栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
7 巻, 6 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 大礒 敏雄
    1955 年 7 巻 6 号 p. 249-252
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 第III報正常成人に於ける糞便中のSoap fat量に就て
    五島 孜郎
    1955 年 7 巻 6 号 p. 253-256
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    本邦に於て, 糞便中に排泄されるSoap fat量の報告は殆んどなく, そこで著者は脂肪とCa吸収との関係を健康成人男子について実験した際, 同時にこれを定量したので, ここに報告する。
    1) 定量方法としては, Telferの定量法が充分用い得る事を確めて, これを採用した。
    2) 植物性脂肪並びに, 動物性脂肪を用いた時の, 両期間を通じて, 排泄Soap fat量は乾燥糞便量の最小2.1%最大7.7%で, 平均4.0%であつた。
    3) Telferの報告している牛乳を食餌とする健康小児の値と健康成人に就て測定した著者の値を比較すると, 後者は前者より遙に低い値を示している。
    4) 本実験に於て, 動物性脂肪を用いたときの排泄Soap fat量が, 植物性脂肪を用いた時より, 多量排泄されたが, これは摂取Ca量及び脂肪量の相異によるものであろう。
    本研究は石崎有信教授の文部省科学試験研究費によるものである。尚, 本研究に際し御懇篤なる御指導並びに御校閲を賜つた石崎有信教授に深謝すると共に, 御協力をいただいた教室員諸氏に感謝する。
  • 馬場 明, 小島 秀治郎, 大久保 幸子
    1955 年 7 巻 6 号 p. 257-258
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • (第5報) ビタミンB6, B1及び塩化ソーダの影響
    一瀬 義文
    1955 年 7 巻 6 号 p. 259-261
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    (1) 合成l-アスコルビン酸及びキャベツに合成ビタミンB6, B1を加えて夫々之等を煮沸した場合には何れもB6だけの場合よりも残存率は大きく且B1の量の増加に伴い残存率も増加した。しかしB1だけを加えたものより却つて残存率は小さかつた。これは実験の結果少くともB6のためにB1の作用が阻害されたためとは思われなかつた。
    (2) 合成l-AAに合成B6, B1及びNaClを加えて煮沸した場合にはB1l-AA: B1が1:1の比に加えたものは残存率は減少しその他の場合には何れもNaClの添加によつて残存率は増加した。この場合はNaClの添加によるpHの減少が残存率増加の一因と思われた。
    (3) キャベツに合成B6, B1及びNaClを加えて煮沸した場合は前記C: B1が1: 1の場合もその他の場合と同様にNaClの添加によつて残存率が増加した。
    (4) 前記 (2) のl-AA: B1が1:1の場合に残存率が減少した主な原因はNaClによるB1の阻害であり (3) の同様の場合に残存率が減少しなかつたのはキャベツの中の或成分によりNaClのB1に対する阻害作用が抑制されたためかと考えられた。
    本研究費の一部は日本教育大学協会の科学奨励金によつた。ここに記して深謝の意を表する。
  • 山田 晃, 松下 アヤ子
    1955 年 7 巻 6 号 p. 262-266
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    大豆に含有される遊離のアミノ酸とその大豆を暗所で及び日光をあてて発芽させた場合の含有遊離アミノ酸の変化をペーバークロマトグラフ法でしらべた。
    大豆中に遊離の形で存在するアミノ酸は種類が多く特にGlutamic acid, Alanine, Glucosamine, Glutamine, Leucine, Valineの量が多く, Aspartic acid, Arginine, Prolineがこれに次ぎ, Cystine, Homocystine, β-Alanine, Alanine, 不明物質A, B, Cは少くAsparagineは特に少い成分である。Methionine, Tryptophan, Valineはフェノールの場合もブタノール, 水, 氷酷酸の混合液の場合もRf値が近似しているので見分けにくい。AsparagineとGlycine, 及びLeucine, Isoleucine, Nor Leucine, の場合も同樣である。
    大豆を暗所で発芽させてもやしにすると含有遊離アミノ酸の種類に変化を生じる。発芽前に較べて消失するアミノ酸はGlutamine, Glucosamine, 不明物質A, B, Cの5成分であり逆に出現するアミノ酸はThreonine, Tyrosine, Histidine, Serineの4成分であり著しく量の多くなるのはAsparagineである。含有遊離アミノ酸の中で量の多いのはAspamagine, Alanineであり特に量の少いのはCystine, Tyrosineである。
    発芽後日光をうけて伸びた芽中の遊離のアミノ酸は茎に較べてその数が少くPhenylalanine, Proline, Tyrosine, Homocystineが消失しThreonine, Cystineは非常に少い成分になる。根の場合は茎の場合と大体同様である。
    発芽粒子は日光をうけて緑色になるが含有される遊離のアミノ酸は元の大豆の場合と同樣ではなくアミノ酸の種類は暗所で発芽させたもやしの場合と同樣であるがその量はアミノ酸の種類によつて多少変動がみられる,
    終りに臨み試料の大豆を分与して頂いた熊本県立農事試験場の工藤技師、常川氏並びに色々御援助を頂いた九谷教授の方々に御礼を申し上げる。
  • ビタミンB1, B2 プロビタミンA実測値の計算値に対する割合とその他の成分摂取状況
    村田 希久, 志賀 セイ, 福留 豊子, 高橋 恭子
    1955 年 7 巻 6 号 p. 267-271
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1950年夏期 (6~7月) に実施された都市生活者の日常食中のV.B1, V.B2実測研究と同様の調査試験を1952年冬期2~3月, 12家族, 36試料につき行つた。今回はV.B1, V.B2の他にプロV.Aを実測しそれ等の母平均の信頼限界を求めた結果, 1人1月摂取実測値はV.B1775≧m≧665γ, V.B2652≧m≧488γ, プロV.A 5394≧m≧3434 I.U.であつた, 摂取V.B1実測値は1950年に於ける実測値より幾分低値をしめし, 摂取V.B2量は多少増加の傾向を示したが著しい変動は認められなかつた。尚プロV.A実測値は一応標準所要量近くを示した。
    尚之等実測値の計算値に対する割合を求めた結果, 之等の母平均の信頼限界値は主食においてはV.B155.1≧m≧42.3%, VB273.3≧m≧59.9%, 副食に於いてはV.B168.1≧m≧53.5%, V.B282.2≧m≧65.3%, プロV.A77.4≧m≧64.6%なる割合を示した。
    次に1人1日の摂取食品材料の重量より分析表にて栄養素の算出を行つた結果は蛋白質81.9≧m≧70.7g, 脂肪27.2≧m≧20.9g, 熱量平均2015Cal, 総V.A7718≧m≧4761I.U.で1950年の夏期に於ける調査結果に比し総V.Aの摂取計算値のみが著しく高値であつた, 又V.Aの総V.Aに対する割合は1例を除いた35試料の平均で3.9%という僅少に過ぎない結果を得た。
    本研究を行うに当り御援助を賜つた大阪市立衛生研究所茶珍所長に深謝する、なお研究費は学術会議ビタミンB研究特別委員会の補助によつた。
  • 富安 行雄, 豊水 正道, 高橋 喜久雄
    1955 年 7 巻 6 号 p. 272-273
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    魚臭を除去する目的で生薑を用いる場合にばpH5.5~6.0で添加すれば最も有効である。又魚肉蛋白ば生薑の脱臭作用を阻害するから加熱して変性させた後添加する方が効果的である。
  • 田中 薫樹, 川北 兵藏
    1955 年 7 巻 6 号 p. 274-278
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    Vitamin K 類の内VitaminK3がAsp. oryzalの生理にどの様な影響を示すかを知るためにVitamin K3を10-5mol/l単位で6, 3, 1.5, 0.75, 0.375の割合で添加して26°~27℃, 10日間培養を実施し, 菌体量, amylase及びproteaseを測定した。培養基としてはCzapeck Dox培地を基本とし窒素源をNaNO3, (NH4)2SO4, NH4NO3, Asparagine, urea, peptoaを用い, 炭素源としてglucose, sucrose, lactose, soluble starchを用いた。1) Vitamin K36/10-5mol/lでは一般に菌体及び酵素生成にnegativeに作用した。2) NaNO3を窒素源とした場合用いた何れの炭素源に於てもVitamin K31.5×10-5mol/lで菌体量が増加するが菌体単位重量当りの酵素力は増加しなかつた。殊にlactoseを用いた場合はその傾向が著しかつた。
    3) NaNO3を窒素源としsoluble starch及びsucroseを炭素源とした場合並にNH4NO3, glucoseを用いた場合VitaminK30.375×10-5mol/lでprotease生成量及び単位重量当りのproteaseやや増加した。
  • 浦上 澄与
    1955 年 7 巻 6 号 p. 279-287
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 神立 誠, 須藤 恒二, 晴山 信一, 草野 愛子
    1955 年 7 巻 6 号 p. 288-292
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • (第1報) アルギニン, リヂン, ヒスチヂン, グルタミン酸, イソロイシン, ヴァリン, フェニールアラニン
    杉村 敬一郎, 平 宏和, 永原 太郎
    1955 年 7 巻 6 号 p. 293-295
    発行日: 1955/03/31
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1) 本邦産水粳精米粉, 同グリテリン及び水糯グルテリンのアルギニン, リヂン, ヒスチヂン, グルタミン酸, イソロイシン, ヴァリン及びフェニールアラニンを微生物法で定量し文献値と比較検討した。
    2) 米グルテリンの上記名アミノ酸を定量する際の塩酸分解の条件を検討し, 121℃, 5~8時間加熱の場合はアルギニン, リヂン, イソロイシン, フェニールアラニンでは2, 4, 6N塩酸いずれでも大差なく, ヒスチヂン及びグルタミン酸では2N塩酸は分解が不完全であり, ヴァリンでは4, 6Nは共に避くべきことを示した。
    本実験に当り, 種々有益な御助言を賜つた桜井芳人博士に深く感謝の意を表する。
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