日本家政学会誌
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52 巻, 8 号
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  • 麻見 直美, 塚原 典子, 江澤 郁子
    2001 年 52 巻 8 号 p. 689-698
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, 成長期雌雄ラットの骨に対するミルクの効果を検討した.骨量測定装置による低骨量測定は, 機械の精度上, 以前は正確かつ精密に評価することは極めて困難であった.しかし, 近年, 低骨量でも正確な測定が可能となった.そこで, 本研究では成長期の骨に対するミルクの効果を骨量測定を中心に行った.
    離乳直後の3週齢SD系雌雄ラットを使用し, 雌雄いずれも, ミルクのみをカルシウム (Ca) 源とするミルク食 (Ca0.3%, リン (P) 0.3%) を摂取する〓ミルク群・〓ミルク群と, 炭酸Caのみをカルシウム源とするコントロール食 (Ca0.3%, P0.3%) を摂取する〓コントロール群・〓コンロトール群に分けた.なお, 実験食飼育期間は4週間とした.実験Aでは, 生体における骨量変化, およびCa出納を検討した.すなわち, 実験開始時, 実験食2週目, 実験終了時 (実験食4週目) の計3回の腰椎・脛骨骨量測定, および実験食開始直前を含む計4回のCa出納試験を実施した.実験Bでは, 実験食開始直前, 実験食2週目, 実験終了時 (実験食4週目) の計3回解剖を行い, 大腿骨, 腰椎, 脛骨を採取し, 骨強度, 骨重量および骨中Ca・P含量, 摘出骨骨量を測定した.
    その結果, 実験Aにおいて, ミルク群の腰椎・脛骨骨密度 (生体測定) および腸管からのカルシウム吸収がコントロール群に比べ有意な高値を示した.また, 実験Bでは, ミルク群の摘出腰椎・摘出脛骨骨密度, および大腿骨骨強度, 骨重量, 骨中Ca・P含量が, コントロール群に比べ有意な高値を示した。以上のことから, ミルクが成長期の骨代謝に極めて効果的であることが示唆された.さらに, DXA法を用いた生体における微量骨量変化の測定の有用性が示された.
  • 西村 公雄, 後藤 昌弘, 中井 秀了, 川瀬 眞市朗, 松村 康生
    2001 年 52 巻 8 号 p. 699-708
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    鶏肉とホワイトソースを混ぜ90℃で加熱すると肉から溶出してくるタンパク質によりソースが分離する.このソース分離は, タンパク質の溶出量に有意な差が無いにも関わらず, 75℃加熱で抑えられた.水溶性タンパク質を含む肉抽出液の吸熱温度曲線を示差熱量計で測定したところ吸熱終了温度は約85℃を示し, 75℃では, タンパク質の熱変性が終了していないことが分かった.75および90℃加熱した肉抽出液より得られたタンパク質凝集体についてSDS-PAGE法およびReolograph Sol法により調べたところ90℃加熱の方が75℃加熱よりもタンパク質の重合体がより大きくより硬いことが判明した.これらのことは, 90℃加熱中に鶏肉より溶出してくるタンパク質が巨大で強固な構造を持つことがソース分離に関与していることを示唆している.
  • 中野 迪代, 一棟 宏子, 梶浦 恒男, 藤田 忍, ペンダーガスト ドナ
    2001 年 52 巻 8 号 p. 709-721
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    安全で快適な戸建住宅ストック形成には, 住宅所有者が自宅の現状を知り, 積極的に住宅管理に係わるように導く必要がある.本研究の目的は, 活発な戸建中古住宅市場が存在する豪州で, 近年急速に普及している購入前住宅検査が, その重要な機会になっていると考え, 1) その実態を明らかにし, 2) この検査が戸建持家所有者の住宅管理行為の推進に果たす役割を明確にすることである.研究方法は, 1997年と1998年にクイーンズランド州ブリスベン市を中心に実施した多角的な調査結果と収集資料により考察する.結論として, この検査は, 1) 住宅購入者の自己責任に基づく意思決定を支える情報開示の手段であり, 2) その建物の不具合箇所を明らかにする機会であり, 3) 購入後の住宅管理計画をたてる際の重要な参考資料となり, 中古住宅購入者保護と購入後の住宅保全に役立つ仕組みである.
  • 大中 忠勝
    2001 年 52 巻 8 号 p. 723-727
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    室内でペット (犬か猫) を飼育している25軒の住宅と飼育していない住宅35軒の居間での浮遊真菌・細菌濃度を夏季 (8月) と秋季 (10月) に測定した.同時に, 清掃, 換気, 冷暖房の使用などについてのアンケート調査を行った.また, 居間において, 気温, 気湿を真菌・細菌濃度測定日を含めて, 5分間隔で7日間連続測定し, その平均値を各住宅の気温, 気湿とした.
    居間の気温は夏季28~30℃, 秋季17~20℃であり, 気湿は両季節とも50~70%であった.気温, 気湿にペット飼育の有無による差異は認められなかった.ペット飼育家庭での真菌濃度は0.07~0.09 CFU/l, 細菌濃度は0.27~0.35 CFU/lであり, ペット非飼育家庭の真菌濃度0.02~0.05 CFU/l, 細菌濃度0.13~0.15 CFU/lに比較し高い値を示した.ペット飼育家庭で高い真菌・細菌濃度を示した家庭の特徴は, 「部屋の換気をあまり行わない」「掃除の回数が少ない」であった.これらの結果は, 室内でペットを飼育する場合には清掃, 換気などに注意する必要があることを示唆するものである.
  • 村田 洋, 山崎 新, 前田 正信, 久繁 哲徳
    2001 年 52 巻 8 号 p. 729-736
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    超高齢化社会において, 都道府県財政において老人福祉費は増加していくものと考えられる.そして, 2000年4月に導入される介護保険制度によって, その動きは加速されるものと考えられる.しかしながら, 介護サービス等が各都道府県に与える経済波及効果については十分な検討はなされていないようである.本研究では, 高齢者の人口割合がほぼ全国と同じである栃木県, 京都府及び福岡県を取り上げ, 介護保険制度の導入が各府県に与える経済波及効果の推計を試みた.即ち, 厚生省 (2001年より厚生労働省) が全国推計した介護保険の市場規模を用いて, 3府県が作成した各府県の90年産業連関表を用いて2000年及び2010年の経済波及効果を推計した.併せて, 雇用者数も推計した.その結果, 2000年における栃木県, 京都府及び福岡県の介護サービスの市場規模は, それぞれ, 684億円, 905億円及び1,710億円となった.また, 経済波及効果は, 513億円, 801億円及び1,787億円となった.波及効果を含めた雇用者数は8,900人, 12,600人及び25,600人となった.また, 介護サービスに関わる必要労働人口は, 5,600人, 7,400人, 及び14,000人となった.そして, 2000年から2010年にかけて介護サービスの市場規模の増加は, それぞれ, 357億円, 530億円及び967億円となった.また, 経済波及効果の増加は, 268億円, 469億円及び1,555億円となった.波及効果を含めた雇用者数の増加は4,700人, 7,400人及び18,100人となった.そして, 介護サービスに関わる必要労働人口 (ここでは介護サービスに関わる必要な労働人口の意味で使用している) の増加は, 2,900人, 4,300人及び7,900人と推測された.
  • 麻見 直美
    2001 年 52 巻 8 号 p. 737-739
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 三枝 繁雄
    2001 年 52 巻 8 号 p. 741-743
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 石橋 源次
    2001 年 52 巻 8 号 p. 745-747
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 安達 町子
    2001 年 52 巻 8 号 p. 748-750
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 中川 静紀
    2001 年 52 巻 8 号 p. 751-756
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 「重大少年事件の実証的研究」から
    原口 幹雄
    2001 年 52 巻 8 号 p. 757-764
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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