ポリ-
D,
L-乳酸(PDLLA)の機械特性を改善するために,ブレンド化と共重合化の効果を比較検討した.PDLLA を主成分として柔軟な物性を有する ε-カプロラクトン(CL)またはトリメチレンカーボネート(TMC)を含む
L-ラクチド共重合体を用いてブレンドを生成し,GPC,
1H NMR, TEM, DSC, DMA と引張試験により検討を行った.その結果,非相溶系ブレンドの PDLLA/LLA-CL と PDLLA/LLA-TMC が得られた.柔軟な成分が均一に系に分散しているラクチド共重合体と,不均一に分散しているブレンドの機械特性を同じ CL または TMC コモノマー濃度で比較すると,前者の共重合体ではほとんど機械特性の向上が見られなかったが,後者のブレンドでは CL または TMC 濃度が系全体の 4 モル%ぐらいの低濃度であっても格段に機械特性(破断伸度,衝撃強さ)が向上し,形状保持性も示すことが明らかになった.
抄録全体を表示