1) 完熟大豆九州12号を胚軸・種皮・子葉の3部分に分け, 炭水化物を定量した。
2) 単糖類はグルコースのみ (3部分ともに0.2%) であり, 還元性少糖類は検出されず, 非還元性少糖類はシュクロース (胚軸6.99, 種皮0.85, 子葉6.67%), ラフィノース (同じく2.38, 0.46, 1.24%), スタキオース (同じく5.66, 0.36, 2.46%), それに少量のベルバスコースであった。
3) 水溶性多糖類が3部分ともに0.2~0.4%存在し, アルコールと水による遊離糖の抽出液中に共存している。構成糖はガラクトースが最も多く, グルコース, マンノース, アラビノース, キシロースをも含む。
4) 粗繊維は種皮に最も多く33%であり, その93%がα-セルロースである。しかし, α-, β-, γ-セルロースの分別法は再検討の必要がある。
5) デンプンは種皮には0.01%であるが, 胚軸と子葉には約0.3%検出された。
6) ガラクチュロン酸, ガラクトース, アラビノースを主成分とするペクチン様物質が1.3%検出された。
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