2, 2'-アゾビス (2, 4-ジメチルバレロニトリル) を開始剤として40℃でトリフルオロ酢酸ビニルを重合後, 重合物をジエチレントリアミンで脱トリフルオロ酢酸化し,
s- (diad) =57%のシンジオタクチシティに富む高重合度ポリビニルアルコール (
s-PVA,
DP=7900及び12600) を得た. 水-DMSO=2: 8 (体積比) の混合溶媒を用い
s-PVAのゲル紡糸 (ポリマー濃度3.5g/d
l, ノズル内径0.8mm) を行った. この繊維の最高延伸倍率 (230℃) は約14倍であった.
DP=7900の
s-PVAから作ったゲル繊維の結晶化度は30%で, 複屈折率2.0×10
-3であったが, 12倍延伸物の弾性率は30GPa強度は1.9GPaで, 結晶化度は70%, 複屈折度は5.0×10
-2であった. なお
DP=17900の市販PVAを用いて同様な条件で紡糸したゲル繊維の13倍延伸物 (220℃) の弾性率や破断強度は, それぞれ18GPa及び1.3GPaであった.
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