過硫酸アンモニウム (APS) を開始剤としてメタクリロイルアミノ酸 (アミノ酸: アラニン, バリン, β-アラニン, ∈-アミノカプロン酸) の水溶液重合を行い, 主として重合速度 (R
p) のpH依存性について検討した. その結果, いずれのモノマーも, R
pは酸性領域ではpHの増大に伴い急速に増加し, pH 7以上ではほぼ一定てあった. この傾向はAPSの分解速度のpH依存性とよく一致する. さらに比較のため, APSの代りにアゾビスイソブチロニトリルを用いたところ, R
pはかなり小さくなるが, そのpH依存性はほぼ同様の傾向を示した. また, R
pはいずれのモノマーの場合もpHに関係なく, モノマー濃度に関しては1次, 開始剤濃度に関しては0.5次に比例した. これらメタクリロイルアミノ酸のR
pのpH依存性は, アクロイルアミノ酸のそれとは大きく異なる. この理由について若干の考察を行った.
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