膜を構成する高分子の化学構造と水-アルコール分離性との相関性を, 化学組成及び構造の異なる11種類の膜を用い, C
1~C
3のアルコール水溶液系で検討した. その結果, 膜は分離性によって三つのグループに分類できた. 第1は水を選択的に透過するグループで, 橋かけした荷電膜, 酢酸セルロース膜, 芳香族ポリアミド膜など8種類がこれに属する. 第2は分離性を示さないグループでポリ-4-ビニルピリジン系膜とポリアクリロニトリル系膜である. 第3はアルコールを選択的に透過する膜で, ポリフッ化ビニリデン膜がこれに当たる。同一膜では, アルコール分離率はアルコール分子の形状や大きさによって変化し, アルコール透過性膜ではアルコールの溶解度パラメーターが大きくなると透過率が増加した. また, 操作圧, 温度と濃度の実験条件によっても分離率は若干影響を受けた.
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