栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
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  • 松下 雪郎
    1982 年 35 巻 6 号 p. 375-390
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 坂本 清, 柳生 憲子, 矢部 美根
    1982 年 35 巻 6 号 p. 391-396
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    食物タンパク質を生理的に評価する一方法として, Single time feedingによる血中尿素態窒素濃度測定法の漂準化を次のとおり行なった。
    体重約100gの雄ラットに10%および5%タンパク質飼料を, 1日2時間, 12日間にわたり与え, 最終日給餌終了後, それぞれ4時間および2時間後に, 血しょう中尿素態窒素濃度を測定した。
    この方法を49種類の食品ならびに31種類の献立食品に適用した結果, 血中尿素態窒素濃度が, 同じ食品飼料について得られたPERと高い逆相関関係を示すことを知った。
  • 鈴木 和春, 菅家 祐輔, 五島 孜郎
    1982 年 35 巻 6 号 p. 397-400
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    雄, 雌幼若ラットを用い, 8週間にわたり正常食と鉄欠乏食を与え, 成長変化とN出納との関係を観察し, さらにCa, MgおよびP出納上の変化を参考までに測定した。
    その結果, 鉄欠乏食投与群は雄・雌とも極度な鉄欠乏性貧血を呈した。また飼料摂取量, 体重増加量および飼料効率は鉄欠雄ラットで低下した。N保留量においても鉄欠乏食群で正常食群の約1/2量であった。Ca, MgおよびPの吸収率は鉄欠乏食投与で低下した。
  • 鵜飼 光子, 福場 博保
    1982 年 35 巻 6 号 p. 401-407
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    炭素鎖長8, 10および12の飽和脂肪酸TGを合成しこれを唯一の脂肪源として40カロリー%含むChol負荷飼料でS. D. 系雄ラットを飼育し, 血漿, 肝および脂肪組織の各脂質組成に及ぼす効果を調べた。 コントロールは合成TGと同様にサフラワー油を唯一の脂肪源として投与した。
    1) 1日あたりの体重増加量はC18: 2群に比べCF群ではほぼ同一の値になったが, 実験群はいずれも減少した。 実験群はいずれも実験食に順応するまでに数日を要し, このためFERは実験群でいずれもC18: 2群より有意に低下した。
    2) 血漿TCおよびFC値は実験群で著しく高い値を示しまた, HDL-Chol値は実験群で著しく低下し, いずれもC18: 2群との間に有意差が認められた。
    3) 血漿PLおよびTGとも実験群は高い値を示し, C18: 2群との間に有意差が認められた。
    4) 肝臓においては実験群はいずれもC18: 2群に比べ総脂質量は低く, Chol量は高くなり, 同群との間にいずれも有意差が認められた。
    以上の結果から, 高濃度で投与した場合にはC8: 0, C10: 0およびC12: 0という炭素鎖長の違った飽和酸を単一脂肪酸とするTGはいずれの鎖長のTGの投与によっても脂質組成は一律に変化することが示された。
  • 小池 五郎, 金子 佳代子, 小石 秀夫, 奥田 豊子
    1982 年 35 巻 6 号 p. 409-415
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) 健康な男女学生11名に基礎食7日間, 胚芽精米食7日間摂取させ, 尿・糞を採集して, 窒素, 脂質, エネルギー量を分析した。
    2) 胚芽精米食期の排泄量と基礎食期の排泄量の差引き計算により求めたタンパク質, 脂質, 炭水化物 (差引きによる) の「真の消化吸収率」はそれぞれ82.5%, 64.2%, 99.0%であった。
    3) エネルギーの吸収率は97.0%, 正味エネルギー利用率は96.8%であり, ボンブ熱量計で測定される食品の燃焼ェネルギー量に正味エネルギー利用率を乗じて求めた利用エネルギー値は100gあたり362kcalであった。
    4) 各成分19あたりの利用ェネルギー量すなわちエネルギー換算係数は, タンパク質3.55, 脂質5.97, 炭水化物4.16であった.
    5) 以上の成績を, 同じ時期, 同じ条件で行なった精白米の実験成績と比較検討した。
  • 本間 清一, 鄭 泰泳, 阿部 啓子, 倉田 忠男, 加藤 博通, 藤巻 正生
    1982 年 35 巻 6 号 p. 417-422
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    露地栽培した大型福寿2号のトマトを熟度の異なる6段階 (mature-green~red) で収穫し, 温度および光条件の異なる環境下で追熟し, そのアスコルビン酸含量の変化についてしらべた。
    1) 収穫直後の総アスコルビン酸含量はbreakerからpink (熟度2~4) 程度の未熟果が樹上完熟果より高い。
    2) 20℃定温追熟の場合, 一般に還元型アスコルビン酸含量は追熟中の光の有無にかかわらず樹上完熟果と差はない。
    3) 20~25℃, 自然光または人工光 (10,000lx) 下で変温追熟した場合, breakerないしpink (熟度2~4) 程度で収穫し追熟したトマトは樹上完熟果より高い還元型アスコルビン酸含量を示した。
    4) 25~30℃, 人工光 (6,000lx) または暗黒下で追熟させた場合, 総アスコルビン酸含量は収穫時の含量より減少するが, 収穫時の果実が未熟であるほど, その追熟に伴う減少量は少ない傾向を示した。樹上完熟果と比較すると, mature-greenとbreaker (熟度1, 2) で収穫した追熟果は樹上完熟果と同程度の総アスコルビン酸含量を示した。
  • 菊地 武夫, 岡本 博夫, 大堀 昭子, 藤村 隆夫, 八城 和宏, 石川 喜代子, 尾形 圭子
    1982 年 35 巻 6 号 p. 423-430
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    グルコース濃度のみ異なる3種の栄養輸液をラットに1週間投与し, ラットの成長ならびにタンパク質代謝に及ぼす影響を検討した。 あわせて同一カロリーを経口摂餌させた群を設け, 栄養素の投与経路の違いについても検討を加えた. 栄養輸液の投与効果は, 体重, 窒素出納血液性状ならびに臓器中のタンパク質含量および核酸量の変動などから判定した。
    1) 末梢静脈から投与可能な5.0%グルコースを含む栄養輸液では体重の維持が不可能であり, 異化状態の亢進が認められた。
    2) 完全静脈栄養用の14.8%および20.6%グルコースを含む栄養輸液では, 投与した栄養素は生体内で有効に利用され, ラットの体重, 窒素出納などを良好に保った。 これらの効果は投与カロリーの多い群で著明であり, 静脈栄養では体重保持に240kcal/kg/day以上のカロリー投与が必要と考えられた。
    3) TPNを施行したラットでは, 手術侵襲の残っている時期には同一カロリーを経口摂取させた群に比べ, 体重, 窒素出納が良好であった。 しかし, 投与後半には経口栄養群が優位に推移した。
    以上より, 完全静脈栄養法は手術侵襲などの特殊な環境下にある生体にとってとくに有効と考えられ, 投与された栄養素が体タンパク合成などに有効に利用されるものと考えられる。
  • 綾野 雄幸, 太田 冨貴雄, 渡辺 幸雄, 中村 強, 滝沢 まゆみ
    1982 年 35 巻 6 号 p. 431-439
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    CBならびにCBから分離調製したDF標品を高コレステロール飼料 (コレステロール1%, コール酸ナトリウム0.25%を含む) に添加してラットに投与し, 血清ならびに肝臓コレステロールに及ぼす影響を調べた。
    1) CBを高コレステロール飼料にNDF含量5%レベル (wet milling-CB 8.4%, dry milling-CB 11.9%) で添加し, ラットに投与した場合, 両CBは血清コレステロールの上昇抑制に有意な変化を示さなかった。
    2) CB (wet milling) からNDFをVan Soest法を応用して分離した。 NDF標品 (セルロース24.6%, ヘミセルロース67.8%, リグニン2.4%) を高コレステロール飼料に5%レベルで添加してラットに投与した。 この標品は血清コレステロールの上昇をいくらか抑制したが, 肝臓については上昇抑制作用は示さなかった。
    3) CB (wet milling) から “ヘミセルロースB” 区分を希アルカリで抽出した。 このヘミセルロース標品 (非セルロース多糖類95%) を高コレステロール飼料に0.5%ならびに2%レベルで添加してラットに投与した。 この標品は血清コレステロールの上昇を有意に抑制し, 2%添加の場合は肝臓コレステロールの上昇も有意に抑制した。
  • 小林 英, 荘 進, 三輪 潔, 米山 武志, 渡辺 寛
    1982 年 35 巻 6 号 p. 441-447
    発行日: 1982/12/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    MA-3 is an unique liquid formula for tube feeding which contains casein and starch hydrolysates and aseptically packaged for an individual patient. Remarkable progresses in MA-3, as compared with the conventional powdered formula, have been made to accomplish its negligible bacterial contamination, limited fluctuation in the composition and feasibility in feeding practice.
    Authors previously reported the tube feeding of MA-3 to the subjects who received surgery of esophageal carcinoma. In the present article, the results of clinical studies are described on tube feeding of MA-3 by means of jejunal fistula to those 2 patients for 1, 296 and 190 days, who have undergone the surgical excision against non-neoplastic and neoplastic lesions respectively at the digestive tract.
    1. Diarrhea was by no means observed in both subjects who fed MA-3. This seemed to be due to dietary significance of MA-3 and favorable adjustment of the feeding rate.
    2. The energies which effected to keep the constant body weight of 51 and 46kg in the former and the latter subjects were 27.5 and 43.8kcal/kg of body weight respectively.
    3. Nutritional value of MA-3 was determined in terms of the protein level in blood serum. Blood analysis against the former subject at the moment of remission revealed the total protein concentration of 6.2 to 6.5g/dl in blood serum and 12.0 to 12.5g/dl in hemoglobin value.
    The protein uptake and kcal/N value were 0.67g/kg and 262kcal/kg respectively.
    Nitrogen balance was noted to be +1.35 while the result of occult blood test, an index for homorrhage in digestive tract, was evidently positive.
    In the latter subject who manifested hepatic dysfunction, protein uptake and kcal/N value were 0.78g/kg and 272kcal/kg respectively. GOT and GPT values remained constant throughout the period of the present study.
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