日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
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45 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 道井 洋吏, 古堅 あずさ, 光島 隆二, 角野 聡, 光部 啓次郎, 橋本 誠
    2016 年 45 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    [背景]欧米において,肥大型心筋症(HOCM)に対する非薬物治療は外科的心筋切除術が第一選択とされているが,本邦における施行例は限られているのが現状である.われわれは十分な薬物治療にても制御不能なHOCMに対し,非薬物治療として広範左室心筋切除を第一選択としており,術直後から術後中期における評価とともに治療成績を報告する.[対象と方法]2012年5月から2014年9月までの間に,当院において有症状かつ左室内最大圧較差50 mmHg以上を呈し,併施術を伴わず広範左室心筋切除術を施行した薬物抵抗性HOCM症例9例を対象とした.術前後の臨床症状および心エコー所見の変化,手術所見,心筋病理所見について比較検討した.[結果]全例で経大動脈弁的に左室心筋切除を施行した.いずれも合併症なく広範左室心筋切除術施行が可能であった.術後,安静時左室内圧較差は10 mmHg以下に制御され,全例でSAMは消失しMRはI度以下に改善を認めた.術後中期に施行した低容量ドブタミン負荷心エコー検査においても圧較差制御は良好に維持されていた.[結語]われわれの方法による経大動脈弁的広範左室心筋切除術は,SAM,MR,左室流出路狭窄を安全かつ良好に制御することが可能であった.
  • 道井 洋吏
    2016 年 45 巻 1 号 p. 8-9
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
  • 松濱 稔, Mohd. Azhari Yakub
    2016 年 45 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    [目的]大動脈弁置換術におけるContinuous Suture Techniqueの手技の紹介と,手術を安全に行うための留意点について考察した.[対象・方法]2010年12月から2012年10月までに同一術者により行われた大動脈弁置換術のなかで弁口面積1.0 cm2 以下の重症大動脈弁狭窄症連続13例を対象とした.弁置換術はすべて3本のポリプロピレン糸を用いて連続縫合で行った.術前後に経胸壁心臓超音波検査を行い弁機能,弁形態の変化を比較した.[結果]術前の大動脈弁輪径は平均21.7 mmで,挿入弁サイズは平均23.3 mmだった.術前心臓超音波で計測した大動脈弁輪径が19 mm以下であった2例も21 mmの人工弁を挿入することができた.手術時間,人工心肺時間,大動脈遮断時間を短縮することができ,術後超音波検査で弁周囲リークや人工弁機能不全を認めず,術後合併症もなかった.[結語]連続縫合で弁縫着を行うContinuous Suture Techniqueによって大動脈弁置換術の手術時間を短縮させ,かつ安全に施行でき,より大きな弁サイズを挿入できる可能性がある.
  • 在國寺 健太, 澤崎 優, 泊 史朗, 今枝 佑輔
    2016 年 45 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    [背景]大動脈弁狭窄症では,上行大動脈に動脈硬化性病変を合併していることがあり,このような症例では,送血管刺入,大動脈遮断に伴う粥腫の飛散による脳梗塞を合併する危険がある.今回われわれは,片側脳分離体外循環併用循環停止下に大動脈を横切し病変の除去を行った後,上行大動脈を遮断し大動脈弁置換を行う方法を考案した.[対象・方法]2006年1月から2014年3月までに施行した大動脈弁置換術144例を対象とした.循環停止を要する大動脈瘤合併手術および感染性心内膜炎,緊急症例は除外した.上行大動脈に動脈硬化性病変を合併する症例に対する片側脳分離体外循環併用循環停止症例は5例(Compromised Aorta群:CA群),通常の上行大動脈送血および遮断を行った症例は139例(Control群)であった.CA群では右腋窩動脈および大腿動脈送血で体外循環を確立し,34度の軽度低体温循環停止下に腕頭動脈を遮断し,右腋窩動脈送血による片側脳分離体外循環を行う.脳分離の送血量は脳内酸素分圧モニター(NIRO 200NX, Hamamatsu Photonics K. K., Shizuoka, Japan)を用い調整した.短時間の循環停止下に上行大動脈を離断し,内膜病変を除去した後上行大動脈を遮断した.[結果]CA群の循環停止時間は平均3分47秒(3分0秒から5分28秒),左側の脳内酸素分圧モニターの最低値は平均52.0%(45~58%)であった.CA群5例では入院死亡,脳合併症は認めなかった(95%信頼区間(confidence interval : CI):0.000~0.522).Control群では死亡3例(2.2%, 95%CI : 0.003~0.046, p=0.899),脳梗塞2例(1.4%, p=0.932),一過性脳虚血4例(2.9%, p=0.867)を認めた.脳梗塞,一過性脳虚血を合算した脳合併症は6例(4.3%, 95%CI : 0.009~0.077, p=0.806)であった.また,それぞれの手術時間345.8±71.8分:333.6分±85.4(p=0.754),人工心肺時間196.4±63.6分:199.2±50.0分(p=0.902),大動脈遮断時間132.0±44.1分:124.8±36.3分(p=0.666)は同等であった.[結語]石灰化およびsoft plaqueを伴うCompromised Aorta症例における短時間の片側脳分離体外循環法は,大動脈弁置換術の補助手段として有用な可能性がある.
症例報告
[先天性疾患]
  • 中川 博文, 南淵 明宏, 寺田 拡仁, 宮崎 卓也, 奥山 浩, 遠藤 真弘
    2016 年 45 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    症例は30歳の女性で自覚症状は特になかった.6歳時にTurner症候群と診断され,以後定期外来通院していたが18歳時に通院を自己中断した.30歳になり就職を契機に外来受診したところ無症状ながらも上行基部大動脈の著明な拡大(最大径70 mm)と重度の大動脈弁閉鎖不全症を指摘され,手術目的で当院紹介となった.手術は正中切開でアプローチしBentall手術を施行した.術後は経過良好にて合併症なく退院している.Turner症候群は高率に大動脈解離を発症することがしられており,上行大動脈瘤を認めた症例は若年でも外科的介入を行う場合が少なくない.未成年期より10年以上の通院中断を経て偶然発見された上行基部大動脈瘤と大動脈弁閉鎖不全症を有する成人Turner症候群患者が長期にわたり心血管イベントの発生なく無症状で経過したことについて,本症例の遺伝子型がモザイク型であることが重要な要因であると考えられた.
  • 浅井 英嗣, 橘 剛, 新宮 康栄, 若狭 哲, 大岡 智学, 松居 喜郎
    2016 年 45 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    Fontan循環においては重症三尖弁逆流による右房・右室の拡大や,pulmonary atresia and intact ventricular septum(PA/IVS)などにおける著明な右室圧の上昇は右心系の機能障害だけでなく二次的な左心機能障害や肺低形成の一因となる.当科ではこのような無機能右室を内腔より縫縮(内腔縫縮術)することで血行動態より遮断する手術の工夫を行ってきたのでその有効性について検討した.対象は当施設で無機能右室に対し内腔縫縮術を施行した5例(6手術).心胸郭比は71±10%から61±5%へ有意に減少(p=0.017)し左室短縮率は27±17%から37±5%へ変化した(p=0.071).全例がFontan循環に到達し術後経過も良好である.新生児期に内腔縫縮術を施行した1例で経過中に右室の再拡大を認めたためFontan手術時に再度内腔縫縮を追加した.当科で施行した右室内腔縫縮術は無機能右室を有する機能的単心室において有効な手術方法であると考えられた.
  • 中田 朋宏, 池田 義, 南方 謙二, 山﨑 和裕, 阪口 仁寿, 上原 京勲, 坂本 和久, 中津 太郎, 平間 大介, 坂田 隆造
    2016 年 45 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    総肺静脈還流異常症(TAPVC)において,稀に左心系が非常に小さく,左心低形成症候群様の血行動態を示すものがあり,その対応に苦慮することがある.症例は1生日の女児,心エコーおよびCT検査にて下心臓型TAPVC,左心系の低形成(hypoplastic left heart complex),両側上大静脈,右鎖骨下動脈起始異常と診断された.肺静脈狭窄のため,1生日に準緊急的にTAPVC修復を行い,心房中隔欠損(ASD)作製術および両側肺動脈絞扼術(BPAB)も併せて行った.術後経過は良好であったが,術後の左心系の成長乏しく,47生日にNorwood手術(肺血流は右室-肺動脈導管5 mm人工血管で再建)を行った.その後もやはり左心系の成長乏しく,単心室型治療を選択することを決定し,6カ月時に両方向性Glenn手術,1歳11カ月時に完全右心バイパス手術を施行した.TAPVCを合併した左心系のボーダーライン症例に対して,TAPVC修復+BPAB+ASD作製を行うことで,左心系の発育を待ち,単心室/二心室型の治療方針を決定する方針は妥当と思われた.
[成人心臓]
  • 横田 純己, 西 宏之, 関谷 直純, 山田 光倫, 高橋 俊樹
    2016 年 45 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    症例は37歳女性.発熱・意識障害を主訴に近医受診.乳癌術後化学療法中でポート感染を起因とする僧帽弁位感染性心内膜炎と診断され,当院紹介となった.来院時失語と右片麻痺を認めるも従命可能であった.CTにて左中大脳動脈領域の梗塞と両側前後頭葉の出血を認め,心臓超音波検査にて僧帽弁に可動性を伴う径20 mmの疣贅,高度の僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症を認めた.著明な肺うっ血に加えてDICも呈しており,救命目的に緊急手術を施行した.僧帽弁は疣贅により高度に破壊されていたために生体弁による弁置換術を施行した.術後感染・心不全徴候は著明に改善し,第一病日に人工呼吸を離脱した.術後脳膿瘍を併発したために意識レベルが悪化したが迅速な膿瘍ドレナージ術により神経症状は回復した.術後13カ月の現在,患者は,社会復帰に向けて言語聴覚士の下でリハビリ通院中である.重症脳合併症を伴う感染性心内膜炎に対する外科的治療の時期決定には難渋することが多いが,今回われわれの外科治療奏功例を若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 平田 雄一郎, 田山 慶一郎, 下石 光一郎, 新谷 悠介, 堀 英嗣, 岡崎 悌之, 小須賀 健一
    2016 年 45 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    乳頭状線維弾性腫は心臓良性腫瘍のなかで粘液腫に次ぐ発生頻度をもっている.良性ではあるが,塞栓症による合併症の予防のため,可及的な外科的手術が推奨されている.しかし,再発や弁閉鎖不全症の発生の可能性もあり,心臓弁膜より発生した乳頭状線維弾性腫に対する切除範囲に関しては一定の見解を得ていない.われわれは大動脈弁の三尖より発生した乳頭状線維弾性腫に対する手術を行ったので報告する.症例は66歳の女性.腹部大動脈瘤に対する術前精査にて発見された.この症例に対し,弁形成術や弁置換術を行わずに,腫瘍の単純切除のみを行った.術後18カ月を経過したが,腫瘍の再発や,大動脈弁閉鎖不全症の発症は認めていない.われわれは,たとえ大動脈弁のすべての弁尖から乳頭状線維弾性腫が発生している症例であっても,注意深い切除を行えば,弁膜手術を行わずとも,良好な予後が得られると考える.
[大血管]
  • 古川 貢之, 阪口 修平, 川越 勝也, 松山 正和, 矢野 光洋
    2016 年 45 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,男性.主訴は突然の胸背部痛.近医で急性A型大動脈解離と診断され,当院へ搬送された.手術は上行弓部大動脈人工血管置換術を行い,術後4日目には歩行訓練を開始したが,術後5日目に突然対麻痺を発症した.対麻痺発症直後のCT検査では胸部下行大動脈偽腔の中位レベルまでの血栓化と下位レベルでの造影遅延を認め,ただちに脳脊髄液圧を14 cmH2O未満に維持するように脳脊髄液ドレナージを開始し,4日間継続した.治療開始後から下肢を動かせるようになったが運動障害の完全な回復には至らず,術後40日目不全対麻痺の状態でリハビリテーションを目的に転院となった.
  • 浅見 冬樹, 山本 和男, 杉本 努, 岡本 祐樹, 木村 光裕, 長澤 綾子, 白岩 聡, 吉井 新平
    2016 年 45 巻 1 号 p. 49-51
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    症例は40歳男性.胸痛で発症し,CT,心エコーで左冠尖の巨大バルサルバ洞動脈瘤が発見され当科入院となった.左冠動脈主幹部の軽度狭小化も認められた.重度大動脈閉鎖不全症を伴っており,破裂の危険性も考慮して準緊急手術を行った.手術は大動脈基部置換術を施行したが,人工心肺からの離脱困難であったため冠血流低下を疑い,冠動脈バイパス術を追加して血行動態の改善をみた.術後経過は良好であった.左冠尖に発生するバルサルバ洞動脈瘤は稀であるが,瘤拡大に伴う圧排による心虚血症状を伴うこともあり,早期の治療を要するものと思われた.
  • 鈴木 正人, 大川 洋平, 野村 文一, 安達 昭, 杉木 健司, 大野 猛三
    2016 年 45 巻 1 号 p. 52-56
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,男性.頭痛および左頸部痛のため近医に救急搬送された.瞳孔不同および左眼の視野障害を認め,緊急頭部MRAおよび胸部造影CTを施行し,左総頸動脈の閉塞を伴うStanford A型大動脈解離を疑われ,当院に転院した.緊急手術を行ったが,上行大動脈に付着した血栓が左総頸動脈へ連続しており,左頸動脈血栓除去および上行部分弓部置換術を行った.術後経過は良好で,第16病日に独歩退院した.胸部大動脈内血栓は稀であり,なかでも上行大動脈に存在する頻度は少ないので報告する.
  • 古野 哲慎, 高瀬谷 徹, 菊先 聖, 橋本 圭司, 平田 雄一郎, 和田 久美子, 赤須 晃治, 飛永 覚, 明石 英俊, 田中 啓之
    2016 年 45 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    免疫性血小板減少症(ITP)を基礎疾患に持つ高齢者の急性A型解離に対して上行弓部大動脈置換術を施行したが,術後約1カ月で中枢断端形成再解離のため大動脈基部置換術を要した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.症例は86歳,女性.高度僧帽弁閉鎖不全症を指摘されていたが,高齢でITPがあるため手術不能とされていた.2014年10月に背部痛を自覚し,前医の胸腹部造影CTにて急性A型大動脈解離と診断され,当院に救急搬送となった.来院時の心臓超音波検査にて高度AR,高度MR,中等度TRを認め,手術は上行弓部大動脈置換術,僧帽弁形成術,三尖弁輪縫縮術を施行した.中枢はBioglueを用いて偽腔を閉鎖し,フェルトサンドイッチによる断端形成を行った.いったんは術後91時間で人工呼吸器から離脱した.しかし,術後30日目頃より聴診上拡張期雑音の増強を認め,心不全症状が出現した.心臓超音波検査にてARの増悪,造影CTにて大動脈基部の解離を認めたため,術後39日目に大動脈基部置換術を施行した.術中所見では中枢断端形成部の直下に横走するエントリーを半周性に認めた.RCA周囲にも解離が及んでおり,RCAへのバイパス術を施行した.術後の病理所見では再解離とBioglueの因果関係はあきらかではなく,再解離の原因としては組織の脆弱性や手技上の問題が考えられた.初回手術から121日目に独歩にて転院となった.2回の手術において血小板輸血をそれぞれ50単位ずつ要したが,血小板輸血にて術中の止血に難渋はしなかった.術後2回心嚢ドレナージを要し,心嚢液貯留とITPとの関連は否定できないと考えられた.今回術後30日目に大動脈基部の再解離を発症した.診断のきっかけは往復雑音の増悪であり,ICUでは疎かになりがちである聴診などの基本的身体所見の経時的観察の重要性を再認識した.
[末梢血管]
  • 川崎 正和, 石橋 義光, 森本 清貴, 國重 英之, 井上 望
    2016 年 45 巻 1 号 p. 62-66
    発行日: 2016/01/15
    公開日: 2016/02/02
    ジャーナル フリー
    カテーテル挿入時の経皮的穿刺部である大腿動脈の止血に際して止血デバイスを使用することにより止血・安静時間が短縮するため,用手圧迫と比較して患者への負担の軽減および入院期間の短縮が得られる反面,いくつかの合併症も報告されている.今回われわれはこの止血デバイスの一つであるAngio-Seal® 使用後に総大腿動脈狭窄を来した症例を経験したので報告する.症例は67歳女性で他院にて右大腿動脈穿刺による脳底動脈瘤塞栓術が施行され,止血の際Angio-Seal® が使用された.術後1カ月頃より300 m歩行後の右間欠性跛行が出現した.血管エコーおよびCT Angioにて右総大腿動脈に75%狭窄を認めたため,血栓内膜摘除術が施行された.術後経過は順調で,ABIは0.82から1.15に改善,CT Angio上,右総大腿動脈の狭窄性病変は改善し,間欠性跛行も消失した.本症例は術中所見から総大腿動脈穿刺部に脳底動脈瘤塞栓術施行前より動脈硬化性病変が存在していたことが示唆され,今回の合併症発症の原因と考えられた.Angio-Seal® による合併症を予防するためにはシース挿入前にあらかじめエコー等にて穿刺部の評価を行い,デバイス使用の適応につき十分検討することが重要であると思われた.
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