小児歯科学雑誌
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20 巻 , 3 号
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  • 八幡 ちか子, 畠山 節子, 武田 泰典
    1982 年 20 巻 3 号 p. 379-385
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    過去11年6ヵ月間に当講座で病理組織検査のなされた小児(15歳以下)の口腔領域の腫瘍性病変69例について臨床病理学的に検討を加え以下の如き結果を得た.(1)腫瘍性病変は全小児例の1/3ちかくを占めていた.(2)腫瘍性病変のほとんどは良性腫瘍であり,悪性腫瘍はわずか5.8%であった.(3)軟組織の腫瘍性病変は舌,歯肉,口唇に好発してみられ,組織型では管腫が最も多かった.(4)顎骨の腫瘍性病変の41例中34例(82.9%)は歯原性のものであり,下顎に上顎の約2倍の頻度で多くみられ,組織型では歯牙腫,エナメル上皮腫,歯原性線維腫が多かった.(5)悪性腫瘍は4例であり,うち3例が非上皮性であった.以上の結果について諸家の報告と対比しながら考察を加えたが,歯原性腫瘍の頻度に大きな差がみられ,地理病理学的要因が考えられた.
  • 森主 宜延, 石窪 浩三, 井上 昌一
    1982 年 20 巻 3 号 p. 386-395
    発行日: 1982年
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    無歯科医離島の歯科医療は, 需要と供給のアンバランスから, 一時的に組織された歯科診療団による救急医療にとどまっているのが現状である.しかし,救急処置に追われる対策では,本質的に歯科治療需要も減少させることはできず,究極の目的である治療を必要としない健全な口腔を作り上げることなど,とても不可能である.
    本研究は,離島においてより早く健全な口腔を作り上げるための保健指導の導入と,その結果必要とされる健康管理体系を効果的に確立する方策を追求することを目的とした.
    鹿児島県下三島村の幼児・学童から得た口腔の有病状況ならびに成人と共に得た歯科保健行動調査,そして三島村の文化的背景について評価した.その結果,齲蝕有病状況,歯科保健状況において,各島間で大きな差がみられるとともに,その差が文化的背景,主に交通,通信と強く関係していることが示された.
    更に結果として,離島であるからといって一様の歯科医療対策は不合理であり,歯科保健指導の導入法も各島間に最も適切な手段が必要であることが示された.
  • 森主 宜延, 松野 俊夫, 深田 英朗, 井上 昌一
    1982 年 20 巻 3 号 p. 396-401
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯齲蝕の予防には,乳幼児期に,母親を中心とした家庭へ,保育という観点から,強い動機づけをともなった歯科保健行動を導入させ定着させることが必要である.そのためには,数度にわたる指導が不可欠である.歯科保健指導の実施にあったては,妊婦教室,乳児教室,1歳6ヵ月健診,3歳児検診と連続的に組み立てられた既存の体系を利用することが最も現実的であろう.今回著者は,実際の乳児検診に参加しえた機会に,乳児検診の中へ歯科保健指導をいかに組み入れるべきか,それによってどのような効果をあげられうるかを検討した.1978年度,東京都杉並区西保健所において4ヵ月児を対象とした乳児検診に歯科保健指導を組み入れ,その後も1ヵ月から3ヵ月間隔で反復継続し,1歳6カ月健診時に,歯科保健指導を受けた回数別に,齲蝕罹患状況および歯科保健状況について比較検討し,次のような結論をえた.1)乳児検診時1回のみの指導では,充分な指導効果は得られない.3回以上の指導の継続が,有効な歯科保健指導には必要であることが示された.歯科保健行動のうち,食生活関係の頃目において,指導による改善の傾向が認められた.2)1歳6ヵ月時点における齲蝕罹患者群は総体的に歯科保健状況は悪い傾向を示し,とくに間食時の含糖食品摂取状況は,無齲蝕者群に比べて有意の差をもって劣っていた.3)乳児検診からの指導を継続しても,1歳6ヵ月時点までに指しゃぶりを脱習慣化させうる効果はなかった.
  • 井上 直彦, 伊藤 学而, 亀谷 哲也
    1982 年 20 巻 3 号 p. 402-410
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らによる従来の古人骨調査においては,乳歯齲蝕は全くみられなかった.これは,小児骨を観察する機会が少なかったこと,および,実際に乳歯齲蝕が時代によっては全くなかったか,あっても非常に稀であったことによるものであろうと思われる.
    最近,後・晩期縄文時代3体,弥生時代17体,古墳時代1体,合計21体という,この種の資料としてはかなりまとまった数の小児頭蓋骨標本を観察する機会を得た.ここでは,これらについて,不正咬合と不正要因の頻度,齲蝕,とくに今回の調査ではじめて見られた乳歯齲蝕の分布,頭部X線規格写真の分析による顎顔面形態の特徴,および歯と顎骨の不調和などについて報告した.
    結果として,弥生時代の小児においては,同じ時代の成人と共通して反対咬合の頻度が高く,また,骨格型の不正要因も多くみられた.乳歯齲蝕の存在が確認されたが,有病者率,齲蝕率,1人平均齲歯数などは現代人小児と比較してかなり低いものであった.顎顔面形態には,すでに混合歯咬合期の段階で直顎型の傾向が強く現われ,これが,とくに下顎骨の発達によるものであることが知られた.歯と顎骨の不調和は大きくはなかった.
    これらのことから,弥生時代人が,先住民とはかなり異なる形質をもっていたこと,この時代がきわめて高い口腔内環境汚染の時代であったこと,歯と顎骨の不調和の影響はまだあまり大きくなかったこと,などが推論された.
  • 鍋田 和孝, 佐久間 立明, 河田 典雄, 河合 良明, 中村 博司, 犬塚 勝昭, 渡部 洋三, 鶯塚 英雄, 黒田 純, 桑原 未代子, ...
    1982 年 20 巻 3 号 p. 411-418
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯列から永久歯列へ咬合が発育する過程で,第1大臼歯咬合関係がどのように推移し成立してゆくかを, 39個体の3ヵ月間隔で採取した連続咬合模型を用いHellmanのdental age II A~III Cまで経年的に観察を行い,以下の結果が得られた.
    1.II A期のterminal planeがmesial step typeのもののうち,III C期の第1大臼歯咬合関係は,61.1%がclass Iに,23.5%がclass IIに移行した.
    2.Mesial step typeのもののうち,class IIに移行したものは,II C期にterminalplaneの変化がみられた.
    3.II A期にvertical plane typeのもので,IIC期あるいはIIIB前期にmesial step typeに変化したものはclass Iに移行し,distal step typeに変化したものはclass IIに移行した.
    4.Vertical plane typeに変化なく,III C期の第1大臼歯咬合関係がclass Iおよびclass IIに移行したもの両者においては,第1大臼歯咬合関係に違いがみられた.
    5.II A期にdistal step typeのものは,すべての例がclass IIに移行し,そのterminalplaneに変化がみられなかった.
  • 堀田 大介, 松村 祐, 加藤 正憲, 黒須 一夫
    1982 年 20 巻 3 号 p. 419-425
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    グラスアイオノマーセメント(Fuji Ionomer Type-II)の乳歯歯髄への影響について幼犬11頭の乳歯54歯を用い,窩洞形成を行ない本セメントを填塞した.幼犬は3日から4週の各期間飼育し,薬殺した.試料は通法に従いセロイジン切片を作製,H・E染色後検鏡した.経過日数および窩底最薄厚径と病理組織所見との関係について検索し,次の様な結果を得た.
    病理成績は,良好29例,概良18例,不良5例であり,不良例は窩底象牙質厚径180μ以下の薄い症例のみであった.経日的には,術後4週になっても炎症性反応が依然認められ,術後象牙質の形成は,術後2週と4週にみられたが15%と少なかった.露髄した2例の病理成績は,共に不良で歯髄反応は強く,壊死が認められた.
    本セメントは,カルボキシレートセメントに比べて歯髄に対する刺激性を多少有していると思われた.
  • 関口 基, 青森 継充, 小沢 光浩, 及川 清
    1982 年 20 巻 3 号 p. 426-432
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    日常の臨床において,幼児期に高度の歯周疾患に遭遇することは非常に稀である.著者らは,下顎前歯部の動揺を主訴として来院した男児で高度な歯周疾患を有した一症例を経験し次のような所見を得た.
    1.一般所見:患児は脳性小児麻痺児で,脊柱後彎,内反足,内反膝を示し,下肢の強直性関節が顕著であり,筋緊張も強く歩行困難であった.手掌部の皮膚,爪は正常であった.
    2.X線所見:化骨には遅れを認めたが長管骨骨幹および骨端の石灰化には異常はなかった.口腔内X線所見では,全歯にわたり歯槽骨の水平的骨吸収を示し,歯根膜腔の拡大を認めた.
    3.血液生化学的所見:アルカリフォスファターゼ値は正常であったが,白血球数およびGOT, GPT, IgA, IgM, IgGは高く肝機能障害が疑われた.
    4.抜去歯所見:歯冠長は平均値内であったが,歯根長は極度に短小であった.
  • 高林 周平, 及川 清
    1982 年 20 巻 3 号 p. 433-441
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    第1・第2鰓弓性症候群に属するTreacher Collins 症候群は,顔面領域に先天奇形を有する,極めて稀な疾患である.病因はいまだに明らかにされていないが,遺伝的要因が重視されており,常染色体優性遺伝として記載されている.
    今回,われわれは小児歯科外来において,Treacher Collins 症候群と診断された7歳の女児について報告する.家族的な検索から,患児の姉,母,母方祖父の三代にわたって本症候群が認められた.興味ある臨床的所見,および歯科的所見について報告する.
    患児は,本症候群の特徴をすべて備えており,Franceschettiらの分類による完全型であった.患児の姉,母にもほとんどの特徴が認められ,患児と同様,完全型と思われる.母方祖父は不完全型であった.口腔内所見として,下顎角の拡大,歯列不正,巨口症などが,患児,母,祖父にみられた.本報告例は,世代の経過とともに臨床的症状が増悪しており,明らかに,常染色体優性遺伝の形式を示した.
  • 盛島 美智子, 逢坂 亘彦, 時田 幸子, 辻川 裕久, 羽切 恵美子, 宮本 雄一, 五嶋 秀男
    1982 年 20 巻 3 号 p. 442-450
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    過剰歯に関する多くの報告がなされているが,過剰歯発生の成因に関しては今日まだ明らかにされていない.過剰歯の好発部位は上顎前歯部が第1位で,全過剰歯例の50~90%に相当している.その発現率は0.3~5%と言われているが,6~8歳に最も多く出現し,萌出する場合よりも,埋伏している場合の方が多く,大部分は1歯である.限局して2歯以上を有する例は稀である.
    今回,著者らは,9歳1ヵ月の男児の上顎前歯部に4歯もの過剰歯が限局して現われた極めて稀な症例に遭遇した.家族歴その他に多数の過剰歯発現と関連すると思われる特記事項はなかった.過剰歯と現在歯の関係は, 〓( S : 萌出過剰歯,S´:埋伏過剰歯)であった.1 1は未萌出で過剰歯が萌出遅延の原因となっていると思われたので摘出した.過剰歯の出現部位は,正中部に1歯(S´3),右側舌側口蓋に2歯(S´1,S´2),左側舌側口蓋に1歯(S)であった.1歯(S)は萌出し,3歯は埋伏しその埋伏状態は順生(S´1),逆生(S´3),水平(S´2)各1歯であった.歯冠形態は3錐型(S´2とS´3),4錐型(S),5錐型(S´1)であった.歯根は全て単根で1歯(S´1)の他は完成していた.また,1歯(S´3)に彎曲が見られ,これは正中歯であった.
    術後,50日で1 1の萌出が見られたが,正中離開,隣在歯の位置不正,1の舌側傾斜,捻転を伴っていた.
  • 富田 聡, 竹内 千恵, 高野 文夫
    1982 年 20 巻 3 号 p. 451-457
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    低位乳歯が同一個体に発現する歯数は,1~2歯程度の場合が多く,多数歯に出現することは比較的稀である.
    今回,上下顎左右側の第一,第二乳臼歯8歯すべてが低位乳歯となった小児に対して,乳歯冠といわゆるoverlay dentureを用いて咀嚼機能回復のための治療を行い,その経過について報告した.
    初診時の咬合発育は歯齢IICで,乳歯はすべて咬合せず,咀嚼機能障害をきたしていた.低位乳歯は,第一大臼歯および永久歯の萌出により一層顕著となり,臼歯部開咬による著しい咀嚼機能障害をきたした.これに対し,乳臼歯に乳歯冠による歯質保護を行った後に,上下顎にoverlay dentureを装着し,咀嚼機能の改善をはかった.
    初診時および2年5ヵ月経過時の頭部X線規格写真のトレース重ね合わせにより,上下顎の第一大臼歯は萌出によって垂直方向の高さを増したが,乳臼歯の位置はほとんど変化せず,骨性癒着をきたした乳歯が隣在歯の萌出と歯周組織の成長によって相対的に低位となることを実証し得たものと考えられる.
  • 関口 基, 富田 摩美子, 高文 野夫
    1982 年 20 巻 3 号 p. 458-471
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    amelogensis imperfecta は,遺伝因子によってエナメル質の形成が原発的に障害される疾患である.その遺伝形式に関しては,常染色体性優性および劣性,伴性優性および劣性のすべての形式のものが報告されており,また,それに伴って,表現型としてのエナメル質形成不全も種々の様相を呈することが知られている.
    今回,鶴見大学歯学部附属病院小児歯科を訪れた患児で,amelogenesis imperfectaと診断した, 同胞男児2 名および女児1 名の二症例について治療を行ない, その遺伝的背景および臨床所見,ならびに形成不全歯の組織学的所見について,以下のような知見を得た.
    1.エナメル質の形成障害は,両例とも,乳歯ならびに既萌出永久歯の全てにわたって出現した.
    2.遺伝形式は,症例1では常染色体性優性と考えられたが,症例2では,両親が近親婚であること以外には詳細は不明で,遺伝形式を確定することはできなかった.
    3.臨床所見および組織学的所見は,症例1では成熟不全型,症例2では形成不全型のそれに類似する点が多かった.
    4.本症では,その表現型が種々な様相を呈するため,それぞれの患児の症状や咬合発育段階に応じて,また身体的,精神的発達に即して,適切な治療を行なうことが重要であると考えられた.
  • 藤田 日出男, 大森 郁朗
    1982 年 20 巻 3 号 p. 472-478
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    癒合歯に関する症例報告は数多くみられるが,上顎正中部の癒合歯の報告は非常に少ない.著者らは鶴見大学歯学部付属病院小児歯科を訪れた5歳3ヵ月の女児にみられた,乳歯およびその後継永久歯の上顎正中癒合歯の一例について臨床的および組織学的観察を行い,さらにそれについての発生学的考察を加えた.
    今回遭遇した上顎正中癒合歯は肉眼的観察より,乳歯,永久歯ともに癒合部の痕跡を思わせる所見は得られず,近遠心の判別しない1本の正常歯のように思われた.
    また,組織学的観察においても,乳歯,永久歯ともに癒合歯を思わせる所見は得られず,乳歯において,歯髄腔天蓋部に咬耗によると思われる著明な第二象牙質の形成がみられる他は,特に異常は認められなかった.
    発生学的にみて,上顎突起の圧迫による2個の歯胚の癒合により生じたと考えることもでぎるが,発生の初期から1個の歯胚形成によるものという考え方も示唆された.鼻疾患との関連も発生学的に示唆された.
    臨床的な問題として,審美性の改善にも大きな関心を払う必要があり,現在そのような考えに基づき咬合調整を行っている.
  • 落合 伸行, 平川 昌子, 楽木 正実, 堤 脩郎, 祖父江 鎮雄
    1982 年 20 巻 3 号 p. 479-488
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    モリブデンは,多くの疫学的研究や動物実験の結果,抗齲蝕効果を有すると考えられている.そこで我々は, フッ素とモリブデンの両者を含有する新しいフッ化物(NH4)2MoO2F4を開発した.本薬剤の齲蝕抑制効果は,ラット実験齲蝕系を用いて明らかにしてきたが, 歯質に及ぼす影響がいかなる要因によるのかは, 不明である.今回は, (NH4)2MoO2F4の健全エナメル質に及ぼす影響を耐酸性の変化と人工白斑形成の抑制の両面から,フッ素とモリブデン濃度およびpHが同一のNH4Fと(NH4)6Mo7O24・4H2Oとを用いて比較検討した.その結果,(NH4)2MoO2F4,NH4Fおよび(NH4)6Mo7O24・4H2Oのすべてに耐酸性の向上作用と人工白斑形成の抑制作用が認められ, 中でも(NH4)2MoO2F4の作用が最も著明であった.以上の結果より,モリブデンにも耐酸性の向上作用および人工白斑形成の抑制作用のある事が判明し,(NH4)2MoO2F4の歯質に及ぼす影響はフッ素のみならずモリブデンも関与していることが示唆された.
  • 白川 美穂子, 岡本 潤子, 笹野 雪子, 西尾 明子, 三浦 一生, 長坂 信夫
    1982 年 20 巻 3 号 p. 489-498
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    心身障害児の食生活の実態を把握する目的で,定期検査のため来院した患児,80名(5~12歳,平均年齢9歳1ヵ月)について,連続3日間の食物摂取調査を行なった.一日平均エネルギーおよび各種栄養素の摂取量を年齢基準,体重基準によって検討すると同時に,アンケートより得た調査項目別に栄養摂取量と口腔内状態を調べた.
    全体的には,平均栄養摂取量,バランスともに特に異なった傾向はみられず,障害別でも年齢基準,体重基準ともにさしたる違いは認められなかった.摂食方法,手指の運動機能,食形態別に栄養摂取量をみると,全介助,不自由,やわらかめと答えた群で,タンパク質・カルシウム・ビタミンB2においてやや高い値を示した.食欲の有無,食物の好き嫌い別に栄養摂取量をみると,量,バランスともに大きな差は認められなかった.口腔内状態別に栄養摂取量をみると,悪いものにおいて糖質がわずかに高くなっていた.調査内容別に口腔内状態をみると,摂食方法は全介助,手指の運動機能は不自由,食形態はやわらかめのものを取っている,いわゆる重度と思われる障害児に,齲蝕罹患歯数,発生本数ともに低く,齲蝕活動性試験(カリオスタット)の結果もやや良いという結果が得られた.ショ糖の摂取量は,一日平均約20gであり,障害別に差は認められなかった.
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