栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
25 巻, 2 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 穀類に関する研究 (第10報)
    森高 真太郎, 安松 克治
    1972 年 25 巻 2 号 p. 59-62
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    精白米のSH基が米飯の粘弾性および勾いに重要な影響をあたえていることを認めた。そして一連の研究結果から貯蔵中に脂質, たん白質, デンプンの各成分が単独にあるいは交互に作用しあって変化し米飯の外観, 勾い, 物理的性質に影響をあたえ古米化の現象が現われることを推論した。
  • 日本食品, 特に植物性食品中のステロール類の組成 (第1報)
    岡 芳子, 桐山 修八, 吉田 昭
    1972 年 25 巻 2 号 p. 63-67
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    (1) ステロール量の測定に油脂鹸化後, Pearsonらの方法でステロールをβ-シトステロールを標準として定量した。市販の食用油ではごま油Aと米油の値が他の油に比べて高く, 両者の値が似ていた。
    (2) 遊離型とエステル型の分画にシリカゲルカラムを用いて5%エーテルを含むヘキサン液200mlで溶出されたものをエステル型とし, 続いて50%エーテルを含むヘキサン液200mlで溶出されたものを遊離型として定量した。市販の食用油ではごま油Aと米油のその比が1: 5で, 他の油に比べてエステル型が多かった。
    (3) 脂質を鹸化後ガスクロマトグラフィーを行なった。食用油についてβ-シトステロール, スチグマステロール, キャンペステロールを同定した。β-シトステロールはすべての試料に一番多く含まれていたが, サラダ油Bとサラダ油Cにはスチグマステロールはなかった。なお3種のステロール以外に2, 3のピークがあった。
  • β-アミラーゼ, フイシン, パパインについて
    多田 真瑳子, 小川 安子, 小川 政禧
    1972 年 25 巻 2 号 p. 68-71
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    超音波照射がβ-アミラーゼの澱粉糖化, フイシン, パパインなどのゼラチン分解に及ぼす影響について観察したところを要約すれば次のとおりである。
    (1) 酵素作用中超音波照射 (20K, C 10分間) を行なったβ-アミラーゼは超音波照射を行なわないものに比し澱粉糖化力を低下した。
    (2) 超音波照射により低下したβ-アミラーゼの活性はシステイン添加しても回復しない。
    (3) 西瓜, トマト, 甘薯, 馬鈴薯などの生汁に超音波照射 (20K, C 60分間) を行なったものの, β-アミラーゼ活性はほとんど低下を認めなかった。しかし大根生汁においてはわずかに影響を認め, また, 大根生汁のα-アミラーゼ活性は著明に低下した。
    (4) フイシン, パパインなどのたん白質分解酵素はKCNのような還元剤によって賦活されるが, これらの酵素をKCN賦活後に超音波照射したものではフイシンにおいてかなり活性低下を認め, パパインにおいては影響はきわめてわずかであった。しかしながら酵素溶液についてあらかじめ超音波照射を行なっておいた後で, KCN賦活を行なった場合には, フイシン, パパインのいずれにおいてもそれらの酵素活性の促進がみられた。
  • 林 国興, 秋葉 征夫, 松本 達郎
    1972 年 25 巻 2 号 p. 72-78
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ゴイトリンを白ネズミに投与して甲状腺機能, 成長, 窒素出納, 肝臓重量および肝臓窒素に及ぼす影響を観察した。未成熟白ネズミ (試験開始時体重: 80g) および成熟白ネズミ (試験開始時体重: 240g) にゴイトリンをそれぞれ1日1匹当り1~20mgの数段階の投与量を設定して14日間経口投与した。
    甲状腺機能および血中甲状腺ホルモン濃度はゴイトリンの投与量の増加に伴って比例的に低下した。すなわち甲状腺重量は未成熟白ネズミにおいても成熟白ネズミにおいてゴイトリンの投与量にほぼ比例して増加し, 血漿%PB131Iはいずれも投与量に反比例して低下した。甲状腺中131Iはゴイトリン投与によって著しく低下した。
    ゴイトリンを20mg投与した場合, 未成熟白ネズミでは体重増加が停滞し, 成熟白ネズミでは体重の増加が促進される傾向がみられた。その他の試験区では対照区と変わらぬ体重増加を示した。
    窒素蓄積率は, 未成熟白ネズミではゴイトリン投与により低下し, 成熟白ネズミでは増加の傾向を示した。しかし, 試験区間に有意の差は認められず, 甲状腺機能とN蓄積率との間に相関関係は認められなかった。
    肝臓重量および肝臓総窒素は, 未成熟白ネズミおよび成熟白ネズミのいずれについてもゴイトリン投与によって増加し, 甲状腺機能との間に高い相関が認められた。
    甲状腺機能, 体重増加, 窒素蓄積率に対するゴイトリンの作用にはいずれも年令による差異が認められた。
  • 田主 澄三
    1972 年 25 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 完熟大豆九州12号を胚軸・種皮・子葉の3部分に分け, 炭水化物を定量した。
    2) 単糖類はグルコースのみ (3部分ともに0.2%) であり, 還元性少糖類は検出されず, 非還元性少糖類はシュクロース (胚軸6.99, 種皮0.85, 子葉6.67%), ラフィノース (同じく2.38, 0.46, 1.24%), スタキオース (同じく5.66, 0.36, 2.46%), それに少量のベルバスコースであった。
    3) 水溶性多糖類が3部分ともに0.2~0.4%存在し, アルコールと水による遊離糖の抽出液中に共存している。構成糖はガラクトースが最も多く, グルコース, マンノース, アラビノース, キシロースをも含む。
    4) 粗繊維は種皮に最も多く33%であり, その93%がα-セルロースである。しかし, α-, β-, γ-セルロースの分別法は再検討の必要がある。
    5) デンプンは種皮には0.01%であるが, 胚軸と子葉には約0.3%検出された。
    6) ガラクチュロン酸, ガラクトース, アラビノースを主成分とするペクチン様物質が1.3%検出された。
  • 多田 ひろみ, 小林 昇, 岡本 奨
    1972 年 25 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    無機酸4種, 有機酸25種について酸味閾値の測定を行ない, さらに閾値と化学構造との関係について考察した。本実験で得られた結果の範囲では,
    (1) 酸味閾値と化学構造との関係は, 閾値濃度をモル濃度で表示すると以下のような相関がみられた。
    (2) 無機酸の閾値は解離度と相関した。
    (3) 脂肪族一塩基性酸は炭素鎖が長くなると閾値が低下する傾向があった。ただし分枝すると閾値は直鎖のものより増大した。
    (4) 二塩基性酸の閾値はメチレン基の増加に伴い大きくなり, かつ解離度との相関が認められた。
    (5) 極性基の導入は解離度を増大させ, 閾値を低下させる傾向がみられた。
    (6) 多塩基性酸の酸味の強さは第1解離の水素イオンの寄与が大きい。
    (7) 天然に存在する型のフマル酸は爽快な酸味をもっており, マレイン酸よりも閾値が低かった。
    (8) 酸味の強さには解離度のほか疎水性基と親水性基のバランスもある程度の影響を与えるものと思われる。
  • 田主 澄三
    1972 年 25 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) 大豆の登熟中における3部分 (胚軸, 種皮, 子葉) のデンプンと遊離糖の変化を調べた。
    (2) 完熟大豆にはデンプンは少なくて0.3%であるが, 登熟中には一時的ではあるが22%という高い値を示す。
    (3) ラフィノース族の少糖類は非還元性の糖だけであり, まずショ糖ができてから, これを基としてラフィノース, スタキオースなどの高級ラフィノース族少糖類ができる。
  • 妊娠時の血液学的な特徴 (1)
    白木 啓三, 久岡 文子
    1972 年 25 巻 2 号 p. 94-98
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    徳島市在住の112名の妊娠7~10ヵ月婦人について, 血液性状および, 循環血液量を測定し次の結果を得た。
    (1) 妊婦において循環血漿量増加に基づく血液稀釈のために, 末梢血血液性状の濃度のみでは, 真の貧血は判定し難い。しかしヘモグロビン濃度は貧血判定の最も簡便かつ有用な判定方法となる。
    (2) 妊婦のヘモグロビン濃度の正常値の下限界は10.0g/dlであり, これ以下のものを日本人妊婦の貧血と判定するのが合理的である。
    (3) 妊婦の血球性状の特徴は正色素性, 正細胞性である。
    (4) 妊婦のためのこの基準に基づいて判定すると, 今回の対象者の内16.9%が貧血者であり, 農村婦人より有意に高率であった。
  • 木原 芳次郎, 川端 晶子, 百瀬 晴子, 澤山 茂
    1972 年 25 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    以上の結果を要約すると, 次のようである。
    1) 梅, 桃および桜桃のペクチンの含有量は, 無水ガラクチュロン酸としてのtotal含有量で, 除核した新鮮果肉に対し, 梅0.33%, 桃0.35%, 桜桃0.42%で抽出区分の比率では, 梅はH-S区が60.9%をしめ, 桃はW-S区が74.3%でもっとも高く, 桜桃ではP-S区が42.9%つづいてH-S区が40.4%をしめている。
    2) 分離調製したペクチン質の化学的性状について特に無水ガラクチュロン酸の含有量は, 梅ペクチン55.46%, 桃ペクチン46.42%, 桜桃ペクチン54.25%で, メトキシル基含有量は, 梅ペクチン5.21%, 桃ペクチン5.44%, 桜桃ペクチン5.00%で, いずれも市販ペクチンの含有量 (6.10%) に前後し, 高メトキシルペクチン-糖-酸-水系によるゲル形成の条件の範ちゅうに入り得る性状をそなえているペクチンだということができる。
    3) Okada gelometerおよびCurdmeterによるペクチンゼリーの特性については, 梅ペクチンゼリーは, 総体的に市販ペクチンゼリーには及ばないが, ゼリー強度が大で, 硬く, 破断力も大きく, 桃および桜桃ペクチンゼリーは, いずれも柔らかく, 粘稠性の大きいゼリー特性を有することが認められた。
  • 青山 文雄, 野村 久雄
    1972 年 25 巻 2 号 p. 105-107
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    名古屋・岡崎地方にて栽培されているイチゴのうち, その8品種について出荷期別のC量を測定, 検討した結果,
    (1) 普通 (露地) 栽培物 (5~6月中旬出荷) に対して, 不時栽培物 (10月~翌4月出荷) のほうが, C量値および還元型C/総C量値が高かった。
    2) 同一品種のイチゴでも, その出荷期が早出しほどC量値が高く, 普通栽培の出荷期に向うにつれて低下していく傾向を認めた。
  • 宮崎 , 小池
    1972 年 25 巻 2 号 p. 108
    発行日: 1972/03/01
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 25 巻 2 号 p. 120
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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