高分子論文集
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39 巻, 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 加藤 忠哉, 高見 肇, 高橋 彰
    1982 年 39 巻 8 号 p. 487-492
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチル (MMA) -メタクリル酸 (MAA) 共重合体ラテックスの粒径測定をラテックスの粒径に比べて大きな細孔を有する多孔質シリカゲル充てん剤を用いる流体力学的クロマトグラフィーにより行った. 充てん剤は吸着を防止するため3-クロロブロピルトリクロロシランを用いてシリル化処理した. 標準ポリスチレンラテックスを用いて作成したラテックス粒径-保持容積の較正曲線から見積ったMMA-MAA共重合体ラテックスの粒径は動的光散乱法により見積ったラテックスの流体力学的直径とよく一致した.
  • 山口 貞充
    1982 年 39 巻 8 号 p. 493-498
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) のファインパウダーは, PTFEのエマルションを凝析することによって得られる. PTFEのエマルションには, 粒状粒子と棒状粒子が観察される. この2種類のエマルションを試料として, ファインパウダーの樹脂に観察される帯状構造を研究した. その結果, 木の葉状の帯 (sheaf-like band) がエマルション粒子の分子鎖の折れ曲がりから生じていることを明らかにするとともに, 木の葉状の帯と破断面に現れる帯の違いが内部応力によって生じることを示した. すなわち木の葉状の帯は, わずかな張力を加えたり, 応力を加えたりすると, 容易に破断面に観察されるしま (縞) のある帯に変化する. 一方, 木の葉状の帯は帯の長軸に垂直な方向に分子鎖が折り畳まれていることから, 従来いわれている内部に観察される帯の折り畳みを, 間接的に説明することができた.
  • 福冨 兀, 松井 博之, 加倉井 敏夫
    1982 年 39 巻 8 号 p. 499-505
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    ビニルモノマーとジビニル化合物の共重合によって可溶性の, 分子内部で橋かけした共重合体を得る方法について検討した. スチレンとジビニルベンゼンとをジフェニルジスルフィド (テローゲン) の存在下, 通常のモノマー濃度で共重合させた. 系が流動しなくなる3時間前まで共重合を行い, 次いで数時間系に高速かくはんを加えた. これらの操作によって可溶性の共重合体が非常にい転化率 (最高74%) と, 高い濃度 (最高35g/100ml) で得られた. 粘度測定及び浸透圧測定の結果, これらの共重合体は橋かけした三次元の構造をもっていることが確認された.
  • 八尋 信英, 浅川 一雄
    1982 年 39 巻 8 号 p. 507-514
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    (R) -2-アミノ-1-ブタノールと臭化エチルから, (R) -2-エチルアミノ-1-ブタノールを得, これに硫酸, 続いて水酸化ナトリウムを反応させ, 光学活性な1- (R) -2-ジエチルエチレンイミンを合成した. この1- (R) -2-ジエチルエチレンイミンを三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いて, 開環重合させた. この際, 三員環の開裂の方向は, (R) -2-エチルエチレンイミンを用いたと同じく, β-開裂であった. 得られたポリ-1- (R) -2-ジエチルエチレンイミンは, 比較的粘性の高い水飴状で, その分子量は3,000~5,000であった. このポリマーは, 絶対配置を保持し, 立体規則的であった.
  • 中島 芳訓, 福田 博行
    1982 年 39 巻 8 号 p. 515-521
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    種々の連鎖移動剤を用いて (2-イソブチル-2-メチル-1, 3-ジオキソラン-4-イル) メチルアクリラート及び (2-エチル-1, 3-ジオキソラン-4-イル) ブチルアクリラートのラジカルオリゴメリゼーションを行い, 得られたオリゴマーの紫外線 (UV) 及び熱橋かけ性, 更にその橋かけ機構についても検討した. ハロゲン系連鎖移動剤から合成されたオリゴマーはUV照射及び熱処理によって容易に橋かけしたが, チオール系, アルデヒド系連鎖移動剤からのものはほとんど橋かけしなかった. また, ハロゲン系連鎖移動剤からのオリゴマーにUV照射すると酸が容易に脱離することがわかった. このことから橋かけは酸によってオキソラン環のC-O結合の開裂が促進されるために引き起こされるものと考えられる.
  • 森 邦夫, 中村 儀郎, 熊谷 勝
    1982 年 39 巻 8 号 p. 523-530
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    ポリ塩化ビニルに対するエチレンープロピレンターポリマーの加硫接着をそのはく離強度が両高分子間の橋かけ度とその界面の厚みに依存するという考えに基づいて検討した. 反応点の異なるポリ塩化ビニルとエチレンープロピレンターポリマー分子間の橋かけ反応はポリ塩化ビニルに1, 3, 5-トリアジン-2, 4, 6-トリチオールと酸化マグネシウムを, またエチレンープロピレンターポリマーにクロラニルのような酸化剤を添加することにより進行した. 非相溶性のポリ塩化ビニルとエチレンープロピレンターポリマーにそれぞれ可塑剤と軟化剤を加えることにより, 界面の厚みとその生成速度が増加するため, はく離強度は増加した. はく離強度は熱処理によっても高くなるが, これも界面における橋かけ度の増加による. また, はく離強度は接着条件の影響を強く受けるが, これは界面における橋かけ度の増加とポリ塩化ビニルの分解の相反する二つの因子の相殺作用による結果と考えられる.
  • 村松 広重, 小平 一夫, 松浦 一英, 伊藤 勝清
    1982 年 39 巻 8 号 p. 531-534
    発行日: 1982/08/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    o-アセトキシ安息香酸 (OAB) と4-アセトキシテトラフルオロ (ATFB), P-アセトキシ (PAB), 3-メトキシ-4-アセトキシ (MAB), 3, 5-ジメトキシ-4-アセトキシ安息香酸 (DMAB) の共重縮合を220℃, 60mmHgの窒素雰囲気下で行った. OAB-ATFB共重合体中の-o-OC6H4CO-単位のモル分率 (F1) は仕込モノマー中のOABのモル分率 (f1) より大きかった (F1>f1) が, 他の共重合体ではF1 f1であった. これらの共重合を400℃, 0.1mmHg下で再縮合させると, OAB-ATFB共重合体からは-P-OC6F4CO-単位が-o-OC6HCO-単位に比べてより多く除去されたが, 他の共重合体からは-o-OC6H4CO-単位が優先的に除去された.
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