複数個のアリル基をもつ反応性難燃剤とナイロン-6,6を混練して作製したコンポジットを成形加工した後γ線照射すると, 耐熱性や機械特性が向上する. これは難燃剤とナイロン-6,6との間に形成された架橋構造によるものと考えられる. 二種類の反応性難燃剤を用いて作製したコンポジットについて,
13C固体NMRスペクトルや緩和時間測定結果から, 形成された架橋の程度や架橋構造を考察した. その結果, 架橋反応は, γ線照射により生じた難燃剤のアリルラジカルとナイロン-6,6のNH隣接メチレン位ラジカルとのカップリングにより進行することが推定された. また, 難燃剤とナイロン-6,6の反応率や架橋度は難燃剤の構造に影響されることが示され, 自由体積の小さい構造をもつ反応性難燃剤から作製したコンポジットの架橋度の方が高いことが示された.
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