微生物では, 難分解性であるポリアミド (ナイロン) に着目し, 酒石酸及び粘液酸とヘキサメチレンジアミンとの溶液重縮合により, 側鎖に水酸基を導入し, ポリアミドを合成し, このポリアミドを唯一の炭素源として, 集積培養を行い, 土壌よりポリアミド資化性細菌9-4株を分離した, この菌株を用い, ナイロン1, ナイロン3, ナイロン6, ナイロン66, 及びポリアミドの生分解性の比較を行った結果, 水酸基を導入したポリアミドは, ナイロン類に比べ, より分解されることが認められた. また, この菌株が水溶性高分子であるポリ (エチレンオキシド), ポリ (ビニルアルコール) をも分解することが認められた. これらの合成高分子を用いて, 生分解性における合成高分子の分子量依存性を, また各々の合成高分子の平衡吸湿量を測定し, 親水性と生分解性との関係について検討した, 吸湿性の多いポリ (エチレンオキシド) は, ポリアミド及びポリ (ビニルアルコール) よりも分解を受けやすかった. 分離した細菌94株の菌学的性質を調べた結果, この細菌が, coryneform baeteriaに属することを認めた.
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