井 幸弘, 石川 隆之
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2397-2401
    公開日: 2018/01/13
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    同種造血幹細胞移植(HSCT)後の再発Hodgkinリンパ腫は有効なサルベージ療法が乏しく極めて予後不良である。同種HSCT後再発Hodgkinリンパ腫にBVを安全に長期投与して,BV投与開始後38ヶ月間寛解を維持できている症例を報告する。症例は33歳男性で,結節硬化型Hodgkinリンパ腫に対しABVD療法を含めた多剤併用化学療法7レジメンと自家末梢血HSCT,同種骨髄HSCTを行った後に3回目の再発を来したが,BV 3サイクル後に寛解を達成した。BVを合計26サイクル投与したが,神経因性膀胱のため中止した。その他の有害事象として,軽度の手指の異常知覚と味覚異常,倦怠感が見られた。現在BV開始後38ヶ月間寛解を維持している。同種HSCT後再発のHodgkinリンパ腫にBV長期投与は有効な治療選択肢の一つとなり得る。

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  • 田中 智之, 小堺 貴司, 北嶋 俊樹, 布施 香子, 小林 弘典, 牛木 隆志, 柴崎 康彦, 森山 雅人, 瀧澤 淳, 曽根 博仁, 布 ...
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2402-2405
    公開日: 2018/01/13
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    症例は75歳の女性。血液検査で貧血と末梢血に芽球を認められたため,当院を紹介受診した。骨髄穿刺で骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome with excess blasts 2, MDS-EB-2)と診断された。血球減少の進行や芽球の増加,および出血症状はなく経過していた。診断から10ヶ月後,左手母指球に外傷を負い,内出血が持続し,止血困難となったため緊急入院した。血小板数は正常範囲であったが,血小板機能検査でコラーゲン凝集能とアラキドン酸凝集能の低下を認められた。抗血小板薬の内服はなく,またこれまで出血傾向の既往もなかったことから,MDSによる2次性の血小板機能低下による出血と判断し,血小板輸血を行い止血した。MDSの患者では,潜在的に血小板凝集能が低下していることが多く,血小板数の割に出血傾向が強い場合には血小板凝集能を調べ,血小板輸血などの治療介入を検討する必要がある。

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  • 松岡 紗恵, 細野 奈穂子, 松田 安史, 大岩 加奈, 大藏 美幸, 田居 克規, 安斎 正樹, 根本 朋幸, 石塚 全, 中本 安成, ...
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2406-2410
    公開日: 2018/01/13
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    68歳男性。57歳時にIgG-λ型MGUSと診断され経過観察されていたが,多発性骨髄腫への進展を認め当科入院となった。汎血球減少,発熱,すりガラス陰影主体の両側肺炎を認め,抗菌薬・抗真菌薬による感染症治療を行ったが改善得られず,第16病日に呼吸状態が悪化し,胸部CTにて両肺に多発する間質性肺炎像を認めた。多発性骨髄腫に対しbortezomib/dexamethasone(BD)療法を開始したが,治療効果は限定的で,第56病日には急性肺障害の病態を呈した。ステロイド療法を開始し,多発性骨髄腫に対してlenalidomideの併用を行ったところ,両肺の間質影の改善と骨髄中の異常形質細胞の減少がみられ,治療効果として部分寛解が得られた。その後の経過中も,多発性骨髄腫の病勢増悪時に同様の肺炎を繰り返した。多発性骨髄腫の経過中に間質性の肺病変をきたすことは稀であり報告する。

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短報
特集:同種造血細胞移植合併症への対策 ―最近の進歩―
  • 内田 直之
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2414
    公開日: 2018/01/13
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  • 諫田 淳也
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2415-2424
    公開日: 2018/01/13
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    HLA不適合は重症GVHD発症および移植関連死亡リスクを上昇させる。しかし移植ソースの拡大やあらたなGVHD予防法の開発により,HLA不適合の意義も複雑化している。非血縁者間移植においては,HLA不適合の有無や不適合座の種類はドナー選択に非常に大きな影響を及ぼす。一方,血縁者間移植においてはドナー選択には制限があるため,むしろGVHD予防法の強化に影響がある。特に抗胸腺細胞免疫グロブリンや移植後エンドキサンの使用はHLA不適合移植の合併症のリスクを低下させるための非常に魅力的なGVHD予防法である。成人臍帯血移植においてHLA抗原不適合の意義は明確ではない。本稿ではそれぞれの移植ソースにおけるHLA不適合の意義を概説する。

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  • 内田 直之
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2425-2431
    公開日: 2018/01/13
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    1990年代後半からの移植前治療強度減弱の試みは,移植対象患者数を飛躍的に増加させたが,再発率の増加を招いた。2000年代に入り,毒性を増やさずに治療強度を増強させる方向に舵が切られた。骨髄系腫瘍に対しては,静注ブスルファン(ivBu)の登場で毒性が軽減され,高齢者を含む多くの症例で骨髄破壊的移植前治療(MAC)が可能となった。50歳以上では古典的なシクロホスファミド(Cy)+ivBuや全身放射線照射+Cyよりもフルダラビン(Flu)+ivBuが同等もしくは優位であることも示されている。寛解例に対するivBuを用いたMACでは,100日以内の治療関連死亡率がシアトル方式のFlu+TBI 2 Gyと同等にまで下げられており,現在使用可能な薬剤の組み合わせによる移植前治療毒性は十分軽減されてきたと言える。毒性発現高リスク群の層別化や,開発盛んな新規抗腫瘍薬の導入等で更なる毒性軽減が期待される。

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  • 鬼塚 真仁
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2432-2439
    公開日: 2018/01/13
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    疾患関連遺伝子多型解析は手付かずの領域がないほどに広く浸透している研究手法である。しかし,造血幹細胞移植領域においては,その背景の複雑さのために遺伝子多型解析を困難にしている。造血幹細胞移植領域における遺伝子多型解析を有効にするためには,いかに解析コホートを均一にするかがポイントである。前処置,ドナーソース,GVHD予防,疾患や病期に配慮した均一な症例を対象とし,優れたプロトコールに従って解析する場合に,非常に有効なツールとなる。特に,薬剤代謝関連遺伝子多型解析は移植症例においても有意義である。ここに移植後合併症について遺伝子多型性の影響についての考察を試みる。

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  • 名島 悠峰
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2440-2449
    公開日: 2018/01/13
    ジャーナル 認証あり

    ステロイド抵抗性の移植片対宿主病(GVHD)は依然として極めて予後不良であり,造血幹細胞移植の大きな障壁の一つである。間葉系幹細胞(MSC)は,制御性T細胞の分化促進などの免疫調節作用を有し,ほかの強力な免疫抑制剤とは異なる機序でGVHDへの有効性が期待される。2004年の最初の症例報告以降,ステロイド抵抗性GVHDに対するMSCの有望な結果が多数報告され,本邦でも主要な二つの治験結果に基づき,2015年9月に初の細胞製剤(TEMCELL®)として認可された。現在一部の施設で投与可能となり,全例登録の市販後調査が進められている。非常に高額であるが期待は大きく,実臨床では治験の条件と異なる様々な状況で投与されており,結果を踏まえた適正使用へのガイドライン整備が切望される。また,近年慢性GVHDの治療やGVHD予防にも有効性が報告されている。本稿ではGVHDに対するMSC投与について概説する。

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  • 森 有紀
    58 巻 (2017) 12 号 p. 2450-2460
    公開日: 2018/01/13
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    昨今の移植技術と支持療法の進歩に相まって,同種造血幹細胞移植後の長期生存者は確実に増加している。しかし,移植後は長期にわたって,慢性移植片対宿主病や感染症,二次がんなど様々な合併症を発症するリスクが高い。これらは,移植後の生活の質(QOL)を損ねるのみならず,晩期死亡の原因ともなり得る。近年,移植後晩期合併症のスクリーニングとQOLの向上を目指した長期フォローアップ(LTFU)の重要性が認識され,本邦でも,造血幹細胞移植後患者指導管理料の算定,本邦独自のガイドラインの整備,移植後患者手帳の導入などが試みられている。LTFU外来を設置する施設も増え,移植後晩期のサポート体制は今後ますます充実すると思われるが,晩期合併症の克服に向けて最も大切なことは,患者自身の晩期合併症への理解と自己管理の徹底であり,それを実現するための長期的な支援を,医師,看護師およびコメディカルが連携して提供していく必要がある。

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地方会
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