ε-カプロラクタムのアニオン重合により合成した高分子量ナイロン6について, 溶液粘度法, 光散乱法を用いて分子量を, GPC法を用いて分子量分布を評価した. 固有粘度 ([η]) は, ポリマー濃度を非常に低くして測定した溶液粘度から求めることができた. また光散乱法においても低濃度ポリマー溶液を用いる測定で重量平均分子量 (
Mw) を得ることができた. 固有粘度と光散乱法で求めた
Mwとの間にはMark-Houwink-桜田の式;
Mw=2.81×10
4× [η]
1.35が
Mw1,000,000までの広い範囲で成立することがわかった. GPC法で得た分子量分布 (
P=
Mw/Mn) は, 開始剤の官能基濃度が減少するにつれ低下し, 最高分子量のポリマーでは
P=1.49となり, 分子量分布の狭い高分子量ポリマーであることがわかった.
抄録全体を表示