1, 3, 6, 9, 12, 15-ヘキサオキサシクロヘプタデカン (17-CF-6) の三フッ化ホウ素工一テル錯体 (BF
3OEt
2) によるカチオン重合を行い, 反応生成物中の環状オリゴマーの平衡濃度を測定することにより, この重合挙動に熱力学的な検討を加えた. 重合に伴うエンタルビー変化およびエントロピー変化は, モノマーでΔ
Hp=-2.6kcal/mol, Δ
Sp0= -2.1 cal/K・mol, ダイマー, トリマー テトラマーおよびベンクマーではΔ
Hp=0 となり, エントロピー変化はそれぞれΔ
Sp0=9.0, 10.7, 12.1, 13.1 cal/K・molであった. これよりモノマーではΔ
Hpにより, 又, ダイマー以上の環についてはΔ
Sp0により重合性が支配されると結論できる. モル環化平衡定数
Kxの対数を環状オリゴマーのモノマー単位数
xの対数に対してプロットすると, その傾きはトリマー以上でほぼ-2.5 となり, Jacobson-Stockmayerの理論と一致した.
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