で表される共重合アラミド (HM-50) 及びポリ (
p-フェニレンテレフタルアミド) (Kevlar 149) の分子鎖軸方向の結晶弾性率 (
El) をX線回折法を用いて測定した. Kevlar 149の
El値は156 GPaであり, Kevlar, Kevlar 29, Kevlar 49について従来得られた
El値に一致した. 一方, HM-50について2θ=14.7°, 27.0°42.2°の三つの子午線反射を用いて得られた
El値は互いに一致し91 GPaであるのに対し, 2θ=29.7°の子午線反射を用いて得られた
El値は74 GPaであった. この現象についてPoint Modelを用いて検討した結果. 前者が共重合体全体の
El値を表しているのに対して, 後者がHM-50中の共重合成分の局値を表しているものと考えられた. 試料弾性率はKevlar 149で144 GPa, HM-50で75GPaであり, これら芳香族ポリアミドにおいて試料物性への結晶物性の寄与が極めて大きいことが明らかとなった.
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