主鎖中に四級炭素原子を有し, 放射線崩壊型ポリマーとして知られているメタクリル酸アルキルエステル系ポリマー数種, 及びメタクリル酸メチル (MMA) を主成分とした二, 三のコポリマーについて, 感電子線性と熱的性質 (ガラス転移点, 熱分解点) の関係について調べ, 高感度ポジ型電子線レジスト材料としての可能性を検討した. これらのポリマーに関しては, 感度の高い材料は一般に熱安定性が低いという傾向が認められた. しかし, ポリメタクリル酸イソプロピル (PiPMA) は, 高感度ポジ型電子線レジストとして知られているポリ (ブテン1スルホン) (PBS) より高い熱安定性を有するが, これと同程度の感度を示した. また, MMAとのコポリマーのうち, iPMAを含むものはPMMAに近い熱安定性を有し, かつPBSより高い感度を示すことが認められ, 高感度ポジ型電子線レジストになりうる材料であることがわかった.
抄録全体を表示