栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
34 巻 , 5 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 中島 順一, 吉川 周子
    1981 年 34 巻 5 号 p. 395-407
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    食生活における地域的特色の数量的把握は, 従来, ある歴史的時間で切断した断面に対し線的あるいは面的なとらえ方が主流であった。本研究では, 時系列的データ (過去4回にわたる全国消費実態調査の都道府県別食糧費支出構成比) を用い, 調査年次を外的基準として外的基準のある場合の主成分分析法を援用し, わが国における食生活の全体像としての時系列的変動ならびに時間的経過の中で動態的に地域的特色を把握することを試みた。
    1) 全体像としての変動について わが国における食生活は, 米類依存度の低下, 動物性食品および外食の増加などを内容とする傾向的な変化を示した。そしてこの変化を「食生活の近代化」を表わすものと把握した。また欧米的食生活は, 日本人の食生活の中に融け込んでいないことが示された。
    2) 地域的構造について 日本における東西文化圏に符合する地域区分が見いだされ, それは東西文化の存在が食生活に反映したものと判断された。さらに東日本と西日本とは, 伝統的食生活と近代的食生活という二つの異なる食形態に対応した。この他, 地域的構造を規定すると思われる要因を「食生活における進取性」および「食糧生産における風土的条件の差異」と把握した。
    なお, 本研究は, 東海学術奨励会の昭和54年度研究助成によるものの一部である。
  • 斎藤 昌之
    1981 年 34 巻 5 号 p. 409-414
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    ラットの摂食パターンと餌箱への接近行動を連続的に観察記録する装置を作成し, 種々の条件下で摂食に関連した行動を日周リズムとして解析した。明暗交代照明条件, 恒常照明条件, いずれの場合も, 摂食を昼間の一定時刻間に限定すると, 約1週間後には, 摂食時刻に先行して餌箱へ頻繁に接近する行動様式が定着した。この摂食予知行動は絶食下でも約3日間は持続し, 摂食予定時刻に一致した接近行動の亢進が認められた。これは, 体内計時機構を手掛りとする摂食時刻の学習・記憶に基づいた摂食への期待予知感の発現であると思われる。
    本研究について貴重な示唆, 討論をいただいた須田正己名誉教授 (大阪大学・愛媛大学), 嶋津孝教授 (愛媛大学) に深謝いたします。
  • 的場 輝佳, 吉田 穂積, 米澤 大造
    1981 年 34 巻 5 号 p. 415-421
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    豆腐, 油揚げ, 生ゆば, 乾燥ゆばのたん白質の栄養評価を消化性 (in vitro) の面から検討した。比較のために生大豆も用いた。これらの大豆製品のトリプシン-インヒビター活性は生大豆の2~5%であった。
    ペプシン-パンクレアチンで消化した場合 (腸管吸収前のモデル系), これらの品目は, いずれも平均アミノ酸残基数が15以下に消化されており, 生大豆 (<20) に比べ, 高分子のペプチド画分の割合も少なかった。アミノペプチダーゼ-プロリダーゼでさらに加水分解した場合 (小腸粘膜 (膜消化) および腸管吸収後のモデル系), これらの品目は生大豆に比べ加水分解されやすく, 必須アミノ酸のほとんどが遊離した。また, これらのたん白質中のリジン, メチオニンもほとんど損傷を受けていなかった。以上の結果, 豆腐, 油揚げ, 生ゆば, 乾燥ゆばのたん白成分の栄養性は, 人工消化実験による消化性を指標にするかぎり, 優れていると結論することができる。
    本研究にご協力をいただきました服部孝子氏に感謝いたします。
  • 豊崎 俊幸, 梶本 五郎
    1981 年 34 巻 5 号 p. 423-428
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    酸化度の異なるLAを, ラットに, 0.01ml/100g体重/日の割で, 6か月間投与し, 血清中の脂質およびたん白質量の変動について, 臨床栄養学的な面から検討し, 以下の結果を得た。
    1) 血清中の総コレステロールおよびリン脂質量は428栄養と食糧No. 3酸化リノール酸 (OLA) 投与群およびNo. 4OLA投与群でいずれも有意な増加 (p<0.01) を認めた。 血清中の総脂質量には, いずれのOLA投与群も顕著な変動は認められなかった。
    2) 血清中の総たん白質量はNo. 3 OLA投与群およびNo. 4 OLA投与群でいずれも有意な増加 (p<0.01) を認めた。 アルブミンの割合はいずれのOLA投与群も軽度な増減が認められたが有意なものではなかった。 グロプリンの割合は酸化度の高いOLA投与群ほど減少傾向を示し, No. 3 OLA投与群 (p<0.05) およびNo. 4 OLA投与群 (p<0.01) と0いずれも有意な減少を認めた。 アルプミン/グロプリン (A/G) の比率は酸化度の高いOLA投与群ほど増加傾向を示し, No. 4 OLA投与群で有意な増加 (p<0.05) を認めた。 また, No. 4OLA投与群でアルプミンより低分子側に未知たん白質を認め, その割合は, 血清たん白質量の16.5%であった。
    3) 血清中のグルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナーゼおよびグルタミン酸-ピルビン酸トランスアミナーゼ活性は酸化度の高いOLA投与群ほど増加し, 逆に, アルカリフォスファターゼ活性は低下した。
    4) 血清中のマロンジアルデヒド量は酸化度の高いOLA投与群ほど増加し, 逆に, 総トコフェロール量は減少した。
  • 水谷 令子, 芦田 淳
    1981 年 34 巻 5 号 p. 429-435
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    たん白質の利用率は, ラットの系統によって異なるかどうかを調べることがこの研究の目的である。FラットおよびCDラットに10%カゼイン飼料およびメチオニン補足10%カゼイン飼料を与えてたん白質の利用率を測定した。たん白質の利用率は, 生物価, NPR, (A/U) ×Ipを用いて調べた。その結果, 1) 10%カゼイン飼料を与えた場合のカゼインの利用率は, 生物価, (A/U) ×Ipで比べた場合に, CDラットではFラットより大きくなった。
    2) 10%カゼインにメチオニンを補足した場合, CDラットでは, 生物価はほとんど100となった。 (A/U) ×Ipは, CDラットのほうがFラットより著しく上昇した。
    以上の結果から, 10%カゼイン飼料あるいはメチオニン補足カゼイン飼料を用いた限りでは, カゼインのたん白質利用率はCDラットではFラットより大きくなることを知った。
  • 奥 恒行, 小西 史子, 細谷 憲政
    1981 年 34 巻 5 号 p. 437-443
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    難消化性多糖類を含む飼料を用いて白ネズミを7週間ならびに13週間飼育し, 成長, 盲腸ならびに大腸の肥大, 血清コレステロールならびにトリグリセリド濃度に及ぼす影響を観察した。
    1) 白ネズミの成長は, 水不溶性難消化性多糖類よりも水溶性難消化性多糖類によって顕著に抑制された。
    2) 食物の腸内滞留時間は, 水不溶性難消化性多糖類のほうが水溶性難消化性多糖類よりも短かった。
    3) 水溶性難消化性多糖類は盲腸を特異的に肥大させ, 水不溶性難消化性多糖類は大腸を特異的に肥大させた。
    4) 血清コレステロール濃度は, 水溶性難消化性多糖類投与群のほうが低く, トリグリセリド濃度は水不溶性難消化性多糖類のほうが低かった。また, それらの効果は飼育期間の長いほうが大きかった。
  • 祐川 金次郎, 村沢 久司, 佐々木 正人
    1981 年 34 巻 5 号 p. 445-449
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    UHT殺菌乳 (120℃, 2秒加熱) とUHT滅菌乳 (140℃, 2秒, 間接加熱法, 無菌包装) の製造時および保存中における乳成分の変化を比較した。殺菌乳は4℃で2週間, 滅菌乳は4℃および20~25℃で10週間保存し, 1週間ごとに測定した。
    1) 殺菌乳中の未変性ホエー窒素化合物は38.7%, 滅菌乳では35.9%で, 滅菌乳のホエーたん白変性率は若干高かったが, 保存中には両者ともほぼ同程度になり, 保存温度による影響もみられなかった。またNPNは加熱によってわずかに減少したが, 加熱温度および保存条件による差はなかった。
    2) 製造直後の未変性β-ラクトグロプリンおよびα-ラクトアルブミンの残存率は, 殺菌乳ではそれぞれ42%, 65%, 滅菌乳では35%, 55%であったが, 保存1~2週間後の滅菌乳中の未変性β-ラクトグロブリン含量は殺菌乳とほぼ同程度になった。免疫たん白質は両加熱法によって完全に変性した。
    3) 褐変物質の一つの指標であるハイドロキシメチルフルフラールは, 殺菌乳2.2μM/l, 滅菌乳では5.3μM/lと高かったが, 乳たん白質中の有効性リジンは, 殺菌および滅菌による減少率に差はなく, ともに約5%低下した。また長期保存による低下もみられなかった。
    4) 透過性カルシウムの滅少は, 殺菌および減菌によって, それぞれ10, 13%であったが, 時間経過にともなって生乳の透過性カルシウムに近い値となった。しかし長期保存によって減少傾向を示した。
    5) 殺菌乳および滅菌乳中のビタミンB1, B2はそれぞれ4~8%および0~3%破壊されたが, 加熱温度による破壊率の差はほとんどみられなかった。
  • 竹内 久直, 青木 由江, 村松 敬一郎
    1981 年 34 巻 5 号 p. 451-456
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    新鮮な廃棄鮪内臓をアセトンで洗浄および浸漬後, 乾燥粉末化した。N含量で10%カゼイン食に相当する量の粉末鮪内臓を含む飼料で, 体重約55gの幼ラットを飼育して, そのたん白質の栄養価を求めるとともに, 全アミノ酸含量をカゼイン食のそれと同一にした鮪内臓食を投与した幼ラットの成長をも調べ, それぞれカゼインの場合と比較検討した。
    1) 鮪内臓たん白質のPERおよびNPRはカゼインのそれらの約75%であった。
    2) 鮪内臓のBVはカゼインのそれと変わらなかったが, 真の消化率が若干劣るためNPUはカゼインのそれの約90%であった。
    3) 全アミノ酸含量をカゼイン食と同一にした鮪内臓で飼育したラットの成長は, カゼインのそれと変わらなかった。
    4) 鮪内臓脂質はラットの成長効果に影響を及ぼさなかった。
    本研究を実施するに当たり, 材料の提供をしていただいた静岡大学農学部助教授伊奈和夫博士およびはごろも缶詰株式会社 (清水工場) に対して深謝します。
    また本研究の要旨は第32回日本栄養・食糧学会 (1978年) で発表した。
  • 五島 孜郎, 鈴木 和春, 菅家 祐輔, 小石 秀夫, 北野 隆雄
    1981 年 34 巻 5 号 p. 457-464
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    福祉施設で生活をともにしている男女児19名について, 日常食摂取下における無機質の出納を観察した。その期間は昭和53年7月中の3日間である。
    測定無機質 (Ca, P, Mg, Fe, Na) は, いずれも男女児の平均値でみるかぎり正の体内保留を示した。ただしPについては31mg/kgの摂取で男児の場合, 負の体内保留を示した。
  • 巽 さち江, 泉谷 希光, 稲垣 長典
    1981 年 34 巻 5 号 p. 465-467
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    TLC-DensitometryによるToc. の定量法を検討した結果を要約すると次のとおりである。
    1) 操作が簡単で比較的短時間に定量が可能である。
    2) 0~2μgの範囲で検量線が得られ, この範囲における相対値の定量が可能である。
    3) 脂質含有量が比較的少なく, それに対しToc. の含有量が多い食品についての定量が可能である。
  • 斎藤 洋子, 和泉 真喜子, 大沢 章
    1981 年 34 巻 5 号 p. 468-473
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    The amount of dietary fiber (neutral detergent fiber, acid detergent fiber and lignin) in the edible portion; leaf, stalk and bud; of 53 species of wild plants was determined by Van Soest method and also the amounts of crude fiber, water, fat and ash of these plants were estimated. These plants were taken in Fukushima prefecture and belonged to Compositae, Liliaceae, Umbelliferae, Polypodiaceae, Araliaceae, Cruciferaeae, Uruticaceae, Polygonaceae, Caprifoliaceae, Equisetaceae, Rosaceae, Lardinabalaceae, Campanulaceae, Leguminosae, Chenopodiaceae, Saururaceae, Plantaginaceae, Berberidaceae, Saxifragaceae, Rutaceae, Gramineae, Actinidiaceae and Clethraceae.
    Takadiastase digestion of plant before analysis of neutral detergent fiber had little effect on the amount of neutral detergent fiber in leaf, stalk and bud of wild plants. The amounts of neutral detergent fiber, acid detergent fiber and crude fiber of these plants were 1.07 to 5.92%, 0.79 to 5.19% and 0.64 to 3.67% respectively. The correlation (r) of c ude fiber with neutral detergent fiber, acid detergent fiber and cellulose; the difference between acid detergent fiber and lignin; were 0.63, 0.65 and 0.77 respectively. Neutral detergent fiber had a little correlation with nitrogen free extract (r=-0.64) but no correlation with protein and ash (r=-0.24, 0.22).
feedback
Top