栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
26 巻 , 7 号
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  • 平田 清文
    1973 年 26 巻 7 号 p. 401-411
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    腎疾患治療における食事療法の役割は, 他の保存療法および積極療法の進歩とともに, 有効かつ重要な治療法として再認識される段階を迎えている。 著者は腎疾患の食事療法の問題点として, 治療食の適応と限界に関する諸知見を概説し, 下記の結論をえた。
    1) いわゆる腎炎食とネフローゼ食は, 減塩を主として前者ではたん白質制限, 後者ではたん白質増加に向かう食事であり, それぞれ腎炎 (急性および慢性) およびネフローゼ症候群に適応される。 これらの治療食はいずれも基礎疾患の経過および回復過程に応じて細分されているが, 腎IIA食は腎機能障害軽度ないし中等度の腎不全患者にも適応される。
    2) 急性腎不全食は, 厳重な水電解質管理とたん白質制限のもとに高熱量を供給することにより, 急性腎不全の回復を円滑にする食事と考えられ, これに早期の人工透析療法を併用すれば, さらに効果的な治療成績が得られるであろう。
    3) 慢性腎不全食は, 高窒素血症の改善, 尿毒症の予防および治療, 患者の延命効果などにおいて有効であるのみでなく, 慢性腎不全の進行または増悪に対して防止的効果が期待される。 ただし急速進行性腎不全および終末期腎不全に対しては, 人工透析療法を併用しない限り, 治療食の効果は限界に達して無効になる。
    4) 透析食は, 人工透析療法に低たん白高熱量食を併用することにより, 透析治療の回数を減らすことができる。 これによって, 透析治療に要する諸経費は軽減されるのみでなく, より多くの終末期腎不全患者が救命される機会を提供している。 週1回の腹膜灌流法と透析I度食の併用は, 年余に及ぶ治療経験により, 長期の維持透析療法に適した治療法であることが明らかにされた。
    5) 腎不全用の低たん白高熱量食の作成には, 治療用の特別食品の研究開発とその実際的応用が必要である。 本邦のこの領域における開発食品を紹介し, あわせて低たん白高熱量食による腎不全の治療理論について言及した。
  • 外川 嘉子
    1973 年 26 巻 7 号 p. 413-419
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    酵素処理たん白質中の遊離アミノ酸と, これを摂取したラットの血中, 肝臓中の遊離アミノ酸との関連から, たん白質は適当な酵素で部分的に分解することによって, ある種のアミノ酸の利用がよくなることを知った。
    1) カゼインのアルカリプロテアーゼ分解物 (Cas-B) 食投与白ネズミの食後の門脈血中にはメチオニンが, 酸性プロテアーゼ分解物 (Cas-A) 食投与群や未処理カゼイン食投与群よりも多量に含まれ, カゼインの制限アミノ酸であるメチオニンの利用がよくなっているであろうという前報の推測の裏付けとなっている。
    2)Asp, rhizopusの異なった株の酵素で部分的に分解した2つの卵たん白のうち, Egg-No. 1はEgg-No. 2よりもよい成長成績を示した。 No. 1ではアスパラギン酸の遊離量がNo. 2より多かったが, 門脈血では差がなかった。 ただしNo. 2にアスパラギン酸を添加すると成長がよくなることから見て, 非必須アミノ酸の利用の良否もこの場合考えられる。
    3) ラットの血中の遊離アミノ酸パターンの間の相関関係は同じ種類のたん白質食相互よりも, 成長成績のよいCas-BとEgg-No. 1相互のほうが高かった。
    4) 血中および肝臓中遊離アミノ酸のE/T比は肝臓中が最も低く, ついで門脈血である。 Cas-BとEgg-No. 1食のE/T比は他に比して肝臓中では高く, 門脈血中では低い。 しかしその意味についてはよくわからない。
  • 岸田 典子
    1973 年 26 巻 7 号 p. 421-429
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    高コレステロール食飼育ラットの血清および臓器コレステロール値におよぼすコンニャク精粉の影響を検討し, つぎのような結果が得られた。
    1) コンニャク精粉には, 血清および肝臓コレステロール値の上昇抑制効果が認められた。その効果を有する成分は, 微量成分ではなく主成分であるグルコマンナンであった。グルコマンナンは腎臓コレステロール値には影響をおよぼさなかった。なお, とび粉にも血清コレステロール値の上昇抑制効果が認められた。
    2) 血清コレステロール値の上昇抑制効果には質が, 肝臓コレステロール値では量が関係した。また, 血清および肝臓コレステロール値の上昇抑制効果は, グルコマンナンの0.5%の添加でも認められた。
    3) 血清および肝臓コレステロール値はコレステロール添加により上昇し, その影響はとくに肝臓コレステロール値に大きかったが, 同時にグルコマンナンを添加しても, いずれも基本食のレベルにまでは低下しなかった。
    4) グルコマンナンは小腸重量を増加させたが, 肝臓重量を軽減させる傾向があった。肝臓組織には脂肪の蓄積による病変 (脂肪浸潤ないしは脂肪肝) がみられたが, それはグルコマンナンの添加により軽減した。
    5) 試験物質の添加量が5%まででは, 飼料摂取量や成長には影響がみられなかった。
  • 山田 (小山) 恵子, 鴇田 克彦, 鈴木 敏己, 中村 隆
    1973 年 26 巻 7 号 p. 431-440
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    実験的高血圧症ならびに実験的高コレステロール血症に対するたん白質の量と質の問題について血清, 肝脂質, 病理学の面から検討した。体重150g前後のウィスター系白ネズミ雄を使用して, たん白質としてカゼイン20, 10, 60, α-プロテイン20%の4群をもうけた。高コレステロール血症はコレステロール5%, コール酸2%, チオウラシル0.3%を与えて作成した。また高血圧症は実験食投与1週前に左腎摘出を行ない, DCAを一圓おき1mg/1回を筋肉注射し合わせて1%食塩水溶液を与えた。飼育6, 12, 18週目に屠殺, 血清および肝の脂質分析, 心, 腎, 肝, 脳, 大動脈, 腸間膜の病理学的検索を行なった。体重は高血圧群が正常血圧群にくらべて低く, とくに10%カゼイン, 20%α一プロテイン群で低かった。血圧は高血圧群中とくに60%カゼイン群で高かった。血清コレステロー・ルは10%カゼイン, 20%α-プロテイン群で高かった。中性脂肪, リン脂質は6, 週で差はなく, 12週目の高血圧群で20%α増プロテイン, 正常血圧群で10%カゼイン群が高かった。肝脂質は両群とも60%カゼイン群で低かった。肝コレステロールは高血圧群で10%カゼイン, 20%α一プロテイン群, 正常血圧群で20%α-プロテイン群が高かった。血清L/O比は高血圧群の10, 20%カゼイン群で低い値を示し, 正常血圧群の60%カゼイン群で高い値を示した。病理学的には, 高血圧群の60%カゼイン群にとくに著明な動脈硬化病変がみられた。
  • 古賀 ゆう子, 肱岡 由利江
    1973 年 26 巻 7 号 p. 441-456
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    近年, 諸種の食餌管理の関心は量的なものから質的なものへと変換移行している。 この意味において, 動脈硬化をはじめとする成人病の予防, 治療の目的に応じる脂質摂取に関する適性食品選択の一尺度として, 動物性食品79試料にっいて, 米国心臓学会の提唱する回帰式 (予知式) を用い, 粗たん白質100gと共存する脂肪酸, コレステロール量に因るΔChol (血清中のコレステロール量の変化) を算出した。 その結果は次のとおりであった。
    1) 全試料中, 血清コレステロールへの影響が最も少ないもの, すなわちΔChol. が低いものには, マエソ (普通肉) を最低として, マガツオ (普通肉), 卵白, マガレイ (普通肉), 鶏 (胸肉), 鶏 (腿肉), ビンナガマグロ (普通肉), マイワシ (血合肉) などの順でしだいに高くなったが, これらはいずれもΔChol. が15.00以下のものであった。 また, きわめて高い値を示すものにはビンナガマグロ (血合肉), 牛 (肝臓), 牛 (イチボ), 豚 (バラ), ハマグリ (肉+内臓), キダイ (卵), アサリ (肉+内臓) と上昇し, 卵黄 (AおよびB) が最高であった。 これらΔChol. の最低値 (マエソ, 普通肉) 4.18と最高値 (卵黄B) 137.88の間にはかなりの格差があった。
    2) 食品類別的には, ΔChol. の順位を付すことは困難であるが, 魚肉 (血合肉) 類との比較においてΔChol. の高低をみると, 魚肉類 (普通肉), ならびに卵白, 鶏肉類, 羊肉類は最も低く, 牛肉類, 肝臓類 (牛, 豚, 鶏) および鯨肉類は魚肉類 (血合肉) とほぼ同程度であった。 それをやや上回わるものには貝類, 甲殻・頭足類および魚卵類があり, 明らかに高い値であるものに豚肉類および卵黄類があった。
    3) 魚類にっいては, 季節や部位別の摂取法に考慮を要するもの, すなわちΔChol. の広がりが大きい部位は皮部であったが, その喫食率は比較的少ないと思われるし, 皮部を併用しない調理的工夫も可能で, あまり大きな問題点ではない。 同様に獣鳥肉類について部位による差異がみられたのは牛肉類で, 部位の選択と調理法に注意を要する。
  • 畑中 千秋, 大村 浩久
    1973 年 26 巻 7 号 p. 457-462
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    pQとアミノ酸, とくにGlyとの反応による抗酸化力ならびに還元力の発現および褐変について試験し次のような結果を得た。
    1) pQ単独系においてもかなりの抗酸化力ならびに多少の還元力や褐変も認められるが, これにGly等アミノ酸を添加して反応させることによりいずれも増強された。
    2) 抗酸化力は反応溶液のpH, Gly濃度あるいは作用時間によって著しく影響された。すなわち, pHやGly濃度が高くなるほど, また反応時間が長くなるほど, 得られた褐変溶液の抗酸化力は増強された。他方, 還元力や褐変もpHおよび反応時間により同様に影響された。
    3) 抗酸化力は還元力には密接な関係はみられないが, 褐変度とはほぼ比例関係にあった。
    4) pQとGlyとの反応でHQの生成を認めたほか, 置換型ジフェノールの生成も推定された。
    5) 抗酸化力, 還元力および褐変に対する種々のアミノ酸の効果が比較検討された。
  • 大塚 一止, 武 恒子
    1973 年 26 巻 7 号 p. 463-469
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    純品を用いてアミノ酸類を主体とする再現しうる旨味液の調製を試みた。その結果を要約すると, 次のごとくである。
    1) 天然食品のアミノ酸組成とアミノ酸類の呈味傾向より, グルタミン酸1, 500mg/l, グリシン500mg/l, セリン500mg/l, アルギニン1, 000mg/lの混液をアミノ酸ベースとした。この旨味: 甘味: 苦味のモル比はほぼ2: 2: 1である。
    2) 一般に好まれる旨味混液の各種アミノ酸添加量は上記ベースにアラニン, バリン各1, 000mg/l, リジン, プロリン各500mg/l, ロイシン, イソロイシン各300mg/l, スレオニン, フェニールアラニン各100mg/l, アスパラギン酸, アスパラギン各50mg/l, グルタミン5mg/lの組成が呈味を増進するが, チロシン, メチオニン, ヒスチジン, シスチン, トリプトファンの添加は旨味の劣化をきたすという結果を得た。
    3) アミノ酸混液に調和する一般的調味料としては, 0.5%食塩の添加が最適であった。
    4) イノシン酸250mg/lとグアニル酸125mg/lの添加はアミノ酸混液の旨味を最良にした。また, この混合液はかなり緩衝能が大である。
  • 1973 年 26 巻 7 号 p. 471c
    発行日: 1973年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 26 巻 7 号 p. 471b
    発行日: 1973年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 26 巻 7 号 p. 471a
    発行日: 1973年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本誌第26巻第5号に掲載の総説, J.テッパーマン著 (村田希久訳), “食餌摂取パターンが代謝によおぼす影響”中に誤りがありましたので, 下記のとおり訂正してお詑び申し上げます。 (誤)酵素消 (正)酸素消
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