ポリ (エチレンテレフタラート) の重要な原料であるビス (2-ヒドロキシエチル) =テレフタラート (HOC
2H
4O
2C-C
6H
4-CO
2C
2H
4OH) を二三の有機溶媒中でテレフタル酸とエチレンオキシドから合成する反応をアルキルもしくはフェニルボスフィン, アルシン, スチビン (R
3X, X=P, As, Sb) の存在下に行い, これらの化合物の触媒作用について検討した. 反応中間体の単離および速度論的検討からボスフィン, アルシンではテレフタル酸, エチレンオキシドおよびR
3Xから成る三元錯体形成を経て生成するカルボン酸第四級塩 (R′COO (-) X⊕ (R
3) C
2H
4OH) が触媒となり, テレフタル酸のエステル化が起こっている. 一方, トリフェニルスチビンではカルボン酸第四級塩の生成は起こらず, エステル化反応も観測されなかった. テレフタル酸のエステル化速度は次の順に低下することを明らかにした. (
n-C
4H
9)
3P> (C
6H
5)
3P>> (C
6H
5)
3As>> (
n-C
4H
9)
3Sb, (C
6H
5)
3Sb.
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