日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
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41 巻, 4 号
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巻頭言
症例報告
  • 流郷 昌裕, 泉谷 裕則, 八杉 巧, 長嶋 光樹, 岡村 達, 鹿田 文昭
    2012 年 41 巻 4 号 p. 161-164
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性.2006年5月に遠位弓部大動脈瘤に対し,胸骨正中アプローチにて,Branched Open Stentgraft(BOS)法による人工血管置換術を施行した.その後,2009年1月にステントグラフト末梢側のType IエンドリークにてTEVARを施行した.さらに同年11月にステントグラフト接合部のType IIIエンドリークに対して再度TEVARを施行した.2011年5月,突然の背部痛が出現し来院した.CTにてステントグラフト末梢側のType Iエンドリークと判明し,また瘤径が10 cmと著明に拡大していた.切迫破裂の診断にて,再度TEVARを行うことを考慮したが,ステントグラフトの向きから技術的に困難と考え,TEVARは断念し,開胸手術を選択した.全身麻酔下,右側臥位にて,部分体外循環下に瘤壁を切開し,ステントグラフトの一部を残してこれに新たな人工血管(Gelweave)を端々吻合した.末梢側は自己の大動脈と吻合した.術後経過は良好で,術後11日目に独歩退院した.
  • 大倉 一宏, 椎谷 紀彦, 山下 克司, 鷲山 直己, 鈴木 正人, 高橋 大輔, 山中 憲
    2012 年 41 巻 4 号 p. 165-168
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,女性.夜間に胸痛を自覚し,翌朝近医を受診した.急性心筋梗塞を疑われ前医へ救急搬送された直後より急速な呼吸状態の悪化を来たし,人工呼吸器管理となった.緊急冠動脈造影にて第一対角枝の完全閉塞,左室造影にてSellersIV度の僧帽弁逆流,および経食道心エコーにて前外側乳頭筋断裂を認めた.急性心筋梗塞後の前外側乳頭筋断裂と診断され,手術目的に当院へ搬送された.多量のカテコラミン投与およびIABP補助下に血圧40~50 mmHgとショック状態であったため,ただちに手術室へ搬入し,緊急僧帽弁置換術を施行した.第2病日にIABPより離脱し,経過良好で第19病日独歩にて前医へ転院となった.急性心筋梗塞後の乳頭筋断裂は致命的な合併症である.本症例のように対角枝病変のみの心筋梗塞後にも発症する場合があり,それを念頭に置いた診療と迅速な対応が重要である.
  • 黒田 吉則, 内野 英明, 内田 徹郎, 山下 淳, 島貫 隆夫
    2012 年 41 巻 4 号 p. 169-172
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    29歳の男性.大動脈弁置換術後に胸骨下膿瘍形成の既往があり,今回,発熱と胸痛を主訴に当院を受診した.CTを施行し,感染に伴う上行大動脈仮性瘤の診断で,緊急手術となった.仮性瘤破裂時の出血に備え左大腿動脈よりニプロオクルージョンカテーテル®(ニプロ(株),大阪)を留置し,右大腿静脈から陰圧吸引補助脱血,右大腿動脈および右腋窩動脈送血で体外循環を開始し全身冷却のうえ,胸骨正中切開を施行した.癒着剥離時に仮性瘤が破裂し,オクルージョンカテーテルを上行大動脈で拡張し止血,全身冷却をすすめ心室細動で循環停止とし選択的脳還流を開始した.前回手術時の送血部に破裂孔を認め,上行置換術を施行し大網充填を追加した.オクルージョンカテーテルと陰圧吸引補助脱血法を使用し,短い体循環停止で手術を施行することができたので報告する.
  • 田口 眞一
    2012 年 41 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は69歳,男性.心臓手術,腹部手術の既往を有する.2008年12月に転倒して脳挫傷を受傷した.他院に入院中の2009年2月に胸部下行大動脈からの出血と診断され,当院に転院した.膿瘍形成を伴う感染性遠位胸部下行大動脈瘤破裂と診断し,in situ人工血管置換術を行った.人工血管には左広背筋を有茎筋弁として密着して巻き,感染対策とした.術後は広背筋剥離部の感染が遷延し,最終的には救命できなかった.しかし,左広背筋を巻くといった工夫を凝らすことにより,約8カ月間のADLが保たれた入院生活を送ることができた.
  • 馬場 俊雄, 森下 清文, 大堀 俊介, 氏平 功祐
    2012 年 41 巻 4 号 p. 178-181
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    内腸骨動脈瘤に対しては症例によってコイル塞栓術もしくは瘤空置術が施行される.今回われわれは内腸骨動脈瘤コイル塞栓術および空置術後に瘤が破裂した症例を経験したので報告する.症例は80歳,男性.2007年9月に右内腸骨動脈瘤(最大径7 cm)に対して,瘤に流入している臀動脈にコイル塞栓術を施行した.その8日後に開腹術にて右内腸骨動脈瘤空置術および腹部大動脈-右外腸骨動脈人工血管置換術を施行した.術後順調に回復し,外来通院となっていた.1年後の2008年のfollow-up造影CT上,右内腸骨動脈空置瘤に血流を認めず,瘤拡大もなかった.以後は他院に通院していた.2010年10月に突然の強い腹痛を主訴に救急外来を受診,右内腸骨動脈瘤破裂の診断にて,緊急手術となった.手術は瘤切除,右臀動脈閉鎖術を施行し,良好な結果を得た.内腸骨動脈瘤に対しては術野が深いために瘤空置術もしくはコイル塞栓術を施行する術式もあるが,本症例のように空置瘤が拡大し破裂する可能性もあるため,定期的な経過観察が必要であると考えられた.
  • 岡野 高久, 藤原 克次, 夜久 均
    2012 年 41 巻 4 号 p. 182-184
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    乳頭状線維弾性腫は良性の稀な原発性心臓腫瘍であり,発生部位は弁組織由来のものが大部分を占め,左室内由来のものは少ない.症例は71歳,男性.心エコー検査で左室心尖部の仮性腱索に付着する6×8 mmの可動性に富む腫瘍が指摘された.塞栓症の予防目的にヘパリン持続投与を開始し,準緊急に同腫瘍摘出術を施行した.手術は上行大動脈送血,右房脱血で人工心肺を確立し心停止下に左室切開アプローチで行った.切開部直下に仮性腱索に付着する可動性に富んだ短い有茎性の脆弱なゼリー状で径7 mmの腫瘍を認めた.脆弱な腫瘍に直接触れないように仮性腱索を含めて摘出した.摘出した腫瘍は生理食塩水の中でイソギンチャク様の特徴的な形態を示した.病理組織学的に乳頭状線維弾性腫と診断された.術後経過は良好で術後12病日に軽快退院となった.
  • 鈴木 伸章, 小山 忠明, 細山 勝寛, 中原 嘉則, 月岡 祐介, 宮崎 卓也, 古畑 謙, 岩倉 具宏, 金村 賦之, 吉田 成彦
    2012 年 41 巻 4 号 p. 185-187
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は84歳女性.4年前に大動脈弁閉鎖不全症および右冠動脈瘤に対し,ステントレス生体弁(Freestyle 23 mm)を用いて大動脈基部置換術と冠動脈バイパス(大動脈-大伏在静脈-右冠動脈)を施行された.今回,呼吸苦を主訴に来院し,経胸壁エコーにて大動脈弁閉鎖不全およびバルサルバ洞の解離と拡大を認めた.ステントレス弁を摘出し生体弁付き人工血管を用いてベントール手術を施行した.ステントレス生体弁は大動脈壁内膜に亀裂が入り,そこをエントリーとした解離性の瘤が認められた.
  • 佐々木 智康, 小西 隼人, 本橋 宜和, 打田 裕明, 垣田 真里, 禹 英喜, 神吉 佐智子, 大門 雅広, 小澤 英樹, 勝間田 敬弘
    2012 年 41 巻 4 号 p. 188-190
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    Inclusion法による大動脈基部置換術では,composite valve graftの術後吻合部離開による仮性動脈瘤を比較的高率に認めることがしられている.その多くは術後早期から中期の発生であるが,術後遠隔期の発生の報告も散見される.今回,Bentall術原法,Cabrol術原法の術後遠隔期に,繰り返す仮性動脈瘤を認めた2例を経験した.(症例1)62歳,男性.Bentall術原法施行後22年目に,右冠動脈口吻合部および末梢側大動脈吻合部離開による仮性動脈瘤に対し修復術を施行された.その術中,左冠動脈口吻合部は良好に治癒していたが,その2年後(初回手術後24年目),左冠動脈口吻合部離開による仮性動脈瘤を認めた.(症例2)61歳,男性,Marfan症候群.Cabrol術原法施行後2年目および16年目に左冠動脈口吻合部および大動脈弁輪部吻合部離開による仮性動脈瘤に対し修復術を施行された既往がある.その7年後(初回手術後23年目),末梢側大動脈吻合部離開による仮性動脈瘤を認めた.いずれの症例も修復術を施行し,術後経過は順調であった.現在,外来経過観察中であるが,仮性動脈瘤の再発は認めていない.
  • 眞岸 克明, 和泉 裕一, 清水 紀之
    2012 年 41 巻 4 号 p. 191-194
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は64歳女性,胸部絞扼感を主訴に近医を受診,心電図上,心房細動でV1-4 に陰性T波,収縮期血圧が80 mmHgで急性冠症候群を疑われ当院へ救急搬送された.来院時の心エコーで右室流出路に腫瘤を認めた.既往歴は,45歳時に子宮平滑筋肉腫,55歳時に大腸平滑筋肉腫(転移性)で切除術を受けていた.CTでは,右室流出路に41×34 mm大,内部に造影効果を伴う腫瘤影を認めた.経胸壁エコー検査では,右室流出路に可動性の腫瘤像を認め,収縮期には肺動脈弁を超えていた.冠動脈造影では右冠動脈から腫瘍への栄養血管を認めた.以上から右室悪性腫瘍の診断で転移性平滑筋肉腫を疑った.手術は体外循環下に右室流出路を切開し腫瘍を切除した.腫瘍は広基性で正常組織との境界が不明瞭であり,可及的に腫瘍を切除した.腫瘍の病理組織診断では,平滑筋肉腫で転移性として矛盾はないとの診断であった.後療法を行わずに,現在経過観察中である.
  • 岡田 達治, 中井 真尚, 島本 光臣, 山崎 文郎, 三浦 友二郎, 糸永 竜也, 野村 亮太, 寺井 恭彦, 宮野 雄太, 村田 由祐
    2012 年 41 巻 4 号 p. 195-199
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    弓部大動脈瘤の肺動脈への穿破は稀であるが重篤である.今回われわれは本疾患に対して全弓部人工血管置換術を施行し救命し得たので文献的考察を加えて報告する.症例は74歳男性,主訴は呼吸困難であった.当院搬送の前日より急に呼吸困難を自覚し他院を受診,翌日再診の際に低酸素血症を認め,CTにて胸部大動脈瘤が指摘されたため,精査加療の目的で当科に搬送となった.来院時血圧103/32 mmHg,収縮期雑音を聴取し,Base Excess-16 mmol/l,Swan-Ganz catheterでは心拍出量1.3 l/min/m2,肺動脈圧49/23 mmHgと高度の非代償性鬱血性心不全,低心拍出量症候群を認め,ただちに強心剤とcarperitideの投与を開始した.前医でのCTで大動脈弓部小彎側に突出した瘤と,左肺動脈の圧排を認めた.血行動態の改善後に測定した肺体動脈血流比が3.2であり,弓部大動脈瘤の肺動脈への穿破と診断,手術の方針とした.執刀前の経食道超音波検査で大動脈瘤から左肺動脈へのシャント血流が確認された.手術は胸骨正中切開で,超低体温,選択的脳分離灌流を用いた全弓部人工血管置換術と左肺動脈パッチ形成術を行った.冷却中,心室細動後に主肺動脈を切開し破裂孔を確認,用指的に血流をコントロールして肺を保護した.術後の経過は良好であった.
  • 平田 雄一郎, 福永 周司, 小須賀 智一, 税所 宏幸, 和田 久美子, 森 龍祐, 明石 英俊, 青柳 成明
    2012 年 41 巻 4 号 p. 200-203
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は61歳男性で,57歳時から慢性腎不全に対して透析を導入され,59歳時に大動脈弁輪拡張症に対して大動脈基部置換術を施行された.61歳時に発熱,胸部違和感を認め精査を行われた.造影CTにて大動脈基部周囲に仮性瘤,膿瘍の形成を認め感染性心内膜炎と診断された.この症例に対し,感染巣の十分なdebridementを行ったのち,健常な左室心筋に馬心膜ロールを縫着し左室流出路を再建した後,Freestyle弁を心膜ロールの末梢に吻合し大動脈基部再置換術を行った.術後14カ月を経過しているが感染の再燃や縫合部の異常を認めず経過している.本法は良好な視野で健常な左室心筋に心膜ロールを縫合でき,その心膜ロールに確実に人工弁を縫着することが可能である.また膿瘍腔と血流を隔離できるという点においても有用である.
  • 松浦 良平, 阪越 信雄, 政田 健太, 島崎 靖久
    2012 年 41 巻 4 号 p. 204-206
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    右房内腫瘤・下大静脈血栓に対し,右房内腫瘤摘出術を施行し血管ベーチェット病と診断した稀な1例を経験した.症例は16歳男性.主訴は腹痛,発熱であった.虫垂炎が疑われ同日虫垂切除術を施行されたが,虫垂は正常で,その後も炎症反応高値が続いた.追加精査で可動性の右房内腫瘤・下大静脈血栓を指摘され,緊急で右房内腫瘤を摘除した.迅速病理診断で腫瘤は血栓と診断された.病歴と検査所見から血管ベーチェット病と診断し,術後経過良好で術後17日目に退院となった.時を逸せず適切な時期に腫瘤除去を行うことが肝要であり,特異な症状・経過を呈する右房内腫瘤の鑑別疾患には,ベーチェット病も重要であると考えられた.
  • 大平 卓, 松下 努, 増田 愼介
    2012 年 41 巻 4 号 p. 207-210
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は57歳男性.20年前から統合失調症に対して抗精神病薬を内服していた.三枝病変を有する狭心症および発作性心房細動に対して全身麻酔下に心拍動下冠動脈バイパス術5枝(RITA-LAD,LITA-OM-D2,Ao-SVG-#4PD-#14 PL)と両側肺静脈隔離術を施行した.術中の心脱転時に輸液およびカテコラミンなどの昇圧剤に対する反応が乏しく血圧維持に難渋したがバソプレシン(ADH)を用いることで機械的補助なしに良好な血行動態を維持し得た.手術終了後もADH投与を継続した.ADH投与に伴う副作用は認めなかった.術後4日目にADHの投与を終了し12日目に独歩退院した.抗精神病薬を内服している場合,カテコラミンに耐性または過剰な反応を示すことが報告されており,本症例のように輸液負荷や昇圧剤投与でも循環動態維持が困難な場合にはADH投与が有効な選択肢の一つになりうることが示唆された.
  • 織井 恒安, 日置 正文, 家所 良夫, 本田 二郎
    2012 年 41 巻 4 号 p. 211-214
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    胸腹部大動脈瘤手術後に,人工血管と腰椎椎体骨棘との機械刺激により人工血管に穿孔を来した稀な症例を経験したので報告する.症例は75歳男性.胸腹部大動脈瘤(Crawford III)の診断下,24 mmダクロン胸腹部4分枝人工血管と20×10 mmダクロンY型人工血管(ともにGelweave,Vascutek)による人工血管置換術を施行し,第20病日に軽快退院となった.第22病日に腰痛を主訴に外来を受診した.CTにて人工血管同士の吻合部周囲に血腫を認め,その近傍より造影剤の漏出を認め緊急手術となった.開腹所見では,吻合部から2 cm中枢の4分枝人工血管後壁に約2 mmの穿孔部を認めた.同部は腰椎椎体前方に鋭利に突出した骨棘が接している部位と一致し,その骨棘との機械的な接触刺激によりダクロン人工血管に破綻を来たしていた.手術は穿孔部を直接縫合閉鎖し,新たな人工血管で穿孔部を全周性にラッピングした.
  • 丸田 一人, 川浦 洋征, 飯塚 弘文, 福隅 正臣, 石川 昇, 尾本 正, 手取屋 岳夫
    2012 年 41 巻 4 号 p. 215-218
    発行日: 2012/07/15
    公開日: 2012/09/11
    ジャーナル フリー
    症例は81歳,女性.労作時の息切れを主訴に近医を受診した.胸部Xpで肺うっ血を認め,心不全のため入院加療した.上下肢の血圧差と間欠性跛行を認め,精査したところ石灰化を伴う下行大動脈の狭窄を認めた.降圧剤を内服しているにもかかわらず上肢血圧は167/70 mmHg,ABI(Ankle Brachial Pressure Index)は右0.53,左0.58であった.コントロール不良な高血圧と異型大動脈縮窄症による左室への圧負荷が原因による心不全と診断し,内科的治療の後に手術を施行した.術式は高齢であることを考慮して非解剖学的バイパス術(axillo-bifemoral artery bypass)を8 mmリング付きT字型人工血管にて施行した.術後のABIは右0.83,左0.87に改善し,上肢血圧は132/68 mmHgと良好に管理されるようになり,術後18カ月経過の時点でグラフト開存を確認,心不全の徴候なく経過している.異型大動脈縮窄症は,血圧管理に難渋することが多く,放置すると脳血管障害などを引き起こし予後が不良であるため早期の手術が望まれるが,高齢者に対する手術としてAxillo-bifemoral artery bypass術は低侵襲という利点があり,早期の退院,社会復帰が期待できる.
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