(1) シスチン, アスパラギン酸の水溶液, タンニン+カフイン+糖類混液, 茶汁混液は何れもその対照水溶液に比してビタミンC酸化抑制作用が大である。
(2) シスチン, アスパラギン酸のタンニン混合液も亦その水溶液の場合と同じく, その対照水溶液に比してその作用が大である。
(3) シスチン, アスパラギン酸とタンニンの混液のクロマドグラフで分析される二部分も, その水溶液, タンニン, カフィン, 糖分の混液も, その対照液に比してビタミンC酸化抑制作用があり, 且つその二部分のうちシスチン, アスパラギン酸そのものの位置でない位置のものの方が, その作用が大である。
(4) 緑茶浸出液がビタミンC酸化抑制作用を呈することは第1報からの実験結果に認められるが緑茶成分中のタンニン, 糖類もその作用をなすことは, 他の文献とともに認められる所である。緑茶の特殊成分たるカフィン, タンニン, 糖類の混合液はその作用が殆んどなく, 却つて酸化を促進する傾向があるが, アスパラギン酸の如きはその混合に於て, よくビタミンC酸化抑制作用を示すことが認められるから, 茶葉にこの作用のある因は所謂タンニンのみでなく, アスパラギン酸の如きものもそれに役立つているものと認められる。
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