高重合度(
N)およびシンジオタクチシティー(S-diad)の異なるポリ(ビニルアルコール) (PVA)を合成して物理ゲルを作り,
NやS-diadがゲルの架橋長やヤング率に及ぼす影響を実験的に調べた.架橋長は田中-Stockmayerの式から推算した.ゲルの力学物性は,引張試験および圧縮試験よりS-Sカーブを作成し,ヤング率
Eを求めて評価した.その結果,ゲルの架橋長
ζは,重合度
N<10
4では単調に増大したが,
N>10
4になるとほぼ一定の値を示した.また,S-diadが高い試料ほど
ζは大きくなった.さらに,ゲルのヤング率
Eも架橋長
ζが増大すると増大する傾向を示した.このことから,架橋長
ζの大きさが力学物性に影響を与えていることが示唆された.
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