栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
33 巻 , 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 西田 妙子, 西田 宏, 晴山 信一
    1980 年 33 巻 6 号 p. 375-384
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    メチル水銀を連続投与した場合の中毒の発生, 蓄積ならびに排泄に対するヨウ素摂取量の影響を調べる目的で, 白ネズミをヨウ素およびコンブ給与量にしたがって5群に分け, 2回にわたって飼育試験を行なった。飼料へのヨウ素添加量は0.265~150ppm, コンブは5%給与した。
    1) 第1飼育試験では, 白ネズミを塩化メチル水銀 (以下MMCと略記する) 30ppm (Hgとして) 含有飼料で, 約4週間飼育し, ヨウ素摂取量とメチル水銀中毒症発生の関係を調べた。
    2) MMC連続投与19~29日間で, 対照群を除いて, ヨウ素給与量の多い群から順次にメチル水銀中毒症状 (後跂麻痺) が発生し, その症状発生までのMMC累積摂取量は, ヨウ素多給になるほど, 有意に減少した。MMC投与群では, 体重の減少, 腎臓の肥大と黒変, ならびに骨の軟弱化が顕著であった。
    3) 第2飼育試験では, 白ネズミをMMC 10ppm (Hgとして) 含有飼料で37日間飼育後, MMC投与のみを止め引き続き29日間飼育し, ヨウ素摂取量の多少がメチル水銀ならびに総水銀の蓄積と排泄に及ぼす影響を調べた。
    4) 低ヨウ素群は, 高ヨウ素群に比べて, MMC 37日間連続投与後の肝臓, 脳, 筋肉, 全組織中のMMC蓄積量が有意に少なく, さらに, MMC投与を止めて29日後のMMC残留量も, 肝臓, 腎臓, 脳, 筋肉, 脾臓全組織とも, ほとんど有意の低値を示した。
    5) 総水銀は, ヨウ素摂取量に対して, MMC37日間連続投与による蓄積, ならびにMMC投与を止めて29日後の残留のいずれも, メチル水銀の蓄積, 残留に準じた傾向を示した。
    6) 2回の出納試験で, 尿中MMC排泄量は, 高ヨウ素群に比べて, 低ヨウ素群では有意に増加した。
  • 池田 小夜子
    1980 年 33 巻 6 号 p. 385-391
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    牛肉のたん白質消化に伴う食品亜鉛の存在形態およびその変化を検討した。牛肉のペプシン消化3.5時間後に, 含まれる亜鉛の大半が可溶化した。一方, 続くトリプシン消化2時間後では, 可溶化した亜鉛の約56%が再び未消化残渣に移行する結果となった。亜鉛のこの形態変化を引き起こす要因の一つとして, たん白質消化条件下のpH変化が考えられた。牛肉のたん白質消化時に可溶化した亜鉛が, ゲル濾過の結果から, 分子量10,000以上のたん白質に結合していることが判明した。一方, 可溶性亜鉛には無機の亜鉛イオンは含まれていなかった。以上の結果は, 牛肉に含まれる亜鉛が, その消化時には, 亜鉛と高い反応性を示すたん白質性の物質に結合した状態で消化管内を移行することを示唆した。
    この研究を行なうにあたり, 古武弥人教授のご指導を心より深謝いたします。またご協力下さいました古武弥三教授および岸本律子講師に感謝します。
  • 小沢 順子, 池谷 理, 中村 恵雄, 日高 義雄
    1980 年 33 巻 6 号 p. 393-398
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    添加濃度を変えたToc同族体の抗酸化力を, おもにラードを用い, AOM試験により比較し, さらにToc残存量との関係について検討した。
    1) 各Tocには至適添加量があり, ラードの場合, α, γ-Tocでは0.02%, δ-Tocでは0.03%付近であった。
    2) 添加濃度で各Toc間の抗酸化力を比較すると, 0.03%添加以下ではδ<α<γ-Toc, 0.03~0.045%添加ではα<δ<r-Toc, 0.045%添加以上ではα<γ<δ-Tocの順を示した。
    3) コーン油の場合も, 0.02%添加でδ<α<γ-Tocの順となり, ラードの場合と一致した。
    4) ラードおよびコーン油とも, 生成したPOVとToc残存率の間によい相関関係が認められた。同一酸化レベルにおけるTocの残存率はα<γ<δ-Tocの順であり, 添加濃度を変えてもこの順は変化しなかった。
    5) Tocの消失とともに, 急激なPOV上昇がみられた。
    6) 判定基準のとり方によって各Tocの抗酸化力の順位が変化することがわかった。実際に, 判定基準の異るオーブンテストとAOM試験で得られた抗酸化力の順位は一部逆転した。
  • 村田 希久, 本岡 和美
    1980 年 33 巻 6 号 p. 399-406
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    TrpのNiAへの変換量は, 食餌, その他の条件によりかなり異なるが, 一般的にはNiA 1に対しTrp 60という値が採用されている。著者らは日本人の成人女子の習慣食摂取時のTrpのNiAへの変換量を求めるため, 健康な成人女子5名を被験者とし人体実験を行なった。1日当たりTrp 0.41g, NiA 2.5mg (調理後の測定値) を含む基礎食を5日間とり, 後の2日採尿し, つづいて基礎食にTrpもしくはNiAを添加する期を設け, 同様に採尿し, 尿窒素, クレアチニン, N1MN, 2-pyを実測した。N1MN, 2-py量をNiA代謝産物として, TrpやNiA投与後のこの値からおのおの基礎食期の値を差し引き, NiA 1mg当たりのTrp量を算出し変換量を求めた結果, 1名の異常な高値を除いた残り4名では, 各人の平均値21.4~60.1mgであった。とくに高い変換量を与えた1名についてTrp 1,000mg投与期の尿中QA, 5-HIAA, total NiAを他の4名と比較したが, いずれも大差なかったので, この者は投与Trpの吸収が悪かったものと推察し, この被験者の値を除くと変換量の平均は44.7±17.6mgとなった。
  • 黒田 弘之, 三好 保
    1980 年 33 巻 6 号 p. 407-415
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    尿中サッカリンの極微量を定量するために炎光光度型ガスクロマトグラフ (FPD) による新定法量を確立し, これを用いてヒトにおけるサッカリンの尿中排泄について検討した。本法のサッカリンの検出感度は0.5ngであった。
    1) 男女おのおの3名ずつにサッカリン50mgを1回投与後尿中への排泄量を測定したところ, 投与後1時間より急速に始まり, 5~7時間で最高となりそれ以後で下向傾向を示した。
    2) サッカリンの排泄率は投与後6時間で約60%, 12時間で約90%であった。しかし投与量の約5%は12時間より92時間にわたり徐々に少量ずつ排泄された。
    3) 正常人の尿中サッカリン排泄量を1974, 1978年の両年に同一人10名の8時間尿を測定したところ1974年度測定では0.6~313μg (平均84μg), 1978年度測定では19~5963μg (平均1737μg) とFAO/WHOのADI 5mg/kg/dayをこえて検出されたものはいなかった。
    4) 1974, 1978年度の両年を通して正常人の尿中サッカリン (8時間) の排泄量は最低0.6μg, 最高5,963μgにわたり, 変動の差は最低者の約1万倍であった。また1978年度測定者の尿中サッカリンの排泄量は1974年測定時の20倍に及んだ。
    5) 糖尿病患者の尿中サッカリン排泄量を1979, 1980年の両年に測定したところ, 入院患者は食事療法がいきとどきサッカリンの尿中排泄量は著しく少なかった。しかし外来患者は甘味剤としてサッカリンを使用した食品摂取がされて尿中への排泄量は平均7725.8μg/8時間であり正常者の1978年度測定時の4.4倍となっていた。
  • 稲荷田 萬里子, 保屋野 美智子, 野崎 正
    1980 年 33 巻 6 号 p. 417-420
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    32種の食品について, 熱中性子放射化分析法を用いて非破壊法により亜鉛含有量を測定した。穀類では10.61~18.95μg/g, 豆類では乾燥試料として35~47μg/g, 野菜類では1.50~7.7μg/gであり, とくに葉菜類の多いほうれん草, しゅんぎくに多量に含有されていることが示された。芋類ではさといもに多く, きのこ類ではしめじが高い値を示した。魚肉類ではいわしに22.46μg/gと多く, 獣鳥肉類では牛肉に51.58μg/gととくに高い値が示された。
  • 鈴木 正
    1980 年 33 巻 6 号 p. 420-422
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    500ppm鉛, あるいは50ppmカドミウムという毒性発揮量に対して, おのおの10ppmカドミウムあるいは50ppm鉛という, 短期間において, それ自身では, 毒性をほとんど示さないと思われる量を組み合わせて, その毒性に対する影響を調べたが, 鉛, あるいはカドミウムによるラットの成長阻害, 貧血に対して, ほとんど影響はみられず, 鉛とカドミウムとの毒性における相互関係は, 相加的であることを再認する結果となった。
    このさい, 各組織中金属含量の変動を調べた結果, 鉛によるカドミウムの吸収阻害 (排泄促進) は, ほとんど起こってはいないが, 一方, カドミウムにより鉛の吸収が阻害 (排泄が促進) されていると思われる結果を得た。
  • 兼松 弘, 木下 葉子, 丸山 武紀, 新谷 勲
    1980 年 33 巻 6 号 p. 423-428
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    家庭用マーガリンのソフト型13種, カートン包装ハード型9種, 簡易包装ハード型2種, 計24種の脂肪酸組成, ステロールおよびトコフェロールを測定し, これらの一般的特徴を調査するとともに脂肪の質を表わす諸指標による栄養的評価について検討した。その結果は次のとおりである。
    1) 脂肪酸組成およびステロール組成比の結果から簡易包装ハード型を除く全試料は植物油脂のみを原料として製造されたものであり, またサフラワー油と表示された5試料 (アベナステロール) およびとうもろこし油と表示された3試料 (総ステロール量, シトおよびスチグマステロール比) からそれぞれの特徴を示すステロール分析結果を得た。
    2) ソフト型およびカートン包装ハード型のトランス酸量は平均14.49および19.18%を示し, 米国産マーガリンよりいずれも低かった。とくにソフト型の2試料からはまったく検出されなかった。
    3) リノール酸を含むC18: 2ではソフト, カートン包装および簡易包装ハード型の各平均値は38.21, 20.61および10.85%であり, とくにソフト型には45%以上含まれる高リノール型のものが4試料見いだされた。
    4) 総トコフェロール量はほとんどの試料に 20~50mg/100g含まれ, 抗酸化の目的には最適の濃度と一致した。同族体別には一般にα-よりγ-のほうが多かったが, サフラワー油表示のソフト型5試料ではα-が最も多かった。とくに高リノール型の試料には20mg/100g以上のα-が含まれていた。
    5) 各試料を高リノールおよび一般ソフト型, ハード型および簡易包装ハード型に分類して栄養的に評価すると, 高リノール型は多価不飽和酸の給源であり, しかもそれにある程度対応したビタミンEも含有され, さらに血中コレステロール低下効果のあることを示した。
  • 1980 年 33 巻 6 号 p. 429-432
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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