熱硬化性樹脂の流動・硬化特性を迅速, 高精度に評価するために, 成形機, 試験金型, 検出器, データ処理・演算部からなる自動計測, 解析装置を開発した. 樹脂が金型内を充てんし, 硬化反応により流動停止するまでの圧力損失, 流量, 流動距離, 平均見掛け粘度 (η
a) などの値が, 設定時間間隔ごとに求められる. 低圧トランスファー成形用エポキシ樹脂が, 製造工程に用いられる流路と同程度の断面積を持つ3種類の円管流路を流動するときの特性値を, 3種類の金型温度の下で調べた. いずれの条件でも, 流動途中にη
aの最低値 (η
aM) が存在する. 流動停止時刻で定義した見掛けのゲルタイム (
ta) は圧カプロファイルを利用して正確に求まる. η
aMと
taは管径が小きいほど, また, 金型温度が高いほど小さい値を示す. この装置は, EMMIスパイラルフローテストなどの従来手法に比べ, 製造工程での樹脂の成形性の予測に有効なデータを得ることができる.
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