4, 4′ -ビピリジン (Bipy) と長鎖アルキルスルホン酸銀 (ドデシルスルホン酸銀 (AgSO
3C12), テトラデシルスルホン酸銀 (AgSO
3C14), ヘキサデシルスルホン酸銀 (AgSO
3C16)) から櫛形構造を有する配位高分子の合成を行い, 固体状態における高分子の構造を元素分析,
1HNMRスペクトル, FT-IRスペクトル, 示差走査熱分析 (DSC), 粉末X線回折 (XRD) 測定から研究した. Bipyとアルキルスルホン酸銀との自己集合によって, BipyとAg
+が繰返し結合してできた剛直な高分子鎖を主鎖とし, Ag
+にイオン結合したアルキルスルホン酸アニオンを側鎖にもつ櫛形構造を有する配位高分子が形成された. これら配位高分子の中で, BipyとAgSO
3C14, BipyとAgSO
3C16からなる櫛形配位高分子はラメラ構造に組織化されていることがわかった. 前者においては隣接する高分子の側鎖アルキル基どうしは, 高分子主鎖に対して垂直に配向し互いに入れ子状にパッキングしているのに対し, 後者の場合, アルキル基が主鎖に対して約60°傾いていることが示された. これらの結果をもとに, 配位高分子形成に及ぼすアルキル鎖長の影響について考察した.
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