ラットに6-アザウラシル, β-アラニン, カルノシンをそれぞれ10mg/day/ratの用量で15日間皮下投与し第16日に6-アザウラシルは25mg, β-アラニンとカルノシンは50mgずつを腹腔内投与後正確に1時間後の肝, 腎, 肺, 心, 脾, 小腸, 腓腸筋中のβ-アラニン, カルノシンおよびアンゼリン含量並びにRNA, DNA含量を比較した。その間尿中オロチン酸排泄, 体重増加率も併せて検討し核酸代謝とβ-アラニン, カルノシン, アンゼリンの密接な関係の一端を明らかにした。
(1) 6-アザウラシル投与群で各臓器中のβ-アラニンの含量が著明に増加する。カルノシン, アンゼリンは対照群において腓腸筋にのみ検出されるが6-アザウラシルの投与により3および2倍に増加するとともに肝, 心中に検出される。
(2) β-アラニンの投与により腓腸筋以外の各臓器中のβ-アラニン含量が増加するとともに肝にカルノシン, アンゼリンが, 小腸にカルノシンが検出され腓腸筋中のアンゼリンが3倍に増加する。
(3) カルノシンの投与により肺以外の各臓器中にカルノシンが検出されると共にアンゼリンが肝, 小腸に検出され, 腓腸筋で2.7倍になる。またβ-アラニンが脾, 腓腸筋中にも見出され, その他の臓器でも著明に増加する。
(4) β-アラニン, カルノシンの投与により一般に各臓器のRNA含量が増加する。DNAには著明な影響がない。
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