栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
28 巻 , 1 号
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  • 武藤 泰敏, 四童子 好広, 鈴木 庄亮
    1975 年 28 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    われわれは, Cdの投与経路ならびに栄養条件が実験的慢性Cd中毒症に及ぼす影響を観察した。 すなわち, ラットを用いて, A-I群: 正常食 (N-食), A-II群: 低たん白低Ca低P食 (L-食), A-III群: L-食+Cd経口投与, B-I群: N-食+Cd経口投与, B-II群: N-食+Cd腹腔内投与の5群に分け, 長期間飼育し, 尿中CdおよびRBP排泄, Cdの臓器分布, 腎障害ならびに骨障害などに検討を加えた。 その結果,
    1) A-III群は, Cd経口摂取に伴い摂食量の低下, 体重の減少を示し, いわゆるprotein-calorie malnutritionの状態にあった。
    2) 尿中CdならびにRBP排泄は, A-III群, B-II群においてのみ観察されたが, B-I群ではほとんど認められなかった。 またCdとRBPの尿中排泄との間には, 強い相関がみられた。
    3) 肝Cd濃度はB-II群で最も高く, ついでA-IIIB-II群の順であった。 一方, 腎Cd濃度はA-III群で最も高く, ついでB-II, B-I群の順であった。 すなわち, A-III群は腎ならびに肝Cd濃度ともB-I群を上回っていた。
    4) 腎の組織学的観察では, A-III, B-II群に著明な変化を認めた。 すなわち, A-III群は尿細管の萎縮変性が著明であったのにもかかわらず, 糸球体の障害は軽微で, いわゆる尿細管性腎障害の所見を示した。 また, B-II群では, 尿細管の障害のほかに, 糸球体の変化も認められた。
    5) 骨変化はA-III群においてのみ観察され, 骨軟化症の可能性が最も考えられた。 すなわち, 骨は肉眼的にも透明化し, 外圧に対してきわめてもろく, 骨皮質比の著明な低下を示した。 レ線像でも, 骨萎縮, 骨皮質の菲薄化が明白であり, また, 血清Ca×Pの有意の低下をみた。
    以上の結果から, 低栄養 (低たん白低Ca低P) 条件下に, Cdを経口摂取させることにより, 「イ」病に類似した病像を実験に作製することができたと考える。 しかも, 低栄養性Cd腸症が, 腎障害ならびに骨障害の発生に重要な因子になる可能性についても考察した。
  • 西川 勲, 村田 信子, 割石 正信, 出家 栄記, 川西 悟生, 古市 栄一
    1975 年 28 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    牛乳と人乳のたん白質の栄養上の差異を明らかにするために, 人常乳たん白質, 人初乳たん白質, 人初乳たん白質, 牛乳たん白質を, 8%たん白質レベルで, ラット (雄, Sprague Dawley系, 50~60g) に与え, 14日間飼育した。
    PERは, 人常乳たん白質, 4.08; 人初乳たん白質, 3.37; 牛乳たん白質, 3.40であり, 人常乳たん白質は牛乳たん白質より有意に (p<0.01) 大であった。 人初乳たん白質は, 人常乳たん白質より有意に (p<0.01) 小であった。
    人乳と牛乳のアミノ酸組成に等しいアミノ酸混合飼料についても同様の実験を行ない, PERは, 人常乳アミノ酸混合, 4.05; 牛乳アミノ酸混合, 3.05であり, たん白質飼料の場合とよく一致した結果が得られた。
    血漿尿素量は, 人乳たん白質のほうが牛乳たん白質投与の場合より低い値を示した。
    脱脂粉乳へのアミノ酸補足実験から, 人乳と牛乳のPERの差異は, アミノ酸の不足の順序や必須アミノ酸にはとくに関連がなく, 主としてシスチン含量の差に起因し, 牛乳たん白質にシスチンを補足することにより, PERは高くなり, また, 血漿尿素量は低下する。
    カゼインと牛乳清たん白質の比率を変えて, さらに全シスチン含量が人乳と同一になるようにシスチンを添加した飼料間のPERには有意な差は認められない。 また, 人乳と牛乳のカゼインおよび乳清たん白質のアミノ酸組成には類似性がみられる。 したがって, 牛乳たん白質にシスチンまたは牛乳清たん自質を補足することは, PERを人乳たん白質レベルまで高めるために意義があるものと思われる。
  • 川端 晶子, 澤山 茂
    1975 年 28 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) LMPゼリーの加熱調製時間の影響を検討したが, 総体的にテクスチャー特性値に大きな変化はなかった。
    2) ゲル調製後の放置時間と温度の影響については, 低温放置のほうが, 硬さと付着性はやや大きい。 放置時間では, 2時間でゲル化がほぼ安定し, その後, 大きな差は認められない。
    3) pHの影響については, LMPゼリーは, HMPゼリーほどpHに敏感ではない。 また, 上記ゼリーの吸光度は, 580mμで最も低いが, 寒天ゼリーとは異なった吸収カーブをえがく。 LMP牛乳ゼリーに対するpHの影響では, pH3.5以下で硬さがいちじるしく低下するが, 牛乳中の含有成分とpHの挙動が注目され, 今後, 検討したいと考えている。
    4) 凝固剤として用いた塩類の影響では, マグネシウム塩にくらべて, カルシウム塩を用いたゼリーは, 総体的にテクスチャー特性値が大きい。 官能検査では, 牛乳を用いたものが有意に好まれ, マグネシウムを用いたものが, 有意に好まれない結果を得た。
    嗜好特性値間の相関行列を求めたところ, 総合評価とすべての嗜好特性値間に有意の相関が認められた。 また, 総合評価に対する嗜好特性の相関の高いものから, 逐次, 重相関係数を求めてF検定の結果, いずれも有意の相関が認められた。 さらに逐次, 重回帰方程式を求めたところ, 総合評価に対し, 味, ついで, ねばっこさ, くずれやすさといったテクスチャーの影響が大きいことが認められた。
  • 吉田 勉, 栗山 久枝
    1975 年 28 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    生後4週齢, 体重約50gのウィスター系雄ラットに約10%のたん白質含有飼料 (たん白質源としては, カゼイン, 大豆たん白質, および両種たん白質等量混合の3種類の飼料) を給与して, 1週間の予備飼育後, 3週間の実験飼育を実施した。実験飼育期間中の体重, 飼料摂取量, 飼料効率, N効率, N・Ca・Mg・Pのみかけの消化率ならびに体内蓄積, および56日齢における大腿骨+脛骨 (ひ骨を含む) の重量ならびにCa・Mg・Pの骨中含量を調べ, これらに対するカゼインと大豆たん白質という2種類のたん白質の等量混合による影響を調べた。
    1) 飼料摂取量, 増体重, 飼料効率およびN効率について, 3群間に有意差はなかった。
    2) Nのみかけの消化率はカゼイン群>混合群>大豆群の順で, カゼイン群と大豆群の間に有意差が認められた。Nの蓄積量は3群間に有意差を認めなかったけれども, Nの蓄積率はカゼイン群>混合群>大豆群の順で, カゼイン群と他の2群との間に有意差があった。
    3) Caのみかけの消化率, 蓄積量および蓄積率は, 大豆群>カゼイン群>混合群の順であった。Caのみかけの消化率および蓄積率ではカゼイン群と混合群の間に, Caの蓄積量では大豆群と混合群の間に, それぞれ有意差が存在した。
    4) Mgのみかけの消化率および蓄積率については, 3群間に有意差がなかった。Mgの蓄積量は大豆群>混合群>カゼイン群の順で, 大豆群とカゼイン群の間に有意差が認められた。
    5) Pのみかけの消化率および蓄積量は, 大豆群>カゼイン群>混合群の順だった。みかけの消化率では大豆群と混合群の間に, 蓄積量では混合群と他の2群の間にそれぞれ有意差が存在した。Pの蓄積率はカゼイン群>大豆群>混合群の順で, カゼイン群と混合群の間に有意差があった。
    6) 大腿骨+脛骨の乾燥骨ならびに乾燥脱脂骨の各重量, およびCa・Mgの骨中全量ならびに乾燥脱脂骨中のMg%については, 3群間に有意差は存在しなかった。Pの骨中全量ならびに乾燥脱脂骨中のCa%・P%は, 大豆群>混合群>カゼイン群の順で, 大豆群とカゼイン群の間に有意差が認められた。
  • 祐川 金次郎, 高橋 セツ子
    1975 年 28 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    乳糖不耐症者に対する牛乳・乳製品の利用を考慮して, Saccharomyces lactisおよびE. coli ML309の産生する乳糖分解酵素ラクターゼの不溶性担体への固定化による連続使用法の検討を行ない, つぎのような結果を得た。
    1) DEAE-SephadexA-25およびporous glass beadsは, 担体g当たり酵素添加量20~40mgの範囲では, それぞれ約18~24, 3~6mgのラクターゼが固定化された。
    2) 固定化ラクターゼのONPG基質に対する至適pHは, 遊離ラクターゼの場合とほとんど変らない。
    3) Glassに固定化されたラクターゼの安定性はきわめて高く, 40日間室温に放置しても完全に活性が保たれていた。 また, Sephadex固定化ラクターゼを4%乳糖溶液と断続的に30日間カラム内で反応させても, 約50%の残存活性を示した。
    4) 固定化ラクターゼの脱脂乳, ホエーに対する乳糖分解度は, 乳糖溶液に比較して低下する。 とくにSephadex固定化ラクターゼでは通液中に酵素が溶離する。
    5) 固定化ラクターゼによる牛乳・乳製品中の乳糖分解の工業的応用にはなお検討を要する。
  • 早瀬 文孝, 加藤 博通, 藤巻 正生
    1975 年 28 巻 1 号 p. 39-41
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    The in vitro digestion of lysozyme and casein roasted at 180-250°C was investigated by use of pancreatin, trypsin, papain and pronase. Lysozyme roasted at 180°C for 20 min was digested completely by proteases within 24 hr. On roasting lysozyme over 210°C for 20 min, however, the residue became water-insoluble in a ratio over 70% and the digestibility extremely decreased. Similarly, on roasting casein over 210°C its digestibility decreased to almost the same degree as in the case of lysozyme. It is considered that such decreases in the digestibility are partially based on the decomposition and racemization of amino acid residues on lysozyme and casein.
  • 戸谷 洋一郎, 戸谷 永生, 松尾 登
    1975 年 28 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    脂肪酸エステルの自動酸化に対するB2酪酸エステル添加の影響について究明した。
    (1) 魚油またはアマニ油脂肪酸メチルエステルに, 1.4×10-3mole/kgまたは1.4×10-2mole/kg添加した場合においては, 過酸化物生成最高値は添加しないものに比べて低下した。
    (2) 自動酸化させて, ある程度の過酸化物をもった脂肪酸エステルに, 1.4×10-3mole/kg, 1.4×10-2mole/kg, 1.4×10-1mole/kg程度添加した場合は, 添加量に比例して過酸化物価の低下が見られた。
    (3) 自動酸化した脂肪酸エステルはその有する活性な酸素によって, B2酪酸エステルを酸化分解させると同時に, 自身も分解するものと考察する。
  • 小西 英子, 渕上 倫子, 岡本 賢一
    1975 年 28 巻 1 号 p. 44-46
    発行日: 1975/03/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    It has so far been believed that firming (the process by which the tissues of vegetables become to be unable to be macerated by heating) is promoted by calcium and other metal ions. In the present study, however, the firming of Japanese radishes and beets was found to be retarded by calcium ion.
    It is considered that firming prevents the excessive disintegration, together with the maceration, of vegetables.
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