70歳,男性。高血糖と白血球数増加を指摘され紹介入院となる。腹部では肝は触知せず,脾を左季肋下3横指触知した。WBC 17,300/μ
l (Lymp 72%), RBC 513×10
4/μ
l, Hb 16.1 g/d
l, Ht 43.8%, PLT 13.3×10
4/μ
l。末梢血のリンパ球は,塗抹標本では細胞表面の1極あるいは2極に偏在する短く細い細胞突起が観察された。位相差顕微鏡下や透過型電顕においても同様に細胞表面に短く細い細胞突起を認めた。このリンパ球は酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ陰性であった。末梢血のリンパ球の表面マーカーは,CD19, CD20, CD21, CD24, HLA-DR, SmIgA, SmIgM, SmIgD, Sm-λ強陽性,CD5, CD22, CD25弱陽性,CD10, CD11c, CD23, CD38, B-ly-7陰性。血清M蛋白,尿BJPはともに陰性。末梢血の染色体分析は,lipopolysaccharide (LPS)添加5日間培養で,47, XY, +der(3) t(3;13)(q26;q12) inv(3)(?), t(7;14)(q21;q11), der(13) t(3;13)(q26;q12)の核型異常を20細胞すべてに認めた。以上よりSLVLと診断したが,無治療にて経過観察とした。
抄録全体を表示