主鎖に剛直構造をもっポリイミド膜 (PI), ポリスルホン膜 (PSU) とポリエチレンテレフタラート膜 (PET) に紫外線を照射し, He, O
2とN
2ガスに対する40~120℃の高温領域における透過係数と拡散係数を測定した. これからN
2の透過係数に対するHeとO
2のそれぞれの透過係数比 (
PHe/
PN2と
PO2/
PN2) を求め, 高温における軽ガス分離膜としての適合性を評価した. 未照射のPET, PIとPSUの
PHe/
PN2 (40℃) の値はそれぞれ208, 171と47であり, 空気中96時間紫外線照射をするとこの値は高くなるが, 順位は変わらない. PIについて空気中, 窒素中, 酸素中と雰囲気を変えて紫外線を照射すると, 酸素中で最も高い
PHe/
PN2が得られた. 空気中で96時間照射したPSUは, Heの透過係数が1.41×10
-9cm
3 (STP) cm/cm
2scmHgであり,
PHe/
PN2も101であることから, 高温におけるヘリウム分離膜として適合していることが明らかになった.
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