小児歯科学雑誌
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41 巻 , 4 号
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  • 本橋 正史, 山田 博, 元開 富士雄, 加藤 栄行, 矢野 理, 堀内 由, 今井 敏子, 深田 英朗
    2003 年 41 巻 4 号 p. 671-679
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    学校歯科保健対策は,口腔疾患に関する様々なリスク因子の影響評価に基づいて実施すべきである.児童における齲蝕あるいは歯肉炎のリスク因子の分析に必要な仮説を導出するためには,口腔の健康状態の変化について観察する必要がある.そこで著者らは,1994~2001年における女子小学校の児童の歯,歯肉,歯の沈着物,矯正装置の状態の変化について観察した.
    その結果,現在歯に齲蝕経験を有する児童の比率および未処置歯を有する児童の比率は,ほぼ着実に低下してきたことが観察された.しかし歯垢付着が陽性であった児童の比率および歯肉炎が陽性であった児童の比率の変化に,一定の傾向がなかった.これにより,齲蝕の減少は歯垢沈着以外の要因の変化と関連していた可能性が示唆された.
    一方,歯石沈着について陽性であった児童の比率は1998年以後上昇し,付着は下顎前歯部に集積していた.また矯正装置または保隙装置の装着を認めた児童の比率は,1998年以後の方が1997年以前より若干低い傾向がみられた.近年における齲蝕や歯肉炎の罹患率の低下については,疫学要因との関係について改めて総合的に分析する必要性があると考えられた.
  • 柳澤 孝彰, 見明 康雄, 藥師寺 仁
    2003 年 41 巻 4 号 p. 680-687
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,実験的初期齲蝕エナメル質病巣に及ぼす市販のフノリ抽出物(主成分フノラン)と第二リン酸カルシウムを配合したキシリトールガムおよびリン酸化オリゴ糖カルシウムを配合したキシリトールガムの再石灰化促進効果を検討するとともに,それらの比較評価を目的としたものである.
    実験的初期齲蝕エナメル質病巣は,ヒト抜去第三大臼歯のエナメル質を酢酸緩衝液(pH4.0)で50℃,2日間脱灰することにより作製した.本試験は,それぞれのガム抽出液を含む再石灰化液に脱灰したエナメル質を37℃,2週間浸漬して行った.その後,浸漬したエナメル質を脱水し,ポリエステル樹脂に包埋,厚さ100μmの研磨切片を作製した後,軟エックス線発生装置でコンタクトマイクロラジオグラムを撮影し,鏡検した.また,再石灰化の程度は,画像処理解析を行うことにより算出した.さらに,それぞれのガムでの再石灰化の程度はstudent'st-testによる統計処理を行って,有意差を検定した.
    フノリ抽出物と第二リン酸カルシウムを配合したキシリトールガムは,初期齲蝕エナメル質病巣の全層にわたって再石灰化を高めており,再石灰化率は45.5%であった.これに対し,リン酸化オリゴ糖カルシウムを配合したキシリトールガムでは,再石灰化がほとんど認められず,再石灰化率も23.7%であった.フノリ抽出物と第二リン酸カルシウムを配合したキシリトールガムの再石灰化率は,リン酸化オリゴ糖カルシウムを配合したキシリトールガムの約1.9倍であった(P<0.01).
  • 相澤 節世, 小野 俊朗, 稲掛 望, 吉田 良成, 鬼頭 佳子, 神谷 省吾, 土屋 友幸
    2003 年 41 巻 4 号 p. 688-693
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯列期の不正咬合に対する保護者の認識を明確にするため,Hellmanの咬合発育段階II A期93名の園児と保護者を対象に,園児の咬合状態の調査と保護者に子どもの不正咬合に関する質問紙調査を行い,以下の知見を得た.
    1.不正咬合の発現頻度は,64.5%であった.
    2.子どもの不正咬合を気にしている保護者は,32.3%であり,最も気にしているのは,「上顎前突」,「開咬」であり,前歯部の不正咬合は比較的認識されやすいと考えられた.
    3.不正咬合の治療に対する不安は「費用」,「期間」に関することが多かった.
    4.歯科医師と保護者の不正咬合に対する認識の一致率は低かった.
  • 井出 正道, 青柳 陽子, 星 仁史, 守安 克也, 高野 文夫, 朝田 芳信
    2003 年 41 巻 4 号 p. 694-699
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    鶴見大学歯学部附属病院小児歯科診療室では,歯科治療に際して対応上特別な配慮が必要な心身障害者や低年齢児で,協力状態や処置内容から全身麻酔の適応であると判断された患者に対して全身麻酔下歯科治療を実施している.本報告は,当診療室で実施した全身麻酔下歯科治療の最近の実態を把握することを目的に,1997年4月から2002年3月までの5年間の実態調査を行い,過去の調査結果と比較した.その結果は以下の通りである.
    1.症例数と年齢分布:85名(男性59名,女性26名)の患者を対象に,のべ96症例の全身麻酔下歯科治療が行われた.処置時平均年齢は12歳9か月(7か月から30歳0か月)であった.過去の報告と比較して症例数は減少し,平均年齢は高かった.
    2.全身麻酔患者の内訳:対象患者の大部分(78名)が心身障害者であり,その多くは精神発達遅滞であった.これは過去の報告と同様の傾向であった.
    3.処置内容と処置歯数:総処置歯数は1,031歯(1症例当り11.6歯)であり,乳歯,永久歯とも歯冠修復が最も多く,歯冠修復の中ではコンポジットレジン修復が高い割合を占めていた.過去の報告と比較して,歯冠修復とシーラントの割合が増加し,抜歯と歯髄処置の割合は減少していた.
    4.処置時間と麻酔時間:処置時間と麻酔時間の平均はそれぞれ2時間13分(21分から4時間40分) ,3時間9分(50分から5時間28分)であった.過去の報告と比較して,処置時間と麻酔時間は延長していた.
  • 海原 康孝, 伊藤 直子, 天野 秀昭, 三浦 一生, 香西 克之
    2003 年 41 巻 4 号 p. 700-709
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    低位下顎第一乳臼歯の存在が歯列咬合関係に与える影響を検討した.対象は男児12名,女児17名,計29名の日本人小児である.歯列研究用模型を用いて,咬合関係,歯および歯列の大きさ,下顎歯列の彎曲について,Hellmanの歯齢別に検討を行い,以下の結果を得た.
    1.咬合関係
    前歯の咬合関係では,反対咬合の割合が最も高かった.II C期の資料のterminal planeはmesial step typeが最も多く,III A期以降の資料の第一大臼歯の咬合関係はAngleのIII級が最も多かった.
    2.歯および歯列弓の大きさ
    下顎第一乳臼歯が左右とも低位乳歯である歯列は,上下顎ともに第二乳臼歯間の歯列弓幅径が小さく,歯列弓長径が大きかった.
    3.下顎歯列弓の彎曲
    下顎第一乳臼歯が左右とも低位乳歯である歯列の彎曲は,左右差はなく,左右ともに標準値より大きかった.左右どちらか一方が低位乳臼歯の歯列の彎曲は,患側は標準値に近かったが,健側は標準値より大きく,左右非対称であった.また,II C期よりもIII A期の方が彎曲が大きく,第一乳臼歯がより低位である傾向が認められた.
    以上の結果より,下顎第一乳臼歯が低位乳歯である歯列の咬合関係は,反対咬合である割合が高く,矢状方向からみた下顎歯列弓の彎曲が強い傾向が示された.
  • 孫 泰一
    2003 年 41 巻 4 号 p. 710-718
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    6名の健康な成人を対象に450ppmフッ化ナトリウム溶液洗口後,口腔に停滞するフッ素量と唾液分泌速度の関係および口腔内フッ素濃度の部位特異性について検討を行った.洗口後30分の唾液中フッ素濃度は,通常再石灰化反応を積極的に促進するといわれている濃度より低く,平均1ppm以下に減少していた.洗口後15,30,60分における唾液中フッ素濃度と唾液分泌速度との間には負の相関関係が認められた.午前零時に洗口後ただちに就寝させ,起床時(午前6時30分)の唾液中フッ素濃度を測定した結果,その平均値は覚醒時での実験の洗口30分後の値に近似していた.フッ素の口腔内停滞の部位特異性については,シーネの4か所に取り付けた寒天ホルダーに,一定濃度のフッ化ナトリウムを含む寒天を填入し,被験者の口腔にて一定時間唾液にさらした後,寒天中のフッ化ナトリウム濃度を測定した.その結果,half-time(元の寒天中フッ素濃度が1/2になる時間)は覚醒時,睡眠時ともに上顎前歯部唇面が最も長く,下顎前歯部舌側は短かった.
    本研究の結果以下の結論を得た.1.洗口後の唾液中フッ素濃度は唾液分泌速度に影響された.2.口腔にフッ素を長く停滞させるには就寝前に洗口することが望ましい.3.洗口後のフッ素濃度には部位特異性がみられ,上顎前歯部唇面はフッ素の停滞時間が長かった.
  • 紀田 晃生, 大須賀 直人, 岩崎 浩, 水島 秀元, 宮沢 裕夫
    2003 年 41 巻 4 号 p. 719-724
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    近年,B型,C型肝炎,MRSAをはじめとする感染症による院内感染が問題視されている.
    今回,著者らは診療室の入り口となる小児歯科待合室付近の環境検査を定期的に評価し,以下の結論を得た.
    1.一般用培地では夕方に2倍程度多くコロニーが認められた.また,患者数とコロニー数との比較において関係はみられなかった.
    2.一般用培地では遊技場エリアにコロニーが多く,エアコン吹き出し口に最も多く認められた.
    3.MRSA用培地では,朝より夕方にコロニーが多くみられ,エアコン吹き出し口に多くの偽陽性コロニーが認められた.
    4.偽陽性と判定したコロニーをスライドラテックス凝集反応による同定を行った結果では,すべてが陰性であった.
  • 中川 正治, 坂部 潤, 野中 俊也, 岩崎 真紀子, 坂部 留可, 本田 和也, 篠田 宏司, 中島 一郎, 赤坂 守人
    2003 年 41 巻 4 号 p. 725-730
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,歯科用小照射野エックス線CT画像上での下顎窩に対する下顎頭の垂直的位置の定量的な評価の信頼性を明らかにする目的で,コンピューター画面上での計測における測定者間の再現性を検討した.顎関節の撮影には,3DX Multi Image Micro CT®(3DX)を用いた.試料は,歯科放射線担当医により撮影された献体頭部の顎関節の3DX画像1画像とし,計測は10名の歯科医師により行われた.
    3DX画像上での計測では,測定者の視覚的判定により,三次元画像から献体のフランクフルト平面に垂直で,下顎頭の最突出点を含む断面画像を選択後,その断面画像上で,3DXソフトウェア付属の距離計測用ツールにて下顎頭の上関節面の最突出点に計測点を設定し,計測点から下顎窩骨縁までの垂直距離を計測した.これらを5回繰り返し行い,得られた計測値の測定者間での再現性を,一元配置分散分析にて検討した.その結果,計測値の測定者間における有意差は認められなかった.
    以上から,本研究における3DX画像上での計測は,測定者間の高い再現性を有することが明らかにされ,今後の小児期における顎関節の成長変化などの定量的な評価を行う上で,信頼性の高い評価方法であることが示唆された.
  • 青柳 陽子, 高見 澤豊, 守安 克也, 朝田 芳信
    2003 年 41 巻 4 号 p. 731-738
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児歯科臨床において,歯数の異常な症例に遭遇することは少なくない.また,歯数の異常が歯列,咬合に与える影響は大きい.今回,著者らは,上顎前歯部に4歯の過剰歯を認めた極めて稀な症例を経験した.
    患児は初診時年齢7歳3か月の男児で,主訴は萌出した歯の形態異常であった.初診時のエックス線写真診査により,上顎前歯部に1歯の萌出した過剰歯と3歯の埋伏過剰歯を認めた.また,エックス線診査により隣接する上顎中切歯の歯胚は,過剰歯の存在により低位に位置していた.7歳4か月時に局所麻酔下で4歯全ての過剰歯の摘出を行った.摘出した過剰歯2歯は歯根がほぼ完成した単錐型で,残りの2歯は歯根形成のみられない切歯型であった.
    過剰歯摘出後,上顎中切歯の萌出がみられないために8歳11か月時に開窓術を実施した.上顎中切歯萌出後,リンガルアーチによる上顎前歯部の排列を行った.その後ディスクレパンシーを伴う歯列異常がみられたため,上下顎両側第一小臼歯を順次抜去してマルチブラケット装置による咬合管理を行い,良好な永久歯咬合を獲得した.
  • 高森 一乗, 市川 智久, 鈴木 正二, 坂下 英明, 渡部 茂
    2003 年 41 巻 4 号 p. 739-744
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    局所麻酔薬は,歯科臨床で頻用され,比較的その安全性は高いとされている.今回,2種の局所麻酔薬にアレルギー反応が疑われた患児の歯科治療を経験しいくつかの知見を得た.
    症例は,4歳5か月の男児であり,アトピー性皮膚炎,気管支喘息を合併していた.某歯科医院で,オーラ注®Ctにて局所麻酔5時間後に眼瞼周囲の腫脹を生じ,シタネストーオクタプレシン®Ctにて,処置15分後に胸部の掻痒感を訴えた.皮内反応テストを行ったところ,両麻酔薬に陽性反応が認められたため,今後の歯科的対応を依頼され当科を受診した.薬剤リンパ球刺激試験においては,キシロカイン®Ctと静注用キシロカイン®とも陰性反応であった.皮内反応テストを行うに当たり,通常の判定に加え,血清学的な検索として,テスト前後の血中IgE,ヒスタミン濃度,好酸球数を比較検討することとした.静注用キシロカイン®での皮内反応テストの結果は,陰性であった.血清学的な検索においては,テスト前後の各項目に顕著な変化は見られなかったが,基準値より著しく高値を示し,その判定は困難であった.血清学的な検討を行っても判定が困難なことより,チャレンジテストを行い判定することとした.全身麻酔下にて,静注用キシロカイン®1.0ml併用し治療を行ったが,臨床的に異常は認められず,血清学的検索においては,各項目とも顕著な変化はみられなかったが,各項目は,基準値より高値を示した.静注用キシロカイン®にて陽性反応がみられなかったことより,従来から多く報告されている,防腐剤などの添加物によりアレルギー反応が惹起された可能性が示唆された.
  • 比嘉 和, 馬場 篤子, 小笠原 榮希, 一木 數由, 湯浅 賢治, 本川 渉
    2003 年 41 巻 4 号 p. 745-750
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    上顎洞粘液嚢胞は比較的まれであるといわれている.今回,当科において齲蝕処置および咬合誘導診査のために撮影したパノラマエックス線写真にて,偶然3例の上顎洞粘液貯留嚢胞に遭遇した.
    約1年間に3例に遭遇し,3例とも鼻疾患,外傷,アレルギー症状などの既往歴および自覚症状は認められず,すべて左側上顎洞底部に認められた.なお,1例については初診から約8か月後,経過観察中に撮影したエックス線写真にて上顎洞に不透過像が認められなかったことから消失したと思われた.
    本疾患は一般的に無症状とされているが,症状を有したという報告もある.自然消滅することもあり,無症状なものは積極的に治療する必要はないとされるが,増大し骨吸収像を認めたり,自覚症状を有する症例では手術適応となる場合もある.また,経過観察中に増大したという報告もあることから,エックス線検査による経過観察は必要と思われた.
  • 村山 高章, 小松 麻理, 村上 旬平, 秋山 茂久, 森崎 市治郎
    2003 年 41 巻 4 号 p. 751-755
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    13歳の女子に発症した猫ひっかき病の治療過程において,腫脹した右側顎下リンパ節から穿刺吸引した膿を検体としてPolymerase chain reaction法を用いてBartonella henselaeを検出し,確定診断を得ることができた.
  • 鬼頭 佳子, 吉田 良成, 坂井 志穂, 眞鍋 視里, 小野 俊朗, 土屋 友幸
    2003 年 41 巻 4 号 p. 756-765
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科では,口腔筋機能異常を有する患児への対応として,各患児個別の訓練計画を作成し,口腔筋機能療法(以下MFT)を行っている.今回,長期にわたる吸指癖および舌突出癖による開咬,さらに発音と咀嚼・嚥下障害を認める8歳4か月の女児に対してMFTを行い,良好な結果を得た.その過程において,以下の結論を得たので報告する.
    1.本症例にMFTを行うことにより,正常な口腔筋機能を習得するとともに,開咬の改善が認められ,機能が形態に大きく関与したことを裏付ける結果となった.
    2.定期的な口腔筋機能検査の結果について経時的な比較を行い,MFTの効果を客観的に評価することが不可欠であり,結果的に動機づけの一助ともなった.
  • 倉元 郁代, 岩崎 智憲, 山崎 要一
    2003 年 41 巻 4 号 p. 766-774
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本症例は初診時年齢7歳10か月の男子で,上顎右側中切歯の欠如と下顎切歯の叢生を認め,近医からの紹介状をもって当科を受診した.動的治療開始まで齲蝕予防を中心に経過観察を行ってきた.動的治療開始年齢15歳3か月で,上顎右側中切歯欠如による上顎歯列の正中の右偏,下顎歯列叢生,上下顎切歯の唇側傾斜を伴う片側性AngleII級,骨格性I級のローアングルを呈していた.上顎左側第一小臼歯と下顎両側第一小臼歯の抜去後,プリアジャステットエッジワイズ装置の1つであるSPEED applianceを用いて動的治療を行った.
    この症例で目標とした特異な前歯部排列〓〓〓は,
    1.上顎右側側切歯を中切歯欠如部に移動させて歯冠の形態修正および歯根の平行化,
    2.上顎右側犬歯を側切歯部に移動させて形態修正しパラタル・ルート・トルクの付与,
    3.上顎右側第一小臼歯を犬歯部に移動させてバッカル・ルート・トルクの付与,が必要であった.そのため,ブラケットにて歯の位置や傾斜の細かな調整を行うとともに,上顎右側中切歯部に排列された側切歯の歯肉切除も行った.
    3年1か月の動的治療の結果,適切なoverbiteとoverjet,大臼歯のI級関係が獲得された.咬合様式はグループファンクションで,1年後の現在も安定した咬合状態が維持されている.
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