栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
29 巻 , 4 号
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  • 小泉 典子, 森 雅央
    1976 年 29 巻 4 号 p. 193-197
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    学校給食用の小麦粉にリジンを添加することについて, その適否が論議されたが筆者らは副食物の充実により食品中のリジンによって小麦粉たん白質の欠陥を補うことが望ましいと思っている。しかし学童生徒の食生活を調査し, 食事全体の制限因子がリジンであり, 経済的にも動物たん白質の摂取が不可能な場合は, 本実験で確認されたようなリジンの添加によってのパンの強化法は意味あることと思う。しかし製パン工程中におけるリジンの損失にまだ問題があることより, その有効性リジンのアミノ・カルボニル反応等による効果の低下の防止について検討した結果を要約すると, 次のごとくである。
    1) リジン添加パンのリジン残存率は, 添加リジンの多少にかかわらず, ほぼ一定値 (約77%) となった。
    パンの香気・すだち・触感・風味等を無添加パンと比較することにより, 最適添加リジン量は0.2~0.3%で, 0.4%添加でも, とくに味が無添加パンに比較し劣ることはないことを知りえた。
    2) リジン添加パンのリジン損失率は約23%であるが, この損失は主としてアミノ・カルボニル反応による添加リジンの有効性の低下または消失によるものと判断され, この損失防止のため, 牛脂・卵白・カゼインによる被覆リジン剤を試作し, その防止効果を検討した結果, 被覆剤としては牛脂が最適で, リジンの損失は平均7.8%にすぎなかった。しかし外皮にゴマ粒様斑点が浮上することより, その使途は検討する必要があると判断された。
    3) カゼインの被覆効果は3素材中最も低く, リジンの損失率は平均18%で, リジン添加パンのリジン損失率 (23%) と比較し大きな効果は認めがたかった。しかしカゼインの場合, リジンに換算し0.6%以上の添加でも苦味の発現や外皮の焦げをおさえることができた。
    4) 卵白の被覆効果は牛脂に次ぐもので, リジンの損失率が平均13.9%で, リジン添加パンの損失に比し, 約9%の損失率の減少をみることができ, 被覆剤として有用であると判断することができた。
    以上より, リジンを被覆することでリジンの有効性低下を防止することができるのみならず, 被覆剤の素材によっては, 添加量を0.6%以上までにもすることが可能であることを知りえた。
  • 松本 照代, 北村 陽子, 藤巻 正生
    1976 年 29 巻 4 号 p. 199-204
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    2, 4, 11, 12週齢ブロイラー雌の胸肉を0℃に9日貯蔵したときのpH, 遊離アミノ酸, イノシン酸含量の変化を測定した。
    1) pHは貯蔵中大きな変化を示さなかった。週齢の高い試料ほどpHが低い傾向にあった。
    2) 遊離アミノ酸のうち屠殺直後において週齢の若い順に含量の多かったのは, Tau, Ser, AspNH2, Gly, Ala, Ile, Tyr, Lysで, Ans, Carの合計量は逆に成鶏に多かった。各試料とも貯蔵により増加の著しかったのはAsp, Ser, Met, Ile, Leu, Tyr, Arg, Hisで, 変化の少なかったのはTau, Pro, Cysであった。Asp, Gly, Ala, Val, Leu, Arg, Hisの貯蔵による増加は, 他試料より2週齢試料が大であった。
    3) 死後6時間のイノシン酸含量の最大蓄積量は2, 4, 21, 11週齢試料の順に少なくなった。貯蔵後9日目比較すると残存量も2週齢試料が最高であった。
  • 黒田 学
    1976 年 29 巻 4 号 p. 205-212
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    本研究は, 宮城県内において食に関連するタブーと俗信が依然として存在するという前提に立ち, 栄養士を情報収集源として横断的調査を実施したものである。
    1) 宮城県内に居住する栄養士435名に対し, 昭和50年4月にアンケート調査を実施した (回報: 23.7%)。
    2) 提供された160件の情報のうち, 食べてはいけない食品については145件, 90.6%であり, そのうちタブーと判断されるものは113件, 77.9%を占めていた。
    3) 食べてはいけない食品に関する情報を分析したところ, 現在も行なわれているものが73.4%を占めていること, および, 都鄙の別なく県内いたるところに存在していることが判明した。
    4) 獣肉を食べてはいけないとする情報は40件にのぼり, そのうち, 25件は現在も行なわれているものであった。この情報を新旧別等に分析してみると, タブーを社会内部に保持する力は, 時代の進展とともに減弱する傾向にあることがうかがわれた。
    5) 栄養士からの情報提供状況を分析したところ, タブーや俗信に関する有用な情報の回報という点では, 地域活動に従事する栄養士がもっとも重要であった。
    たえずご指導を賜わった東北大学医学部公衆衛生学教室鈴木継美教授に深く感謝申しあげる。また, 調査にご協力をいただいた日本栄養士会宮城県支部野口丑松支部長はじめ会員の栄養士各位に厚くお礼申しあげる。
  • 水沼 俊美, 佐藤 文代, 手塚 朋通, 奥田 拓道
    1976 年 29 巻 4 号 p. 213-220
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 高炭水化物食投与では高脂血症をみとめるが, 脂肪肝を認めない。高脂肪食群では, 脂肪肝が発現するが高脂血症をみとめない。糖尿ラットでは高脂血症が出現する。
    2) 高炭水化物食群のα-glycerophosphateは解糖系がより優位に立っており, acyl-CoAは糖からde novoで供給されると推測される。
    3) 高脂肪食群のα-glycerophosphateは糖新生系がより活性化されており, acyl-CoAは血中遊離脂肪酸を直接活性化することにより供給されていると思われる。
    4) 糖尿ラット群でのα-glycerophosphateは, 糖新生系がより優位に立っており, acyl-CoAは組織から動員された血中遊離脂肪酸を直接活性化することにより供給しているものと思われる。
  • 礒部 明彦, 木村 修一
    1976 年 29 巻 4 号 p. 221-224
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    はじめに, ヘオホーバイドによる光過敏症発現をウィスター系雌ラットにおいて確認し, ついで, このような症状が他の動物にも生ずるか否か, また雌雄によって違いがあるかどうかについて検討した。その結果, dd系マウス, C57BL/6Jマウス, マストミス, ゴールデンハムスター, ウィスター系ラットなどのネズミ類については, 雌雄すべて, この光過敏症をひきおこすことが明らかとなった。
    また, ヘオホーバイド自身が光過敏症起因物質としての役割を演じているのかどうか検討した結果, in vitroで光照射されたヘオホーバイドは他の不活性物質に変化し, 光力学的作用を示さないこと, また, とり出された組織とともに培養した場合, 活性物質の残存がほとんど認められないことが明らかとなった。
    なお, 光過敏症をひきおこした動物の血漿中に光力学的作用をおこす活性物質が存在することを推定して, その血漿の注入による作用を検討したが, 量的な問題において確認する必要があると思われる。
  • 礒部 明彦, 木村 修一
    1976 年 29 巻 4 号 p. 225-227
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    体重150gの雌ラットにヘオホーバイド5mg/0.5ml (DMSO) を腹腔注入した場合, 最低5時間の1万ルックスの光照射があれば死亡することが確認された。
    なお, 光過敏症発現におけるヘオホーバイド投与から光照射までの時間を検討したところ, 投与後5時間までは死亡するが, 6時間をすぎるとその効果がなくなることが明らかとなった。
    また, ヘオホーバイドを長期にわたって経口投与しても, 必ずしも蓄積効果はみられなかった。
    さらに, 光感受性部位としての眼球の役割はほとんどないことがわかった。それに, 皮膚露出度の影響もあまりないように思われた。
  • 鈴木 久乃, 樋口 揚子, 鈴木 継美
    1976 年 29 巻 4 号 p. 229-234
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 栄養専攻の女子大学生30名の1日の食事につき, 秤量法による記録をとり, それの献立別概量を9名の栄養士に提示し, 食品別摂取量を推定させた。
    2) 9名の栄養士による食品別摂取量の推定値の平均を実摂取量 (秤量法による) と比較した。実摂取量の大きい場合推定値は実摂取量より小さく, その逆に実摂取量の小さい場合推定値は大きくなった。栄養素別摂取量についても同様の結果であった。
    3) 推定のかたよりは, 栄養士個々によって異なった。食品の場合, いくつかの食品の複合について栄養士によって一定のかたよりが認められた。栄養素の場合, ビタミンB2を別にすれば, どの栄養素についても常に大きくまたは小さく推定する栄養士がみられた。
    4) 推定のかたよりは, 食品, 栄養素の種類によって異なった。
  • 原 京子, 石黒 弘三, 湧口 泰昌
    1976 年 29 巻 4 号 p. 235-240
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Tocのそれぞれの異性体を遠沈管を用いて抽出する場合, エタノール濃度40%区におけるイソプロピルエーテルが最もよいと考えられるが, イソプロピルエーテルを用いると水洗の段階で乳化しやすい欠点がある。一方エタノール濃度30%区におけるベンゼンは乳化せずよく分離できるが, δ-Tocの抽出率がイソプロピルエーテルにくらべて低い。生体内でのToc類の生理活性はδ-Tocはα-Tocにくらべてはるかに低いことが知られている。もし, Tocの異性体を完全に分離定量することを目的とするならば, 抽出溶媒としてイソプロピルエーテルを用いることが望ましいが, ビタミンE生理活性度のうえからみて, δ-Tocのやや低い抽出率を許容するならば, 操作上取り扱いやすいベンゼンを抽出溶媒として用いるほうが適当と考えられる。
  • 川端 晶子, 澤山 茂
    1976 年 29 巻 4 号 p. 241-244
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    8種の果実ペクチン質および4種の市販ペクチンを試料とし, 臭化カリウム錠剤法による赤外線吸収スペクトル分析を行なうとともに, 中和滴定法によって, 試料中の遊離のカルボキシル基と, エステル形カルボキシル基を定量し, また, 原子吸光分析法によってカルシウムとマグネシウムを定量した結果, 赤外線吸収スペクトル特性が, エステル化度, 無機イオンおよび前報のメトキシル基の定量値とほぼ一致することが認められた。
  • 兼松 弘, 丸山 武紀, 木下 葉子, 新谷 勲, 今村 正男
    1976 年 29 巻 4 号 p. 244-250
    発行日: 1976/07/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Examinations were made on the general prop-erties, sterol content, fatty acid composition, α-tocopherol content and solid fat index with 26 kinds of margarine made in U.S.A., and the following results were obtained.
    1) Low-calorie diet margarine contained over 60% of water. Synthetic anti-oxidant was not detected, but some of them contained benzoic acid or sorbic acid.
    2) Results of analyses on sterol agreed with the kinds of material oil labeled on package. Mean value of linoleic acid was 27.21% in the hard type and 32.80% in the soft type.
    3) The content of α-tocopherol was 8.04mg/100g on the average and was considered to originate from the oil used as material and not added specifically. Mean value of total trans acid was 26.22% in the hard type and 20.63% in the soft type, these values being larger than those in the domestic margarine.
    4) Solid fat index of the soft type showed the same tendency as that of the domestic margarine but the hard type of U.S. make was softer at low temperature and tended to be hard at a high temperature.
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