卵黄脂質の特性をさらに明らかにする目的で, キジ, 山鳥, 七面鳥およびクジャクの卵黄脂質の脂肪酸ならびにトリグリセリド組成を調べた。
全脂質および中性脂質分画にあっては, 山鳥とキジはクジャクと七面鳥に比べてC
18: 1が多かった。
リン脂質分画においては, 七面鳥とクジャクはキジと山鳥に比べて, C
16: 0, C
18: 1および全不飽和酸含量が多い傾向があった。
卵黄脂質ではトリグリセリドの2-位置に結合している脂肪酸の大部分はC
18: 1とC
18: 2で, C
16: 0とC
18: 0の大部分はトリグリセリドの1, 3-位置に存在していた。
卵黄脂質に最も多いのはモノ飽和トリグリセリドで, ついでジ飽和トリグリセリド, トリ不飽和グリセリドの順で, トリ飽和グリセリドは最も少なかった。 また, おもなトリグリセリド成分はPOO, PLO, OOO, POP, PLP, OLO, POPtなどと思われた。
七面鳥の卵黄脂質は他のに比べてSSS. S, Uが多くてSU
2, UUUが少なく, 山鳥とキジはクジャクと七面鳥に比べてSUSが多く, キジとクジャクは七面鳥と山鳥に比べUSUが多い傾向があった。 またPOP, POStは七面鳥に多く, POO, OOO, PtOOなどは山鳥やキジに多く, PLOやPLPはクジャクに多い傾向が見られ, 鳥の種類によって, トリグリセリド成分の含量で差異の見られるところもあったが, 全般的には試験した鳥卵の脂質は, トリグリセリド組成の面では, 比較的類似した性質を有しているように思われた。
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