繊維強化複合材料の射出成形物において, 充てん繊維の長さの分布状態は正規分布に近い分布をもつことがわかった. そこで, 充てん繊維の長さの分布を正規分布と考え, 3
σ (標準偏差) ≅
L (平均長) とすると, 山木が提出した引張り強度の式は, 樹脂/充てん剤間密着度を評価するパラメーターφと, 平均アスペクト比
xの一次関数となることがわかった. この式を用い, 処理剤により樹脂/充てん剤間の密着度の異なるPC/GF系材料, PP/GF系材料の実測値φを評価した. 同時に完全密着を仮定したH. L. Coxの引張り強度の式を用いてφ
0を求あ, (φ/φ
0) を計算した. これから, 密着度に対する処理剤効果の定量的な把掘や, 密着度が完全な場合と比較したとき, 密着度がどの程度なのかを定量的に把握するための見通しが得られた.
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